階層別の育成制度で社員の成長を促し、業界トップシェアの道路用塗料を開発
<3つの特徴>
●道路用塗料で業界トップシェア
●柔軟な働き方を実践、子育て中の社員も多数
●社内外研修を取り入れ、長い目で成長を後押し
独自の技術で道路や建築物用の塗料を開発
横断歩道や道路のセンターライン、自転車レーンなどの路面標示や、建築物の外壁・床のコーティングに用いられる塗料を開発・製造・販売するアトミクス。市場を絞り込み、「その市場でナンバーワン、オンリーワンになること」を経営理念に、1937年の創業から80年以上にわたり独自技術を培ってきた同社は、道路用塗料で業界トップシェアを誇る。
路面工事は、限られた時間内で行う必要があるため、速乾性・耐久性の高い塗料が求められる。工事の効率化を図れる製品開発力で信頼を勝ち取ってきた同社が見据えるのは、「自動運転が普及する未来」と神保社長は語る。
「工事する側の都合をかなえるのはもちろんのこと、センターラインや停止ラインといった路面から情報を得て走行する自動運転AIの認識性を高める塗料開発力に期待が寄せられています」
そうした「未来の道路インフラづくり」に向け、既に官民協力のもとで技術開発を進めていると神保社長は力強く話す。
建築用塗料にも力を入れる同社では、2018年に新たに「レイズ事業部」を発足。建物の屋根や外壁からの漏水を防ぐ同社オリジナルの水性防水塗料の製造・販売を行っている。
「従来の防水塗料に利用されるウレタン製品は、化学物質(MOCA)を含んでいることが問題視されていました。そこで当社は、ウレタンの性能を損なわず、かつ健康や環境への影響が少ない水性の防水塗料を開発。レイズ事業部では新塗料の利用促進に力を注ぎ、立ち上げから順調に事業拡大を続けています」(神保社長)
現在は防水性能と防熱性能を併せ持った水性塗料を取りそろえ、熱、漏水という外敵から建物を守り、建物の一層の長寿命化を支えている。建物のオーナーや管理会社からも修繕コストが大幅に削減できると、好評を得ているという。

休暇取得の推奨や部会で 働きやすい環境を整える
コロナ禍をきっかけに時差出勤、在宅勤務を導入するなど、働く環境を柔軟に整える同社。時差出勤は、定時の8:30から前後1時間半の間に30分刻みで出社時刻を選べるようにした。7時に出社し、16時に退社する社員も多いという。
有給休暇については、取得率を高めるために、計画的に取得することを推奨。飛び石連休時や自身・家族の誕生日の有休取得も奨励している。入社16年目、道路事業部営業部の藤巻係長は、「子どもの誕生日には仕事を休み、家族みんなで祝っています」と喜ぶ。
産前産後休業や育児休業を経て復職後、短時間勤務制度を活用して働く社員も多い。入社4年目、管理統括部総務部の中盛さんは、長く働ける環境に魅力を感じて入社を決め、まもなく産前産後休業に入る予定。「復職して活躍する先輩が多く、安心感があります。私も育児休業後、子育てと仕事を両立したいです」と笑顔で話す。
また、社員自ら働きやすい環境づくりをしていくため、月に1回、同じ等級の社員が部署を越えて集まる「部会」を開き、働く環境や業務の改善について話し合っている。この部会をきっかけに、新入社員に入社時から年間10日の有給休暇が付与されることが決まり、制度化されたという。

年次・等級に応じて スキルアップを継続支援
人材育成については、社員の中長期的な成長を見据えて、段階に応じた研修機会を設けている。
入社1、2年目には、事業や仕事について学ぶ座学研修、外部機関によるマナー研修、塗料の工場研修、配属先でのOJTを通して基礎を固め、3年目には振り返り研修で同期の仲間たちと課題や目標などを話し合うという。さらに、外部研修への参加や資格取得の支援も手厚い。
「受講したい研修に参加できてありがたいです。ケアレスミスをなくす方法など、総務の業務で生かせることを学べました」(中盛さん)
また、藤巻係長も「係長研修や外部の中堅社員研修を受け、チームメンバーへのフォローやコミュニケーションの取り方について学んでいます」と話す。

採用担当からメッセージ
新しい価値の創造に挑戦しよう 変化する環境に立ち向かえる人、また、「なぜ?」という疑問を常に抱き、自ら解決しようとする探究心と積極性を持った人を求めています。当社は創業80年を超えますが、ニーズの変化に柔軟に対応し、新たな製品開発や事業の創造を積極的に進めています。何の色もついていない新入社員には、まっさらなことを武器に、ベテラン社員が想像もつかないような新しいアイデアや工夫を提案してほしいと思います。ローカルルールや自分の枠にとらわれず、新しい価値の創造に挑む、そんな気概と創造力を持った人たちを待っています。


●第24号 (2021年3月発行)掲載 ※掲載内容は発行日時点のものです。