自然を相手に造園を手掛けて一世紀。緑を育てるように、人材もゆっくりと育む
<3つの特徴>
●公園、街並み、屋上庭園などの緑化に貢献
●建築、土木、植生などの幅広い知識を習得
●子育てやプライベートと仕事を両立できる
建設業の中で唯一、生き物を相手にする仕事
1905年の創業以来、造園工事・管理を手掛けてきた東光園緑化。現在は、主に官公庁、民間企業などを顧客に、公園、学校、重要文化財などの庭園、さらにオフィスや商業施設の植栽、アトリウムの室内緑化などを数多く手掛けている。
「造園は、建設業の中で唯一、草花や樹木という『生き物』を相手にした仕事です」と語るのは、田丸社長。造園工事には、土地の造成や排水設備、建築構造といった知識・技術に加え、樹木や土壌、気候という自然に関する知識や「わび・さび」などの美的センスも求められる。さらに造園の仕事には、何よりも継続力が求められるのだという。
「私たちの仕事は、完成したときからが新たな出発点です。植物や環境と向き合い、せん定や除草といったメンテナンスを続けることで、『時』を経て味わいが増していくからです。今後も、造園工事からメンテナンスまでトータルに担い、緑豊かな環境づくりに尽力していきます」(田丸社長)
創業者である田丸亀吉氏は、造園工事の請負と合わせて、当時ほとんど普及していなかった貸植木という主に観葉植物のリース業を手掛け、軌道に乗せたという。その跡を継いだ二代目社長は、第二次世界大戦後の復興に貢献すべく、造園工事の事業拡大を図り、同社の成長を牽引した。
今でこそビルや商業施設で盛んに取り入れられている日本の屋上緑化の普及の歴史は、1950年代にさかのぼる。同社は、屋上に適した軽量の人工土壌を開発し、以来、屋上庭園のパイオニアとして数々の実績を積み上げてきたという。
「当社には、新たな技術開発に果敢にチャレンジしてきた歴史があります。造園技術を次世代に受け継ぐとともに、新しい世代と新しい技術に挑み続けていきます」(田丸社長)
先輩や職人から長年培った知識を吸収
仕事に幅広い知識が求められる同社は、植物を育てるようにじっくりと見守りながら、人材を育成しているという。新入社員研修では、造園工事の施工管理、植栽のメンテナンスをローテーションし、その後、各配属先で先輩に付き、現場を経験しながらじっくりとスキルを磨いていく。
入社6年目、事業部営業課で施工管理を担う井川主任は、どんな質問にも答えてくれる上司に恵まれ、現場では協力会社の職人からも手ほどきを受けたと語る。
「現場の準備や段取りの手順などは職人さんが丁寧に指導してくれ、社内では上司が現場だけでは得られない建築や土木、土壌などの知識を教えてくれました。現在はゼネコンの方々と設計から協議し、工程全体を任せてもらっています」
入社10年目、事業部管理課で植栽のメンテナンスを担う桑園課長補佐は、上司や先輩から「樹木の下をよく見るように」と、事あるごとに言われてきたと話す。
「樹木の下に建物の基礎や配管などが埋まっていると、育ち方がまるで違ってくるからです。『この分野のことならこの人』というスペシャリストの先輩たちが身近にいるので、どんどん質問しては吸収してきました」
こうした知識や技術を確実なものにするため、桑園課長補佐は、これまでに樹木の診断や治療を行う樹木医と1級造園施工管理技士、1級土木施工管理技士の資格を取得したという。
子育てとの両立を配慮。案件終了後には連休取得も
同社では、子育てと仕事の両立への配慮も行き届いているという。
「以前は、100以上の現場を担当していましたが、産前産後休業と育児休業を経て、現在は30弱に減らして、場所も自宅に近いエリアに固めてもらっています」(桑園課長補佐)
現場の裁量を任されているため、自分なりにオンオフのメリハリを付けられていると話すのは井川主任。
「職人さんたちの協力のもと、臨機応変に対応し、定時退社ができる日も作っています。一つの案件が終わればまとまった休みも取れます。先日は一週間連続の有給休暇を取得して、リフレッシュしました」
採用担当からメッセージ
緑や花が好きで、情熱を注ぎ込める人 緑や花が好き、ものづくりが好きで、柔軟な姿勢を持つ人、そして仲間と協調し、実直に仕事に向き合える人と働きたいと願っています。当社では、各社員が樹木や草花による緑花空間の創造に情熱を持ち、プロフェッショナルとして日々活躍しています。担当した現場で公園や庭などが完成したときや、維持管理作業で緑地が美しく手入れされた光景を見たとき、そしてその緑地を多くの方々が思い思いに利用して過ごしている姿を見たときなど、やりがいを覚える場面がたくさんあります。
●第23号 (2020年12月発行)掲載 ※掲載内容は発行日時点のものです。