同所は、主に中小企業を対象に、社員の入退社に伴う社会保険等、人事労務に関する相談や手続き、助成金の申請、就業規則や評価制度の構築などを行っている。設立からわずか５年ほどだが、多くの実績と企業からの信頼を得ている。実際、ホームページからの問合せだけでなく、紹介や口コミで依頼がくることも多い。
　佐々木代表（社会保険労務士／行政書士）は、その秘訣を「メンバー一人ひとりが、クライアントに対し、常に誠実であること」と語る。助成金申請の担当を中心に行っている門舛さんは、「助成金がおりるまでには、書類作成などで期間を要し、わずかな不備があると認められません。そのため、お客様になるべく負担をかけず、スムーズにご案内できるよう心掛けています」と話す。無事に助成金がおり、お客様からいただく「丁寧な対応で安心しました」の一言に、この仕事のやりがいを感じている。
　法律や制度などの知識が必要な業務だが、同所で活躍するメンバーのほとんどが、未経験からのスタートだ。ウェディングプランナーやドラッグストアの店員など異業種から転職してきた方が多く、エンジニアをしていた倉富さんもその一人。
　「前職で体調を崩した際、社会保険の必要性を感じ、もっと詳しくなりたいという思いで転職しました。未経験でしたが、入社時の研修はもちろん、法律や制度が変わる際にも都度社内で勉強会を開催してくださるので、人事労務の知識が身に付き、安心して業務に入れます」と話す。それだけでなく、普段は接することがない企業の経営者とやりとりする機会が多いことも、ほかでは余りできない経験だと感じている。

　同所は、学びの機会や場を事務所が提供することもあるなど、社員一人ひとりの成長を支援する環境も整えている。新入社員だけでなく中堅メンバーにも研修を実施するほか、外部で開かれるセミナーに業務時間を使って参加できる。もちろん、費用は事務所負担だ。
　また、スキルアップに自主的に取り組んでいるメンバーも多いという。資格取得支援制度と、柔軟な出退社時間を活用して、勉強に励んでいる。門舛さんも、社会保険労務士の資格取得を目指す一人だ。
　「早めに出社する日は帰宅後、遅めに出社する日は出社前など、仕事や生活リズムに合わせて勉強時間を確保しています。佐々木代表をはじめ、有資格者の方が労務相談の対応をしている姿を近くで見ていると、知識の幅が広く羨ましいと感じます。私も、お客様に対してほかに代わりのいない、“私だからこその提案と対応”ができるように、資格取得の勉強や日々の業務での経験を通して、更に知識を深めていきたいです」
　そんな先輩に続くように、後輩の岡本さん、倉富さんもスキルを身に付け、ファイナンシャルプランナーや個人情報関連の資格を取得したいと意気込んでいる。
　働きやすい環境と、メンバー一人ひとりの成長意欲がうまく融合している同所。それが、お客様への“信頼” につながっているのだろう。