不動産開発で眠っていた土地に命を吹き込む。小さな組織で「ともにまちづくり」を目指す
<カイシャの特徴>
●事業内容:地域密着の総合不動産デベロッパー
●仕事のやりがい:若手社員が責任ある業務を担う
●育成制度:研修や朝ミーティングで情報共有
●働く環境:社員思いのユニークな制度も整備
快適なまちづくりを通して、地域にビジネスや暮らしの場を提供する
1988年設立のエム・ケーは、マンションや社宅、介護施設などを借り上げて運営するヘッドリース事業や、マンション一棟卸*などを手掛けてきた。近年は、商業施設や倉庫、工業団地などの大規模な産業用地開発事業で実績を上げている。郊外の広大な土地の確保から大型ショッピングセンターや配送センターなどの開発まで、社員約50人という少数精鋭の組織で手掛けている。
「大手企業が参入しないようなニッチなフィールドが、当社の得意にするところです。都市計画法に基づいて市街化を原則抑制するために定められた市街化調整区域に特化し、耕作放棄地などを産業用地へと生まれ変わらせるといった複雑な事業に取り組んでいます」(小林専務)
数多くの土地所有者と交渉し、行政とも折衝を行い、産業用地にするまでには10年~15年かかることもあるという。不動産賃貸業での安定した収入があるからこそできることで、近年はシェアサイクル事業なども手掛け、より盤石な事業基盤の確立を目指している。
「当社は『ともにまちづくりを』をスローガンに、企業や行政、ゼネコン、金融機関などと連携し、地域に新たな暮らしやビジネスの場を創出してきました。今後も時代のニーズに、不動産開発という形で応えていきたいと思っています」(小林専務)
*マンション一棟卸:マンション一棟を建設して、販売会社へ売却をすること
少数精鋭だからこそ若手も活躍できる。責任のある仕事がやりがいに
少数精鋭で幅広い不動産事業を展開する同社では、若手社員にも様々な業務が任される。
入社3年目、営業部の勝山さんは、「若手でも責任のある案件や、大型案件に関われます。一度経験した業務は次の機会ではより深く取り組むことができます。開発案件は数十年と続くことがあり、ゴールまでが非常に長いのですが、いつか見届けてみたいです」と仕事のやりがいを語る。
また、入社2年目、総務部に所属する梅原さんは、「労務管理から来客対応、当社ホームページの管理まで幅広い業務を担当しています。依頼にスムーズに対応できたときや、他の部署の社員から『ありがとう』と感謝されるときが何より嬉しいです」と話す。
自社事業を素早く吸収できる新人研修。朝ミーティングが成長のヒントに
同社に新卒で入社すると、基礎研修や外部研修を受けた後、社内で座学による独自の新入社員研修が行われる。これはベテラン社員や中堅社員が日替わりで約20日間、各自の専門分野について説明を行うというもの。
「事業部のトップやリーダーから直接、しっかりと指導を受けられることに驚きました。この研修があったからこそ会社全体のことが早い時期に理解できたと思います」(梅原さん)
また、全社員に宅地建物取引士の資格取得を推奨しており、会社が講座受講料や受験費用を支給するほか、取得後は手当が付く。
さらに、毎朝行っている朝ミーティングにも、仕事に役立つヒントがたくさんあるという。
「社員が業務の進捗(しんちょく)状況や今後の予定などを皆の前で話します。実はこの朝ミーティングで会社全体の業務が分かるだけでなく、先輩社員の話から業務遂行のヒントが得られるなど、自身の成長にも役立っています」(勝山さん)
少人数だからこそ、働きやすい。制度づくりにはフレキシブルに対応
ほとんど残業がないという同社。勝山さんは、退社後、ジムに通ったり資格試験の勉強をしたり、梅原さんは趣味の映画鑑賞を楽しむなど、思い思いにプライベートを充実させているという。
また、以前は社員旅行を行っていたが、現在は代わりにリフレッシュ休暇制度を導入して、社員が有給休暇で旅行をする場合に年間5万円まで支給している。
このほかにも、自転車部やゴルフ部などの部活動も盛ん。年に4回の食事会が開催されるなど、社員が交流する機会も多い。育児休業制度は、女性・男性とも利用率100%。社員の声を吸い上げ、今後は、短時間勤務制度の適用期間を子どもが小学生になるまで拡大したり、家族の介護などにも適用させていくことを検討中という。
「社員数が少ない分、働きやすさについての制度策定にはフレキシブルに対応していきます」(小林専務)
専務からのメッセージ
上長以外にも気軽に相談できる雰囲気がある当社には、物事を組織的に進めるだけでなく、「家族」のような雰囲気があると思います。
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●第42号 (2025年10月発行)掲載 ※掲載内容は発行日時点のものです。


