OJTで知識を身に付け、未経験者も活躍中。訪問診療に特化した歯科医院
<カイシャの特徴>
●事業内容:医師が自宅へ訪問し、歯科診療
●仕事のやりがい:口から食べられる喜びに寄り添う
●働く環境:社員間の親睦を深める交流行事
●育成制度:OJTを通してスキルアップ
地域に密着し、自宅や施設への訪問歯科診療を展開
「最後まで口から食べることにこだわった歯科医院」を理念とし、調布市・武蔵野市を中心に地域に根付いた訪問歯科診療を行っている絆渡会。
通院が困難な、主に介護を必要とする高齢者を対象として、自宅あるいは入居している介護施設を訪れ、歯科治療や口腔ケア、食生活のアドバイスを実施している。
「訪問診療は、利用者様の生活の中に入り込むため、利用者様やご家族と深い信頼関係を築くことを大切にしています」(大谷理事長)
同法人は、長く訪問診療に携わってきた大谷理事長とその賛同者によってスタートした。「自分の口で食べる」ことを重要視し、基本的な歯科治療にとどまらず、介護をする家族に向けて、食材の調理法や食べさせ方、介護食の紹介など、食に関する多様なアドバイスも実施している。
「口へ運ぶスプーンのサイズや飲食する際の介護ベッドの角度など、細かくアドバイスしています。食に関する事柄は女性が関わることが多いと思いますが、当法人の職員は女性が多いので、話しやすさという点で大きなメリットがあると考えます。また、利用者様だけでなく、介護疲れなどご家族の悩みなどにも耳を傾け、各家庭に合わせて支援しています」(大谷理事長)

利用者や家族に寄り添い、食べられる喜びを 共有できるやりがい
同法人の業務は、有資格者による歯科治療が主軸となるが、一方で彼らを支える管理部スタッフの存在も欠かせない。拠点に常駐する管理部スタッフは、治療を必要とする利用者、そのサポートに携わる介護者と連絡を取り、医師たち医療チームとの日程調整を行う。介護施設等に向けてPR活動を行う者もおり、地域に広くサービスを紹介していく役割を果たしている。
「医療現場には出ない管理部スタッフも、医療スタッフから利用者様やご家族の感謝の声を伝え聞くことでやりがいを得られます」と話すのは、入職3年目、管理部の永椎(ながしい)さん。以前、ひどい歯痛を訴える利用者からの電話を受けた際に、まず傾聴を心掛けたと言う。
「利用者様の痛みについて話を聞きつつ、同時にチャットで医療スタッフと迅速に連携を取り、治療予定を立てました。後に、利用者様が『電話で話を聞いてもらえただけで痛みが和らぐ気がした』とおっしゃっていたと聞き、相手に寄り添って話を聞く重要性が実感できて嬉しく思いました」
歯の健康を取り戻した結果、食べられる喜びを感じ、外出する意欲を持つまでになった例もあるという。このようなケースは法人全体のモチベーションアップにつながるだけでなく、全職員の自信の源ともなっている。

職員間の連携を深める全体朝礼や、交流行事を実施
同法人では、全体朝礼を毎日実施している。第一の目的は当日訪問する利用者についての申し送りだが、管理部と医療チームの貴重なコミュニケーションの場としても機能しているという。
また、職員間の親睦をさらに深めるために、全拠点の職員が集う交流の場も設けている。
「先日、忘年会に参加しました。同期が別の事業所で働いており、担当する業務も異なるのでほとんど話す機会がなかったのですが、意気投合し、プライベートでも交流するようになりました。当法人は医師も上長も、フラットに接してくれ、とても働きやすい環境だと感じます」(入職4年目、管理部の川淵さん)

OJTで基礎知識を身に付け、医療業界の知識ゼロでも着実に成長できる
医療業界未経験者も採用しており、入職後OJTによる研修で基礎から学ぶことができる。
「医療業界の知識は全くなかったのですが、保険証の見方など、基礎から教わり、一つずつ知識を増やしていくことができました」(永椎さん)
上長を含め、スタッフ同士で相談しやすい雰囲気があり、それが個々のスキルを伸ばすことにも役立っている。
「入職時には管理部スタッフも医療チームに同行し、訪問診療の現場に触れる機会があります。利用者様と当法人をつなぐ業務を行うに当たり、この体験は大きな糧となりました」(川淵さん)
希望があれば、管理部内にあるレセプト(医療報酬明細書)作成等の業務を行う医事課への異動も可能。その場合も上長による丁寧な指導を受けることができ、新しいキャリアを築くことができるという。

理事長からのメッセージ
人を思う、奉仕の気持ちを大切にしながら、全職員が日々の業務に臨んでいます。訪問診療は今後も需要が高まると考えていますし、未経験でも活躍できます。

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●第36号 (2024年3月発行)掲載 ※掲載内容は発行日時点のものです。