人々の生活を支える、めっき加工技術を高等職業訓練校と現場で身に付け社会に貢献
＜カイシャの特徴＞
●事業内容：めっき加工技術の開発と提供
●働く環境：風通しが良く意見を言いやすい
●育成制度：高等職業訓練校で実践的に学べる
●仕事のやりがい：めっき加工で社会に貢献する喜び
高度な精密めっき加工技術で、幅広い分野のものづくりを支える
めっき加工とは、金属や非金属の素材の表面に薄い金属の膜をコーティングする表面処理技術のこと。三共鍍金が提供する工業用の精密めっき加工の技術は半導体、自動車の部品やタイヤ、医療用部品のほか、ガラス製品を成形する際に必要な金型など、生活に欠かせない多様な分野の製品に使われている。
「一般的にめっき加工が難しいとされる製品にも、柔軟に対応できる高い技術力が強みです。新しいめっき加工技術の開発や、効果的な利用方法を提案していくことで、製造業の大手企業と直接取引をし、高い評価と信頼をいただいています」（苅宿代表）
また、同社では従業員の働く環境の整備・改善にも努めている。
「めっき液の上にエアーカーテンを作り、きれいな空気を保つ換気装置を導入して、嫌な臭いのない従業員が働きやすい環境づくりに気を配っています」（苅宿代表）
こういった取組が評価され、2022年度に全国鍍金工業組合連合会より優良環境事業所に認定されている。
先輩社員によるマンツーマンのOJTと、高等職業訓練校で実践的に学ぶ
入社後は、先輩社員に付いてマンツーマンで仕事の基礎からしっかり学んでいく。また並行して東京都鍍金工業組合が運営し、苅宿代表が校長を務める高等職業訓練校に週２回、１年間通いながら実践的なめっき技術を身に付けていく。現在は、昨年入社した女性社員が学校に通いながらOJTを受けている。
入社26年目、硬質クロム担当の安藤さんは、基礎から先輩に丁寧に教えてもらいながら経験を積むことで技術を身に付けてきたという。
「仲間と切磋琢磨してきた経験を生かし、工夫を凝らすことを忘れずに、今後も技術の向上に努めていきたいです」
一方、「現場作業は行いませんが、日々の業務を通じてめっきの知識が深まり、伝票の内容や業務全体の流れが理解できるようになりました」と話すのは入社13年目、総務・経理担当の佐々木さん。不明点は周囲の人が分かりやすく教えてくれるという。
また、同社は資格取得支援として資格の種類や難易度によって資格手当を支給している。
「めっき加工で使用した水は、薬品を使って下水に流せる状態にした後で排水します。私はこの水質管理を担当しているため、水質管理責任者の資格を取得しました。資格手当が支給されるのでありがたいです」（安藤さん）
誰でも意見を言いやすい職場。社員旅行で部署を横断した交流を深める
日々挑戦を続けること、創意工夫を凝らすことを大切に考える同社は、意見が言いやすい職場環境を整えている。問題が発生したときには、皆で意見を出し合い解決方法を探す。
「一度のめっき加工で仕上げるのが困難な製品について、効率よく作業するために部署で議論し、同僚の作業からヒントを得て、現場の道具を工夫して解決しました。作業スピードの向上と不良品削減で、大幅な効率化を実現しました」（安藤さん）
また、年に１度の社員旅行を通じて、普段関わりの少ない部署とも交流を深め、社内コミュニケーションの活性化を図っている。さらに同社は残業がなく、有給休暇も取得しやすいため、プライベートを充実させやすい環境だという。
「前回の社員旅行では金沢に行きました。普段はあまり接点のない人と会話が盛り上がり、とても楽しかったです。休みの日はエアロビクスで汗を流して、家で好きなものを作って食べながら映画を見るなど、リラックスして過ごしています」（佐々木さん）
めっき技術で人々の生活を支えるやりがい。業界発展・次世代育成にも尽力
後進の技術者を育成し、めっき業界全体の発展に尽力している同社。全国各地にあるめっき工場から、技術者が工場見学に足を運ぶという。
また、他県の中学生が工場見学に訪れるといった、学習の場を提供する社会貢献活動も行っており、教材への取材協力もしている。
「めっき加工した金型で成形した、ビールジョッキなどのガラス製品を見て、見学に訪れた方が使ったことがあるなどと話されているのを聞くと嬉しくなります。多くの人の生活に役立つ製品づくりに携わっていることにやりがいを感じています」（安藤さん）
代表からのメッセージ
めっき加工は日常生活の様々な製品に欠かせない技術です。その奥深さを知り、新たなめっき加工の可能性を広げていきましよう。
このカイシャが10秒でわかるムービー
ムービーはこちら
●第43号 (2025年12月発行)掲載 ※掲載内容は発行日時点のものです。