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株式会社プレッシオ

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一人ひとりの主体性が尊重される環境で、日本の新聞配達を支える丁合機(ちょうあいき)メーカー

一人ひとりの主体性が尊重される環境で、日本の新聞配達を支える丁合機(ちょうあいき)メーカー

<カイシャの特徴>
●事業内容:国内シェア3割。新聞販売店が利用する機械を製造
●働く環境:働きやすい環境で、直近5年間の新卒離職者はゼロ
●育成制度:新人研修や2年目のフォロー研修等で、若手の成長を後押し

伝統のアナログ技術に最新デジタル技術を融合。 ニーズに丁寧に応える

 毎日配達される新聞にはスーパーや不動産、飲食店などのチラシが大量に挟まれている。そのチラシを、1セットずつまとめるのが「丁合機」と呼ばれる機械。プレッシオは1950年の設立以来この丁合機を製造し、国内に約1万4,000店ある新聞販売店に提供してきた。同社の丁合機は、全国で約3割のシェアを占めているという。
 丁合するチラシは、サイズや紙質が多種多様、日々無限の組合せができる。また、雨の日は湿気を含んで重くなるなど天候の影響も受ける。そうした微妙な違いを判断しながら確実に1枚ずつ分離させ吸収していく技術が、同社の強みだと大谷社長は語る。
 「単純に見えながら、とても奥深い技術です。当社は時間をかけて、この技術を磨いてきました」
 近年は、機械に先進のIoT技術を加え、例えば丁合機のエラーをリアルタイムで把握して、新聞販売店から修理の依頼がくる前に、現地に駆け付けてメンテナンスする体制を整えた。
 「仕組みをDX化することで、新聞販売店の満足度向上につなげたいと考えています」(大谷社長)
 一方で現状に満足することなく新市場、新事業の開拓にも積極的に挑んでいる。
 その一つがグローバル展開。具体的には、ドイツの物流企業が、ヨーロッパ全土へ商品を発送する際、各国の言語に合わせた取扱説明書を添付する作業に同社の丁合機を活用している。これを糸口に、同社では海外の多様な業種の企業への売り込みに力を入れたいと考えている。また雨の日などに濡れないように新聞をフィルムでパックする「包装機」も製造しているが、これはオーストラリアの新聞販売店でも利用されているという。
 さらに国内では新聞販売店向けコールセンターや、配達先の管理システムなどのサービスも提供。最近では、全国のご当地グルメを仕入れて販売するECサイトも立ち上げ、若手社員が中心となって運営している。

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主力製品の丁合機。新聞販売店での省力化に大きく貢献している

老舗企業の穏やかさが 会社全体に浸透し 居心地の良さを生む

 同社は70年を超える老舗企業。業績も安定しており、穏やかな社風で働きやすい環境という。産前産後休業・育児休業を取得した女性社員は、全員が復職している。また、対象児童1人につき1回最大4,400円の割引券が支給されるベビーシッター利用支援制度を導入し、子育て世代の社員を応援する。
 「無理なく家庭と仕事を両立させている先輩社員もいて、私たち若手にとってよい目標になっています。残業も少なく、有給休暇も取得しやすいです」と話すのは、入社2年目、マーケティング本部の殖(うえ)栗(くり)さん。
 また同社では、東京2020大会開催期間中の交通混雑緩和に向けた取組をきっかけに、在宅勤務制度を導入。自分で主体的に時間を管理しながら働くスタイルが、社員に浸透しているという。
 さらに、副業も申請書を提出すれば実施可能。「本業に差し支えがなければ、自分の幅を広げる意味でも、取り組んでほしい」と大谷社長は副業を推奨している。
 こうした環境や制度を整備していることもあり、直近5年間、新入社員の離職はゼロで高い定着率となっている。

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「若手社員の意見が通りやすく、責任ある仕事を任せてもらえます」とやりがいを語る殖栗さん

自ら学ぶ姿勢を重視し 手厚いサポートで若手の成長を支えていく

 人材育成についても、本人の主体性を重視することが基本という同社。社員が自ら学んで伸びていく環境を整えることに力を入れている。ビジネススクール通学や、資格取得などは自主的に申請することで挑戦でき、費用は会社が負担。学ぶ姿勢があれば、その背中を押すことが会社の使命という大谷社長の考えに基づいている。
 研修制度も手厚い。新人研修期間には、先輩社員が各部署紹介を実施することで、事業内容や職種を知り、先輩社員とも交流できる機会となっている。また、2年目のフォローアップ研修では1年間の成長を互いに振り返る機会を提供。スキルアップを目的としたeラーニングも導入している。
 何よりも職場全体で新人を育てようという風土が根付いていると話すのは、入社10年目、東京営業所の高橋副所長。
 「新人はチームの先輩が順番に営業同行し、基礎から仕事を教えています。とても面倒見の良い会社だと思います」
 丁合機のメンテナンスについても、同様に基礎からじっくりと教わることができる。

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担当エリア内で取引のある新聞販売店をフォローすることが営業の基本
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社内表彰を受けた高橋副所長(右)。評価されることがモチベーションになると話す

社長からのメッセージ

 伝統的な業界を対象としているからこそ、アイデア次第で革新的な取組ができます。若い発想による大胆な挑戦に期待しています。

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大谷社長

読者からひとこと

会社の支援で前向きに成長できる場所
 オンライン化が進んでいますが、チラシならではの強みがあると思います。そこで丁合機という機械が使われていることに興味を持ちました!若手の主体性を重視して成長を見続けてくれる環境は働くモチベーションアップへとつながりそうです。

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大学3年生 Sさん

●第31号 (2022年12月発行)掲載 ※掲載内容は発行日時点のものです。

企業情報

社名
株式会社プレッシオ
設立・創業年
設立年 1950年12月
資本金
1,000万円
代表者名
代表取締役社長 大谷 貴志
従業員数
170名(内、女性従業員数49名)
所在地
108-0075 東京都港区港南2-13-31 品川NSSビル8階
TEL
03-5479-5520