クロムめっき加工の技術を磨き続けて70年超。高い技術力で日本のものづくりを支え続ける
<カイシャの特徴>
●事業内容:硬質クロムめっき加工で70年超
●働く環境:男女社員とも育休取得率が100%
●育成制度:新人研修で全員が ものづくり体験
●仕事のやりがい:新しいめっき技術に挑戦できる
他社にはできない硬質クロムめっき加工も請け負う、高い技術力が強み
大森クローム工業は1951年の設立以来、硬質クロムめっき加工を手掛けてきた。めっきとは金属の表面処理のことで、装飾性や機能性を高める加工だが、硬質クロムめっきは、素材にクロムめっきを施すことで鉄の2倍の硬度にすることができる。耐摩耗性、耐熱性、耐食性を高める特性を生かし、輸送・鉄道業界や精密機器業界、医療業界など、社会の様々な分野で同社の技術が活用されている。
「当社には70年以上にわたって築いてきた技術があり、業種を問わず様々な依頼をいただいています。中には同業他社から『これは大森クロームさんに頼んだほうがいい』と言われて当社にやって来た、というお客様もいらっしゃいます」と語るのは、企画管理部の前澤マネージャー。
大田区の本社工場以外にも埼玉県と岩手県に工場を保有し、今後は遠隔指導用ロボットを導入して工場間の技術の均一化を図るなど、DXによるスキルアップや効率化も目指していく。
「社会のあらゆる分野が進化する中、私たちのめっき技術も時代の変化に対応していきたいと思います」(前澤マネージャー)
ものづくりが好きな若手が新たな加工法に取り組み、スキルを磨き続ける
「当社には、ものづくりが好きという志望理由で入社した社員が多いです」と前澤マネージャーが語る通り、めっき加工そのものにやりがいを感じる社員が多いという。特に難易度の高い加工案件が持ち込まれることも多い同社では、営業担当・めっき担当・磨き担当がそれぞれ意見を出し合いながら作業を進めるなど、その都度工夫し、時には技術を応用し新たな加工方法を導き出す点が魅力となっている。
入社5年目、めっき加工を担当している製造課の出羽さんは、「以前はできなかったことでも、繰り返し行うことでできるようになるなど、着実に技術を身に付けられる点がやりがいにつながります」と語る。
また、入社3年目、磨き加工と技術開発を担当している製造課の鎌田さんは、「磨き作業中に、色や光沢の変化を即座に確認できる点が仕事の面白さです」と話す。
新人研修では、営業職社員も自社技術を知るためものづくりを体験
同社に新卒入社した場合、まずは座学で基礎的な仕事内容や社会人としての基礎を身に付ける。その後、社内のめっき加工や磨きといった各グループを回り、それぞれがどのような作業を行っているのかを知る「1week研修」に参加。営業職の社員もものづくりの工程を体験し、自社の技術への理解を深める。
「私は現場では唯一の女性ですが、先輩たちはとても親切で楽しく技術を身に付けてきました。今までに手掛けた仕事の中で、1カ月かけて金属の表面を鏡のように磨く完全鏡面の加工をしたことは、良い経験になりました」(鎌田さん)
また資格取得を奨励しており、推奨される資格取得の費用は全て会社が負担。現場の社員それぞれが持つスキルの見える化を進めるため、「巨匠認定制度」という取り組みもスタートした。年に2回、評価と面談を繰り返し、個々のスキルがレベルに達していれば認定され、不足していれば目標に向かってスキルアップを目指していく。
男女とも育休取得率100%。子育て世代に嬉しい制度や社内交流も充実
育児休業制度に関して、これまで男性社員・女性社員ともに取得率が100%だという同社。
「育児休業から復帰後も、子どもが小学校6年生になるまで、短時間勤務制度の利用が可能です。その後はフレックスタイム制が活用できるなど、子育て世代には嬉しい制度が整っています」(前澤マネージャー)
また、残業時間は月に10時間程度で、有給休暇は仕事の都合がつけば直前に申請しても問題なく取得できるという。
社員は通常業務以外に環境整備やDXといった4つある委員会のいずれかに参加しており、これが横のつながりを生むことにも役立っている。
「毎朝、環境整備委員会が主導して社内外の清掃を全社員で行っています。この清掃のおかげで、皆が気持ちよく働くことができています。私はDX推進委員会に参加して社内のIT化を進めています」(出羽さん)
このほかにも部署ごとの懇親会には会社が費用を一部負担し、社員同士の交流を促している。
マネージャーからのメッセージ
ものづくりが好きという人には、やりがいのある仕事です。めっき自体は古くからある技術ですが、時代に合わせて進化する点も魅力です。
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●第43号 (2025年12月発行)掲載 ※掲載内容は発行日時点のものです。


