産業に欠かせない環境測定器を世の中へ。社員の健康にも配慮したリーディング企業
<3つの特徴>
●事業内容:環境測定器や放射線測定器の開発・製造
●育成制度:高度な専門知識も先輩社員が丁寧に指導
●働く環境:社員を思い健康経営優良法人の認定を取得
発電所等に欠かせない連続測定器でJIS規格を作ったリーディング企業
1949年に創業し、電気試験装置の開発から歩みをスタートした田中電気研究所。現在は、自社ブランド製品を扱う環境関連事業とOEM(他社ブランド製品の委託開発・製造)製品事業を柱に事業を展開する。同社の主力製品はダスト濃度計や連続環境粉塵モニター、PM2.5の連続測定装置などで、開発から製造、販売、保守までをワンストップで幅広く手掛けている。
また、OEM製品事業では1970年から放射能測定器の製造も行っており、東日本大震災発生後には、多数の放射線測定器をいち早く製造するなど、環境意識の高い企業としても知られている。
「工場や火力発電所などから排出される煤塵を測定するダスト濃度計は、小型軽量化を実現した競争力のある製品です。当社を中心に、ダスト濃度計の性能評価方法に関するJIS規格の制定にも成功しており、業界のけん引役として、この分野の技術の標準化を推進しています」(田中社長)
二酸化炭素排出量など、環境に対する意識が高まっている昨今、発電所や製鉄所への環境測定器の導入は必須になっているという。同社はこの分野で特許を取得した技術も多く、大手メーカーと対等な立場で技術開発に挑戦している。
同社は、環境関連事業以外にも様々なビジネスを展開している。例えば、インフラ整備・災害対策の事業で展開する製品「ソーラー避難誘導塔 AE-TOWER(会えたわ~)」は、地震の多い日本において、もしもの災害時にも速やかに避難場所が分かるように開発されたもの。夜間に停電で街灯などが使えない場合でも自動点灯したり、スピーカーを使用できたり、放射線の線量計が活用できる。ソーラーパネルを用いることで可能な限り長期間メンテナンスフリーな製品となっている。
同製品は、地元である世田谷区の公園や小学校、また工場のある栃木県などに設置されており、こうした社会貢献度の高い製品づくりが、同社の大きな特徴といえる。

営業職も工場でのものづくりを経験し自社製品を理解
同社は、専門性の高い製品のBtoBメーカーということもあり、営業職も、ものづくりを体験する。入社後は栃木県の烏山工場へ赴いて数週間の研修に参加。プリント基板の組立など、基礎的な技術を体験していく。
「入社前は非常に高度な知識が求められるのではないかと不安もありましたが、分からないことがあっても上司が丁寧に教えてくれて、徐々に知識を習得できました」(入社3年目、営業技術部の川本さん)
この他にも、外部講師を招いてスキルを磨く研修が継続的に実施されており、「技術力向上」や「プレゼン力向上」といった社員の習熟度に合わせた選抜者研修や、幹部候補社員を集めたマネジメント研修など、階層別の研修も随時行っている。
さらに、資格取得支援にも積極的で、社員の取得率90%以上という電子機器組立て技能士の受検費用は、全額会社が負担。合格後は等級によって毎月の手当が支給される。これらの取組の結果、2019年には「東京都中小企業技能人材育成大賞」優秀賞も受賞している。

全ての社員の健康を第一に考えた様々な取組を実施
現在、同社が特に力を入れているのが健康経営。社内に血圧計や体重計を設置しているほか、飲料の自動販売機には特定保健用食品のお茶を加え、安価に購入できるように費用の一部を会社が負担しているという。また定期健康診断では女性特有の疾病の追加検査費用を負担している。こうした取組が認められ、2019年から3年連続で「健康経営優良法人」に認定されている。
健康経営に関する責任者である、入社21年目、営業技術部の立花部長は「社員一人ひとりが健康で、長く働ける会社を目指しています。社員の健康への意識も高まってきたと感じています」と、その効果を語る。
また、社員が結婚すると1万5,000円、子どもが生まれると1人につき5,000円などが手当として毎月支給され、社員の金銭面の負担を減らしている。

当社の自己PR
研修制度や上司のサポートもあり、専門知識がなかった私でも、短期間でお客様と専門的な話ができるまでになりました。未経験の若い人でも熱意があれば即戦力になれますし、「バリバリと仕事をこなすことで成長したい」と思っている人にはまさに最適の環境です。社会に役立つ製品なのでやりがいもあると思います。(川本さん)


●第28号 (2022年2月発行)掲載 ※掲載内容は発行日時点のものです。