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アルプ株式会社

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自社製品をじっくり学べる環境から、研究と産業を支える滅菌・乾燥装置を届ける

自社製品をじっくり学べる環境から、研究と産業を支える滅菌・乾燥装置を届ける

<カイシャの特徴>
●事業内容:縁の下の力持ちとして 医療や食品の衛生を守る理化学機器メーカー
●育成制度:OJTで製品知識を深め 幅広い工程を担うものづくりに携わる
●働く環境:若手社員も有給休暇を取得しやすい環境で プライベートを実現

コロナ禍で増すニーズ。 レトルト食品殺菌器は東南アジアでも人気

 アルプは、医療や食品・医薬品などの研究、衛生管理、生産活動に欠かせない滅菌器や恒温器のメーカー。
 滅菌器は蒸気や高熱によって細菌を死滅させる機械、恒温器は一定温度を保ち細菌を培養する機械で、特にコロナ禍以降は滅菌器のニーズが増しているという。
 「当社が最近力を入れているのが、レトルトパウチや缶・瓶詰などの殺菌器です。コロナ禍の内食需要で、小規模でもレトルト食品を開発し販売する企業が増えました。安全な食品を提供するために、当社の製品が役立っています」(遠藤代表)
 最近では、日本と食文化が近い東南アジアでも同社のレトルト殺菌器に高い需要があるという。そこで、機能を絞り、価格を抑えた海外向けの製品も開発した。
 また、同社の特徴として製造工程の多くが手作業であることが挙げられる。あえて自動化しないことで、細かいカスタマイズなど、特殊な仕様のオーダーにも応えられるのが強み。筐体(きょうたい)から製作しているため、顧客の要望によるサイズ変更などにも柔軟に対応できる。顧客の工場の設備入替えに際し、同社小型製品の導入を提案することもあり、現場の生産性向上を支えている。
 「私たちの手掛ける機器は、滅菌や恒温というシンプルな目的を効率的かつ確実に達成することが求められます。また、当社は販売した製品のアフターサービスにも力を入れていますので、この点もお客様からの評価につながっていると考えます」(遠藤代表)
 同社の顧客は大学や病院などの研究機関や官公庁などが多く、販売代理店を通した安定した事業基盤がある。主に紙のカタログに商品情報を掲載していたが、社会のデジタル化や情勢の変化に対応すべく、独自のプロモーションに力を入れ始めているという。
 「例えば、SNSにレトルト殺菌器の使い方を説明する動画や、プロモーション動画をアップしています。操作に高度な技能は不要ですが、やはり機械なので動画の方が分かりやすいようです。また、動画ならどの国でも通用しますので、海外顧客の開拓にもつながることを期待しています。これらの動画は自社内で試行錯誤して作成しています」(遠藤代表)
 ほかにもネット媒体への出稿や広告戦略などのデジタル化を進めている。

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品質マネジメントシステムISO9001及びISO13485を取得し、顧客満足を追求している

製造現場や配属部署でのOJT研修で技能習得。資格取得の支援も整備

 専門性の高い製品を扱う同社では、製品をよく知るため、事務系の職種以外は製造現場で半年ほど経験を積む。その後、各部門に配属されてOJT形式でじっくり成長していくのが特徴。
 営業職であれば、まずはアフターサービスでの客先対応や修理を通して専門性を高めつつ、営業としての基礎を覚えていく。また、設計職であれば3~5年かけて独り立ちを目指す。
 「入社後は製造部門で研修を行い、板金や組立て、出荷作業を学びました。現在は、設計担当として製品が出来上がるまでの一連の流れに全て携わっています。幅広い工程を経験したことで知識や技術は格段に増えました」(入社6年目、設計課の岩崎さん)
 また、業務に必要な資格取得や外部講習参加費用は、会社が負担している。
 「私は、滅菌技士の資格を取得しました。認定講習会は、メーカーの社員など滅菌器のユーザーが多く参加していたので、お客様の感覚に触れることができて良かったです」(岩崎さん)

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「自分が設計した製品の完成を目にしたときは、本当に嬉しいものです」(岩崎さん)

若手もしっかり有給休暇を取得。ライフ・ワーク・バランスを充実できる

 同社は古くから、有給休暇が取りやすい社風が根付いていたという。
 「当時の若手社員が、現在は管理職になっています。上司が家族やプライベートを優先して積極的に有給休暇を取得するので、若手も休みやすいのだと思います」(遠藤代表)
 また、製販拠点とも本社にあるため、転勤もなく社員の持ち家比率や定着率も高いという。
 入社7年目、セールスエンジニアの石崎さんは、プライベートと仕事のバランスの取れる会社だと話す。
 「平日でも用事があれば気後れせずに帰宅できますし、土日はしっかり休めます。職場で身に付けた工具の扱い方が、趣味の車のメンテナンスにも役に立っています」(石崎さん)

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「約6年間、製造部門も経験しました。海外営業にも挑戦したいので、英語を学びたいです」(石崎さん)

読者からひとこと

若手社員たちが楽しく働いていそうです! 顧客の要望に応えるため、手作業での製造にこだわっている「お客様ファースト」な姿勢に、感銘を受けました。また、仕事の様々な工程を経験できることで、最終的にどの職種で働くことになっても互いの役割を理解できると思います。

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大学2年生 Kさん

代表からのメッセージ

 当社はインターンシップも受け入れています。小規模なだけに、自分の成果を大きく感じられる仕事を体験してほしいです。

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遠藤代表
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アフターサービスも兼ね、全国に出張ができることを楽しみの一つにする営業職も多い

●第29号 (2022年6月発行)掲載 ※掲載内容は発行日時点のものです。

企業情報

社名
アルプ株式会社
設立・創業年
設立年 1976年6月
資本金
1,000万円
代表者名
代表取締役 遠藤 純也
従業員数
32名(内、女性従業員数5名)
所在地
205-0003 東京都羽村市緑ケ丘3-3-10
TEL
042-579-0531