国や金融機関からの融資や補助金を受けるための申請に関するアドバイスや、書類作成などで経営者をサポートするSoLabo。資金調達に関する相談件数は月間1,500件を超えるという。そのうち実際に融資の承認まで至った件数は120件以上、2015年の設立から数えると、4,500件以上だと田原代表は話す。
　「2018年に中小企業庁から『経営革新等支援機関』の認定を受けました。また、中小企業庁が行っている、コロナ禍による経営支援のための事業再構築補助金では、第４回公募において採択数全国１位を獲得しました。お客様からの相談は増加しています」
　同社の強みの一つは、政府系や民間の金融機関で10年余りの経験を積んだ社員が複数名在籍している点。書類作成のコツやチェックポイントを熟知しているため、スピーディーかつ確実に融資に結び付けられるという。
　「もっと日本に起業家を増やしたいと思っています。そのために資金面だけではなくバックオフィス業務や上場サポートなどにもサービスを広げていきたいです」（田原代表）
　同社自身も数年後の上場に向けて準備中で、その経験を今後の顧客サービスに生かしたいという。
　もう一つの柱として、注力しているのがデジタルマーケティング事業。
　「経営者への融資支援から発展した事業で、ウェブサイトの制作や、アクセス数を増やすための対策などのサポートを行っています」（田原代表）
　今後もIT×会計の視点から経営者をサポートしていく。
　さらに、同社は近年、エンジニアの採用を強化しており、最近では顧客のデータベースを一元管理するサーバーの構築にも着手している。
　また、さらなるサービス提供のため、生命保険会社や営業支援の企業などとコラボセミナーを行っている。
　「共同で補助金の活用に関するセミナーを開催しました。コラボ先企業の顧客にも当社を知ってもらう良い機会になりました」（田原代表）
　加えて、同社単体でも、ウェブマーケティングの手法や補助金の解説など、経営者が知りたい情報を詰め込んだセミナーや講演などを開催。その他、各種SNSなどを通じて顧客にとって有益な情報を発信するなど、様々なルートを通して情報提供を行っている。

　新卒入社の社員は、まず座学で自社の組織概要を学んだ後、ビジネスマナー研修を受け、最後に実践として融資支援の書類作成を行っていく。この流れで同社が扱っているサービスや、顧客ニーズをしっかり把握できる。
　また、補助金申請業務が未経験である人材の中途採用も実施しており、入社１年目、起業家支援事業部の安達さんもその一人。
　「上長が親身になって指導してくれたので、不安はなかったです。うまくいかなかったとしても、なぜだめだったのか、その理由を自分で考えて次に生かすようアドバイスをもらえるので、自ら考え実践する力が身に付いたと思います」

誰にでも相談できる環境で成長できそう
　資金調達にあたってのサポートをする仕事はとても興味深いです。また、社員と代表や役員間の距離が近く、様々な改革に関する意見が言いやすい環境が「アニバーサリー時短制度」などの面白い制度を生んでいるのかなと思いました。