人事評価の見える化でモチベーションアップ。鉄道会社の通信・電気工事を担う
<3つの特徴>
●通信・電気設備工事をトータルマネジメント
●実技研修を社内でサポートし資格取得を支援
●集中力を高めるイベントで社員交流
安全第一で信頼を構築 工事全体をマネジメント
鉄道会社の通信・電気設備工事などを請け負うエイチ・エス・ジェイ。ホームの旅客ディスプレイや照明の取付工事をはじめ、駅構内に携帯の電波が届きにくい場所があれば、基地局を増設して通話できるようにするといった工事を手掛ける。その他、電気・通信設備の設計、施工管理、検査、現場調査までトータルでマネジメントしている。
「駅構内で多くの人が行き交う頭上に、装置や通信ケーブル、電灯線を取り付けるので、何より安全が第一。二重三重の安全手順の構築や、社員の意識向上を促す仕組みを作り、安全対策を徹底しています。それが長年お客様から信頼され続ける理由です」と宇野専務は語る。
同社は携帯電話の普及が急速に進む1996年に設立。以来、時代のニーズに合わせた技術力の向上を図り、順調に成長し続けてきた。現在では、駅構内の工事に限らず、公共施設や商業施設、オフィスビルなどの工事の依頼も多く、そうした施設に通信インフラを敷くための工事や、LEDなどを設置するための電気工事も手掛けている。
さらに、同社では一昨年から組織体制の見直しにも取り組んでいる。営業部、工事部、設計部など各部署の役割と責任の明確化を図ったことで、業務の効率化と専門性の向上につながったという。
こうした企業努力から業績も順調に伸びており、新型コロナウイルス感染症の影響で多くの企業がダメージを受けている中でも、同社は今年の中間決算で前年比同期の売上増を記録しているという。
人事評価の見直しを図り 資格取得を応援
2年前に人事評価制度を見直した同社。社員が資格取得や技術向上に意欲的に取り組めるようにと、昇格などの条件を明確にルール化し、公表した。
社員は部門長と毎月面談を行い、自己評価と上司からのフィードバックをもとに、今後成長するための目標設定について話し合う。また、半年ごとに目標達成度を数値化して確認し合い、一定のレベルに達すると昇格試験に挑むことができるという。
「人の評価で何より大事にしなければならないのが公平性です。この仕組みを導入して以来、風通しはますます良くなり、社員のモチベーションも高まっています」(宇野専務)
技術力を高め、評価を上げようとする前向きな社員を応援するため、同社では、電気工事士や特殊無線技士、簿記などの資格取得を奨励し、社内での勉強会も頻繁に行っている。
入社6年目、工事1部の村山主任は、「第二種電気工事士の試験では図面どおり工作物を作る実技があります。そのための勉強会を先輩社員が繰り返し行ってくれたので、無事、合格することができました。今年は第一種にも挑戦するつもりです」と話し、今後は、複数の工事現場をマネジメントできるようになりたいと意欲を燃やす。
また、資格取得後は、毎月資格手当が付くことも社員のやる気につながり、好評だという。
さらに、同社では外国人の採用にも積極的に取り組んでおり、現在4名の外国籍社員が働いている。
「専門学校でCADの技術を学んだので、より技術を高めたいと思い当社を希望しました。会社が資格取得を応援してくれるので、積極的に活用したいです」
ネパール出身で入社1年目、設計積算室のタマンさんは満面の笑顔で話す。
月2回のヨガや書道教室で リフレッシュ
仕事に意欲的に取り組むためには、リフレッシュの時間も大切と、同社ではヨガ教室と書道教室を月に2回ずつ開催。
「ヨガは柔軟性や集中力を高められるといわれますから、現場でのけがの予防にもつながりますし、心が表れるといわれる書道を通して心の余裕を持ってもらいたいと思っています。また、この場は他部署の社員と交流する機会にもなっています」(宇野専務)
同社では協力会社向けの年賀状は全て手書きで作成しているという。担当者が手分けして1枚1枚丁寧に仕上げるという点にも、相手への礼節を重んじる同社の思いが表れている。
役員からメッセージ
礼儀と礼節を大切にできる方を希望します
企業理念として「礼儀と礼節、誇りと成長。未来の自分に感謝される私へ」を掲げており、当社は働くことを通して、人間性を高めることを重視しています。こうした当社の理念に共感していただき、人として基本となる所作やあいさつなどを尊重できる人をお待ちしています。当社は電気通信設備工事の会社ですが、文系出身の社員も多く、必要なスキルは入社後の研修を通して身に付けられます。また、外国籍の方の採用にも力を入れており、今後も様々な国籍の方にも活躍してもらいたいと考えています。
●第23号 (2020年12月発行)掲載 ※掲載内容は発行日時点のものです。