ゴム材料試験機の製作でメーカーから頼られる存在。動画制作を通じ社内交流の活性化を図る
<カイシャの特徴>
●事業内容:試験機の製造で大手メーカーを支える
●働く環境:時間単位の有給休暇制度を導入
●育成制度:ベテラン社員のもとで成長できる
●仕事のやりがい:新たな材料試験機を生み出す喜び
ゴム製品の材料試験機を通して大手メーカーを支え、交通安全などを実現
上島製作所は、タイヤに使われるゴムなどの材料試験機の設計・開発・製造から販売、アフターメンテナンスまでを行っている。同社の試験機で得られた試験結果と実車試験の結果は相関性が高く、その技術力は国内外の大手メーカーから高い評価を得ている。
「当社の社員たちは試験機の知識と同等に、ゴムなどの材料に関する知識も身に付けています。お客様であるメーカーの研究開発者と対等に話ができるので、オーダーメイドの依頼も多く、これまで培った技術力でものづくりの現場を支えています。輸送の安全と迅速な物流を支えるタイヤの製造に、材料試験という形で貢献しています」(江場社長)
また同社は材料試験機だけでなく、継手やバルブなど管と管とをつなぎながら、配管内を流れる液体の量を制御する流体制御部品や、超低温冷却装置も手掛けている。冷凍保存・輸送の需要が拡大する中、液体窒素を使わない同社の超低温冷却装置は高い実用性があるという。
「マイナス120℃まで冷却でき、液体窒素を使わないため専任の管理責任者が不要で24時間無人運転が可能です。より精度の高い材料試験機を生み出していくと同時に、今後は冷却装置にも注力していきたいと考えています」(江場社長)
新たな材料試験機を生み出す喜び。より良い製品づくりを目指し経験を積む
同社は、大手メーカーの開発部門の重要なパートナーとなり、顧客からの要望に応えて、新たな試験機の開発や現行機のカスタマイズに取り組んでいる。
「設計通りにいかないことも多いですが、試験機が組み立てられて形になっていくのを目にするのは嬉しいです。現在は、省人化を目指した新しい試験装置の設計を任されています。自分が中心となって意見をまとめながら進めており、新しいものを生み出していく楽しさを感じています」(入社3年目、技術部の岡村さん)
入社2年目、技術部の駒村さんは、材料の耐久性を調べる疲労試験機を制御するアプリケーションの開発・改良を担当。現在導入されている現行機のカスタマイズなどを通して、さらにスキルアップしていきたいと話す。
「センサーなどの性能も進化していく中、20年以上の歴史と実績のある現行機の精度をより上げることで、付加価値の向上を目指しています。現在は保守がメインの仕事ですが、経験を積んで開発に携わり、エンジニアとしての幅を広げていきたいと思っています」
ベテラン社員の丁寧な指導と外部講習で機械と材料について学ぶ
同社に入社後は新入社員研修として、座学研修の後、ベテラン先輩社員に付いて実務研修で材料試験機の特性や、製造技術などを学んでいく。
「材料試験機では実車試験と同じ過酷な環境での試験を行うため、まず強度が求められます。そういった基本を丁寧に教えてもらいました」(岡村さん)
また、隔週で実施されるタイヤメーカーの元社員による勉強会や、必要に応じて外部研修を受講することで、機械だけでなくゴムなどの材料に関する知識も身に付けていく。
「前回はゴム製品の劣化に関する外部研修を受講し、材料に関する理解を深めることができました」(駒村さん)
今後の新入社員研修では、製造部、営業部、技術部を1~2年かけて回り、仕事の全体像をより理解できるようにしていく予定という。
有給休暇は時間単位での取得も可能。製品紹介の動画制作で社内交流
同社では、社員の利用しやすさを考え、有給休暇は年間40時間分まで時間単位での取得が可能という。
「祝日と有給休暇を活用して長めの休みを取って、北海道の実家に帰省しおいしい料理とお酒を楽しんでいます」(岡村さん)
「家族と旅行をして、共に過ごす時間を大切にすることができています」(駒村さん)
また、毎年4月に全社での懇親会を行うほか、部署の垣根を越えた親睦会も推奨しており、一部費用を会社が負担している。
さらに、自社製品のプロモーション動画を、製品の担当者以外の2~3年目の社員が中心となって制作している。不明点を担当者にヒアリングすることで、互いの仕事を知ることにつながり、社内コミュニケーションを活性化させる狙いがあるという。
社長からのメッセージ
しっかり準備をして挑戦した結果の失敗は、必ず今後の糧になります。失敗を恐れずにどんどんチャレンジしてください。
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●第43号 (2025年12月発行)掲載 ※掲載内容は発行日時点のものです。


