微生物を除き衛生を保つ滅菌装置の専業メーカー。「お互い様」を合言葉に、成長を続ける100年企業
<カイシャの特徴>
●事業内容:医療用、産業用の滅菌装置を提供
●仕事のやりがい:製品完成まで一貫して携われる楽しさ
●働く環境:部門の枠を超えて互いに協力する
●育成制度:滅菌の知識ゼロでも安心して成長
日本初の滅菌装置メーカーとして、さらなる成長を目指す100年企業
日本初の滅菌装置メーカーとして1924年に創業し、100周年を迎えたウドノ医機。微生物を除去し衛生を保つ滅菌装置は、医療機関になくてはならない設備だが、同社は医療用に加え各種産業用の製造にも力を注ぎ、両事業の売上げがほぼ同等の割合となるバランスの良い経営を行っている。
「大正時代、外国医療船の点検作業などに携わっていた私の祖父が滅菌器の存在を知り、国産化を図ろうと創業しました。医療機器の衛生安全性を確保する滅菌装置は、身近な診療所を含めあらゆる医療機関で使われていますが、当社は病床数100床以上の病院向けの大型製品を提供しています。最も小さな製品で大型冷蔵庫くらい、産業用で大きなものだと新幹線1車両ほどの大きさになります」(鵜殿社長)
産業用装置の納入先は幅広く、医療機器、製薬、食品、衛生用品などのメーカーで、原料や製品の滅菌に使用されている。その他、空港で輸入食材などの滅菌にも活用され、珍しいところではJAXA(宇宙航空研究開発機構)の火星探査プロジェクトにも採択された。これは、地球と火星の間で微生物を持ち込まず、持ち帰らないための特殊な滅菌装置で、国立大学との共同開発によって生み出されたという。
また、同社は製造から販売、メンテナンスまでを一貫して手掛けており、海外への輸出も行っている。2023年に第二工場を新設、2024年には本社工場の建て替えを完了し、さらなる成長に向けた体制を整えている。

列車ほどの大きな装置を制御し操作する面白さ。多様な経験ができるのも魅力
「新幹線ほどの大きさの圧力容器に、製造担当が扉、配管、配線、パネルなどを取り付けます。その装置にプログラムを書き込み、操作するまでの全ての過程が見られることに面白さを感じています」
こう話すのは入社2年目、設計技術部で電気設計を担当する和田さん。産業用装置の電気系統の設計や制御プログラムの開発・実装が主な役割で、納入先での最終確認にまで関われることもやりがいになっているという。
品質保証部に所属する入社7年目の佐藤室長の主な業務は、販売後の製品の改修対応。
「当社の製品に何らかの問題が発生した際、原因を仮定し調査し、関係部署に対応を求めるのが主な仕事です。仮定から特定、対応まで、考え通りに進められたときにやりがいを感じます」
佐藤室長は超伝導の研究で博士課程に在籍し、入社後に滅菌と関わりのあるプラズマについて博士課程の学び直しをした異色の経歴を持ち、火星探査プロジェクトの装置開発にも携わった。「自ら希望して当社の人材採用にも関わらせてもらっていて、多様な経験ができるのもこの会社の魅力だと思います」

協力し合う風土。社員の意見を集めて、働きやすい環境の実現を目指す
「お互い様の気持ちを忘れないで仕事をしよう」。鵜殿社長は、よくこの言葉を社員に投げ掛けている。所属部署は違っても同じ会社の一員として、互いに理解し協力し合うのが創業100年で培った同社の風土になっている。より良い会社にするため社員の意見を吸い上げることにも注力しており、仕事に関わることは「提案規定」を設けて社員から改善案を集め、年に1回、優れた提案を表彰。また、「ビジネス環境向上委員会」を設置して、社員同士が2カ月に1回のペースで話し合い、より働きやすい職場づくりを進めている。

滅菌の知識は入社後に習得可能。技術を追求できるキャリアパスも用意
滅菌装置はニッチな分野でもあり、業務に必要な知識は入社後に習得することができる。入社後は1カ月ほどかけて、滅菌の基礎知識を学ぶとともに、社内の各部署を回って全ての業務を体験。配属先は基本的に本人の希望を優先しており、その後は日々の業務を通して自身の成長につなげていく。
「電気設計で使うCADの知識はゼロでしたが、入社後に研修に参加したり、先輩に教わりながら覚えていきました。これまでに、仕事で必要な資格として低圧電気取扱業務特別教育を受講しました」(和田さん)
また、同社は課長、部長などのマネジメントを担う役職のほか、技術職を対象にスペシャリスト、エキスパートという職層も用意。実務を通じてスキルを磨くことを制度面からも後押ししている。

社長からのメッセージ
「入社までにやっておくべきことは?」。面談でよく受ける質問ですが、学生生活は貴重なので、入社まではそれを満喫してほしいと思っています。

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●第40号 (2025年2月発行)掲載 ※掲載内容は発行日時点のものです。