液状化を防ぐ地盤改良のスペシャリスト集団。現場社員の半数が30代以下で若さを発揮
<カイシャの特徴>
●事業内容:地盤改良工事を主に機器の保守も実施
●働く環境:外国籍社員など多様な人材が活躍
●育成制度:独自テキストで知識を身に付ける
●仕事のやりがい:様々な現場を経験できる楽しさ
地盤改良工事の専門集団。機械類のメンテナンス・管理も担う
地盤沈下や液状化*を防ぎ、建物の安全性を確保する地盤改良工事を主な業務とするMATインダストリー。地盤改良工事は、特殊な重機を使い、セメントなどで作った柱を地中に設置することで地盤を強化する工事を指す。同社は大手ゼネコンからの依頼を受けて行う施工管理のほか、リース会社が保有する建設機械のメンテナンスや管理なども行っている。
同社の特色であり強みは、確かな技術力によって培った大手ゼネコンとの信頼関係と、社員の若さ。施工管理、重機のオペレーター、機械類のメンテナンスなどの業務を担当する現場の社員の半数は20~30代が占めている。
「私が社長に就いて間もなく、東日本大震災が発生しました。その復興工事にも携わったのですが、東北地方では若い人が働く場を失って困っているのを知り、積極的に採用したのがきっかけです。その後、20代にも魅力を感じてもらえる会社になるよう、職場環境や待遇面などの改善を進めた結果、若手社員が後輩などを紹介して入社してくれるという好循環が生まれました」(佐藤社長)
*液状化:地震などの揺れで地中の水の状態が変わり地盤が液体状になること

現場で働く女性や外国籍社員など、多様な人材が活躍する
地盤改良工事は2~3カ月で完了することが多く、担当者は様々な現場を経験していく。テレワークの環境が整っているため、本社に出社することは年に1、2度ということも珍しくなく、事務作業などは自分のやりやすい場所やタイミングで行うことができる。
「社員に会社へ来てもらうのではなく、部門の管理職が約3カ月に1回、各現場に赴いて皆の働きぶりを見たり、コミュニケーションを深めています」(佐藤社長)
また、同社では性別や国籍を問わず多様な人材が活躍しており、現在事務職で2人、施工管理で2人の計4人の女性社員が在籍している。
「高校が土木系で、土木の施工管理の仕事がしたくて入社しました。他の会社の職人を含め現場はほとんど男性ですが、今は女性専用の更衣室やトイレも整っているので女性でも不便を感じることはありません」(入社2年目、施工管理担当の足立さん)
さらに、外国籍の社員が約15人おり、入社4年目、広報を担当するベトナム出身のホアンさんもその一人。
「専門用語など難しい言葉があっても、周囲の人がゆっくり話してくれるので、安心して働くことができています」
その他に、プライベートが充実できる環境の整備にも努めており、年間10万円まで帰省時の費用補助も行っている。
「長期休暇に帰国したり、地方に帰る社員も多いので、家族とゆっくり過ごすために活用してもらっています。他にも、特別有給休暇として5日間付与する結婚休暇など、めりはりを付けてリフレッシュできる制度を整えています」(佐藤社長)

独自のテキストやチェックシートで基礎から知識を身に付ける
同社は未経験者も採用しており、地盤改良工事のエンジニアでもある佐藤社長が育成用のテキストをまとめ、新入社員に配布している。また、数百項目に上る業務に関するチェックシートを用意しており、これに沿って「できること」「まだできないこと」を本人と上司が確認し、人事評価や目標設定に生かしている。
「土木は『経験工学』と呼ばれることがあるほど、一人前になるにはより多くの現場を経験することが欠かせません。状況や工法の異なる様々な現場で経験を積み、テキストで知識を補完してもらうことで成長を後押ししています」(佐藤社長)
知識を深め、各人の可能性を広げることから、資格取得も費用面などで積極的に支援している。
「今年、クレーンの運転士免許を取りました。私は重機に乗ることはないのですが、他の女性社員で運転している人もいます。免許を取ったことで、事故につながる注意点を把握することなどに役立っています」(足立さん)

普段は入れない、様々な場所で仕事ができることも楽しさの一つに
「少し前に、空港敷地内の現場に入りました。普段は入れない、いろいろな場所で仕事ができるのも楽しさにつながっています」(足立さん)
また、就職活動中に地盤を強化する工事があることを初めて知り、地震の多い日本でとても大切な仕事を担っていることに魅力を感じて入社を決めたというホアンさん。
「私自身が現場に出ることはありませんが、本社で皆をサポートすることはやりがいになっています」(ホアンさん)

社長からのメッセージ
会社選びで最も大事なのは「こんな仕事がしたい」より、「働く理由」だと思います。そこを突き詰めて入社すれば、不安や不満も生まれにくいはずです。

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●第39号 (2024年12月発行)掲載 ※掲載内容は発行日時点のものです。