三鷹市を拠点に29年、介護に幅広く貢献。ITツールや時差出勤で柔軟な働き方を推進
<3つの特徴>
●訪問、福祉用具、施設までトータルに展開
●OJT、研修に加え、eラーニングで育成支援
●勤務予定を共有し、チームで協力し合う
在宅介護をトータルに支援し 地域から厚い信頼を獲得
三鷹ナース・ヘルパーセンターは1991年に設立。三鷹市に拠点を置き、現在は訪問介護、ケアプラン作成、車椅子や介護ベッド、手すりなどの福祉用具のレンタル・販売、食事サービス等を低額で提供する都市型軽費老人ホームの運営など、地域に寄り添った介護関連の事業を幅広く手掛ける。
「ご利用者やご家族の状況・希望に応じた在宅介護をトータルに支援できるため、『三鷹ナースに任せれば安心』という信頼をいただいています」
山田代表は、先代から受け継いだ地域からの信頼の厚さをそう話す。
さらに、グループ法人ではデイサービスや認知症グループホーム、看護小規模多機能型居宅介護、訪問看護、保育園なども運営。各事業やグループ法人が垣根を越えて協業し、利用者の状況を共有することで、例えばデイサービスで「自宅に手すりを付けたい」という相談を受けた際には、ケアマネジャーを通して福祉用具部門の職員が力になるという連携が迅速かつ柔軟にできるという。
「『人と人の和』を重んじることが、私たちが大切にしている理念です。ご利用者をはじめ地域の皆さんとの和はもちろん、職員同士も日頃から各分野のプロとして認め合い、各々の専門知識を互いに出し合っています」(山田代表)

各事業をローテーションし 外部研修では専門性を研さん
新入社員は、ローテーションで4つの事業部を経験。先輩から各事業やサービスについてのレクチャーを受け、さらに配属先で半年~1年程度のOJTを通して実践力を磨くという。
入社10年目、訪問介護関連事業部でヘルパーの指導やケアマネジャーとの連携などを担う杉野さんは、介護の全体像を理解できたと振り返る。
「介護と一口に言っても、サービスによって介護保険制度や仕組みが異なります。現場の先輩たちから詳細を学んだことで、頭の中をきちんと整理することができました」
入社8年目、福祉用具関連事業部の本間さんも、そうして知識を身に付け、今はOJTの指導役を務める。
「新人時代の経験を踏まえて、業務一つひとつの意味や目的を丁寧に伝えています。そうすることで業務の理解度がより深まり、早い段階で応用や工夫ができるようになります」
同社ではさらに、会社の費用負担で外部研修の受講を奨励しており、2020年4月からeラーニングも導入した。
「外部研修では計画書の作成スキルや認知症に関する研修などを受講し、eラーニングでは管理職向け研修を選び、チームマネジメントについて体系的に学んでいます」(本間さん)

出産、育児、介護、趣味など 個々に応じた働き方を支援
同社は働く環境の整備にも注力。例えば、時差出勤制度の導入によって、事前に申請すれば、朝の出勤時間を調整できるため、利用者宅へ朝早く介護に訪れる日には、午後早めに退勤することもできる。ここではスマートフォンやタブレットのグループウェアが活躍している。職員同士が出勤予定を共有し、チームでフォローし合うことで、気兼ねなく時差出勤を実践できているという。
同社で2回の産前産後休業・育児休業を取得した杉野さんは、「保育園の送り迎えの時間が取りやすく、とても助かっています」と、柔軟な勤務制度を喜ぶ。
また、業務で外出する機会の多い本間さんは、タブレットの支給やクラウドシステムの導入によって業務効率が格段に上がったと高く評価する。
「ご利用者宅への訪問の合間に書類作成や入力などを進められて効率的です」
今後同社では、受発注や請求の業務などもタブレットで完結できるシステムの導入も検討している
こうした取組によって、月の残業時間を全社平均10時間程度から、5時間程度に抑えられたという。
「これからも出産、育児、介護、趣味など、個々の状況に応じた働き方ができ、職員同士がサポートし合えるように、環境改善を進めていきます」(山田代表)

代表からメッセージ
「相手のため」に行動できる人に期待 自分の都合だけではなく、相手の求めていることを十分に理解し、自分から考えて行動できる人と一緒に働きたいと思っています。「相手」とは、ご利用者やそのご家族、行政機関や関係先の方々、そして一緒に働く先輩や仲間など、私たちが関わる全ての人です。また、幅広い事業を行う当社では、ヘルパー、ケアマネジャー、福祉用具専門相談員など、様々な分野の専門職の先輩たちから直に知見や経験を吸収できます。そうした「人と人の和」を通して自分を磨き、介護・福祉のスペシャリストとして皆、成長しています。


●第21号 (2020年8月発行)掲載 ※掲載内容は発行日時点のものです。