仕事とプライベートの両立を目指し、 顧客の資材調達を一括管理する商社
<3つの特徴>
●資材調達の仕組みを構築し、効率化を支援
●OJT、通信教育、外部研修でスキルアップ
●全社員が残業抑制や有給休暇取得に取り組む
付加価値創造企業として サブスクリプションサービスも導入
自動車、建設機械をはじめ、鉄鋼、金属、化学製品を扱う重工業などの大手メーカー各社へ、製造に欠かせない部品を調達するオリエント商事。建築分野への資材調達も主要事業として確立し、全国のコンビニエンスストアの店舗建築に必要な床や外壁、ドアなどの建築資材を供給している。
同社は保有する陳列棚や照明器具などの店舗備品を定額料金で利用できるサブスクリプションサービスも展開する。例えば、チェーン展開している店舗の閉店時に備品を回収・整備し、新規オープンの店舗で再利用することで、顧客のコスト削減に加え、リユースによる環境負荷の軽減にも貢献しているという。
「当社は『付加価値創造企業』として資材の調達から製造管理、在庫管理、物流まで、お客様ごとに最適な仕組みを構築し一括管理することで、お客様の業務の効率化・省力化を支援しています」と、岡野社長は自社の強みを語る。
同社は建築資材の一括管理も行っているが、顧客であるコンビニエンスストアでは、店舗の内外装デザインの統一化が図られている。そこには厳格な規定があり、それに沿って建築資材の生産をメーカー各社へ手配し、全国各地の店舗開発に応じて供給をコントロールしなければならないという。そこで同社はその一連の業務を引き受け、出店計画に合わせて効率的に資材を調達し、店舗開発のパートナーとして絶大な信頼を獲得している。
「部品をファックスで発注するというメーカーのお客様もまだいらっしゃいます。そうした企業に対して、煩雑な受発注業務を一括でできる仕組みを提案・構築し、業務の効率化・省力化に貢献していきたいと考えています」(岡野社長)

通信教育も幅広く用意し 自ら考え、工夫する力を養う
新入社員はOJTで先輩社員のサポートを受けながら実務を習得するとともに、通信教育や外部研修を活用して専門スキルやロジカルシンキングなどの素養を身に付けていく。入社3年目、第一営業部の野原さんは、先輩との同行で商談の心得を学んだという。
「先輩は『この提案をすればお客様はこう問いかけてくる』といった細かなやり取りまで事前に想定し、複数のプランを持って商談に臨んでいました。その積み重ねが信頼になるのだと学び、私も常に準備を徹底するように心掛けています」
入社6年目、同じく第一営業部で受発注業務を担当する三好副主任は、階層別にカリキュラムが組まれた通信教育で、顧客対応や資料作成などのスキルアップを図ることができたと話す。
「教える立場の今は、『こうすれば効率よくできる』といった意見を後輩と出し合い、本人ができるだけ自分なりに考え、工夫する経験を重ねられるようにフォローしています」

働きやすい環境を整備し 仕事とプライベートを両立
同社は、働きやすさ改善のために、全社員の勤務時間や有給休暇取得の状況を分析。平均残業時間を下げるだけでなく、一人ひとりが残業時間月30時間以内を目指し、昨年達成したという。有給休暇の消化率は70%以上で、さらなる取得を推奨している。
「現在の平均残業時間は月17時間、つまり1日1時間以下です。一部社員に負荷が掛かることがないよう工夫して働くことで、有給休暇も公平に取得するなど、社員一人ひとりが意識を持って臨んでいます」(岡野社長)
三好副主任も定時退社を心掛け、業務を効率化。また、有給休暇を活用して旅行や趣味を楽しみ、リフレッシュしているという。
「残業は月10時間もありません。働きやすい環境を作るためにはどうすれば良いかを職場の皆で考え、意見やアイデアを出し合っています」(三好副主任)
女性が働きやすい環境だという同社では、育児休業取得後の復帰率は100%。復帰後は、短時間勤務制度や子の看護休暇に加え、時差出勤制度の利用も積極的に行われているという。今後は、家庭と仕事をより一層両立できるよう社内規程の整備と周知を進めていく。

社長からメッセージ
変化を楽しめる人を望んでいます
私たちが求めているのは、想定外の出来事が起こっても、そこで生じる変化を恐れることなく、挑んでいける人です。常にアンテナを張り巡らせて、世の中の動きを敏感にキャッチし、それに応じて自分を柔軟に変えていく。その一方で、謙虚な姿勢を忘れない、そんな人と一緒に変化に応じたビジネスをつくっていきたいと思っています。難しく考えることはありません。明るく謙虚に仕事を楽しむ気持ちがあれば、お客様も、仕入れ先も、社内の同僚も受け入れてくれて、活躍の場はどんどん広がるはずです。


●第22号 (2020年10月発行)掲載 ※掲載内容は発行日時点のものです。