時差出勤やテレワークで柔軟な働き方を推進。 製品の密閉に不可欠なOリング製造を担う
<3つの特徴>
●国内生産体制で顧客の要望に迅速に対応
●オンライン化を進め、お互いの業務をフォロー
●内定者アルバイトやOJTで成長を後押し
豊富な品ぞろえ、高品質、 即納に応えるOリングメーカー
森清化工は、部品と部品の接着面の隙間から液体や気体が漏れるのを防ぐ「Oリング」と呼ばれるゴム製品を専門に扱うメーカー。同社の製品はガスや水道配管のつなぎ目や家電製品の防水、自動車のオイル漏れ防止、大型化学プラントの配管のつなぎ目など、幅広い分野で使われている。
同社が保有する金型は約1万5,000点、扱う合成ゴムの種類は200種類以上といい、顧客からのあらゆる要望に応えるべく体制を整えていると毛利社長は胸を張る。
「品ぞろえ、高品質、即納の3つを満たすことで信頼を得ています。国内製造にこだわってきた当社だからこそできることと自負しています」
この中でも同社が特に注力しているのが高い品質。顧客からさらに高度な強度や耐久性が求められるようになる中で、そうした需要にも積極的に対応していきたいと毛利社長は語る。
「高温、高圧、極低温などの環境や、薬品などの影響にも耐えられるものを、とお客様の要望は年々ハードルが上がっています。当社の技術力でお応えし、お客様の製品の品質を支えていきたいと考えています」
同社は、1950年の設立当初はゴム製の長靴を製造していた。ところが時代とともに長靴は樹脂製のものに変わっていき、1965年に乗り出したのがOリング製造だった。
「長靴製造の際に培ったノウハウを生かし、生産計画を立てました。数カ月先の需要がどうなるかをあらかじめ見込んで、製品を製造し、在庫を確保することで、スピーディーな納品に対応してきました」(毛利社長)
そうした体制づくりのために、1985年には、物流センターも兼ねた工場を建設。安定した製品提供を最優先にし、顧客の信頼を獲得してきた。
順調に売上げを伸ばし、事業を拡大してきた同社は、2020年10月に経済産業省の「地域未来牽引企業」に選定された。
「今後もお客様に信頼される企業として成長していきます」(毛利社長)

業務をチーム内で共有し、 働きやすい環境を整備
高い技術やスピーディーな顧客対応が求められる同社では、人材は会社の財産と位置付け、社員がより働きやすい環境づくりに力を入れている。
2018年には、育児や介護を抱える社員が仕事との両立を図れるようにと社内ルールを見直し、情報共有システムを構築して、テレワーク環境を整備した。
「受発注業務や在庫管理も全てオンライン上で把握できるようになりました。また、一人で仕事を抱え込まないように、業務に関連するメールはメーリングリストで一斉送信される仕組みになっています。社員同士の情報共有も図りやすく、休みも取りやすくなりました」と語るのは、入社12年目、総務部の藤田さん。
テレワークの実施とともに時差出勤制度も導入。通勤ラッシュを避けて出社ができると、社員から好評だという。
入社2年目、製造部の大薗さんは、風通しの良い社風が同社の魅力だと語る。
「様々な年代の人がいますが、和気あいあいとした雰囲気で、気軽にコミュニケーションが取れる環境です。全員が良い製品に仕上げようと一致団結して臨む。そんな社風がとても心地良いです」

座学やOJTで 業務知識を身に付ける
同社では、スムーズに商品知識や技術を身に付けるために、内定した学生向けに、業務を体験できる内定者アルバイトを推奨している。さらに、入社後の新人研修は座学で業務知識を学んだ後、OJTで各部門の実務を身に付けていく。
特注品が多く、高いスキルが求められる東京工場で、若手社員ながら検査を担当しているという大薗さんは、先輩が各工程のポイントを丁寧に教えてくれた結果、この2年間で想像以上に成長することができたと語る。
「Oリングは生活を支える重要な部品です。責任と誇りを持って、さらにスキルアップしていきたいです」(大薗さん)

社長からメッセージ
ものづくりにはチャレンジ精神が必要 当社では、お客様のいかなる要望にも応えるという姿勢でものづくりを行ってきました。その要望は、簡単にクリアできるものばかりではありません。どう工夫すればお客様が求める製品に仕上げられるか、材料選定から加工まで創意工夫と新しいチャレンジが求められます。また、今後は海外との取引にも力を入れ、当社の製品を世界的なブランドに育てていくという目標も掲げています。そういった意味でも、新しいことに積極的にチャレンジする情熱を持った人を、ぜひ仲間に迎えたいと考えています。


●第24号 (2021年3月発行)掲載 ※掲載内容は発行日時点のものです。