紙を用いた建材で快適な居心地を追求。若手も意見を言いやすい環境で独り立ちを目指す
<カイシャの特徴>
●事業内容:紙建材の企画・設計・製造・販売
●育成制度:各部署を体験し、独り立ちを目指す
●働く環境:意見が尊重され社内交流も盛ん
●仕事のやりがい:「居心地をしつらえる」という喜び
公共住宅向けに実用化した紙を用いた建材で、快適な住空間を生み出す
段ボール技術を応用した紙構造建材のふすまを世の中に送り出して以来、紙を用いた建材を使った快適な空間づくりを進めてきたユナイトボード。同社の成り立ちの背景には、1950~1960年代の高度成長期の住宅需要の拡大がある。この時代、都市部を中心に集団住宅地(団地)の建設が一気に増え、職人たちが手作りする従来型のふすまでは生産が間に合わない状況となった。そこで、もともと梱包用段ボールを扱っていた同社が、独自に技術を応用した紙構造建材で「ダンフスマ」を開発。工業化に成功し、1966年には公共住宅用規格部品の指定を受けて、現在も需要に応え続けている。
「ダンフスマは作って終わりではなく、修繕や入替えなどメンテナンスができるものです。当社は、企画・設計・製造・販売に加えてしっかりとアフターフォローする体制が整っており、それが大きな強みになっています」(坂本代表)
現在は、ダンフスマだけでなく、様々な可動式間仕切りを開発し提供しているが、単に動かせる間仕切りではなく、ユーザーが自由な空間づくりを楽しめるようなスタイルを追求している。
「例えば、木目調の間仕切りは、木製のものより軽量で扱いやすいと好評です。建材のもととなる紙は9割以上がリサイクルできるので産業廃棄物削減につながり、SDGsにも貢献しています。紙の特性を生かして、これからも時代のニーズ合った製品を生み出していきたいと思っています」(坂本代表)

各部署を体験する研修をはじめ、OJTや勉強会で独り立ちを目指す
未経験で同社に入社した場合、約3カ月かけて各部署で仕事体験し、ものづくりの流れを学ぶ。配属後はOJTで先輩に付いて経験を積み、技術をじっくりと学びながら独り立ちを目指していく。
また、大きなロール状の紙を扱ったり、紙の加工を行うため、資格が必要となる場合もある。業務に必要な資格については受講費や取得費用を会社が負担している。
「入社後、すぐにフォークリフト運転技能講習を修了しました。また、製造時には薬品を使用しますが、そのまま下水に流すことはできないので、水質管理責任者資格も取得しています」(入社12年目、KAMIITA班、製造担当の千葉さん)
さらに、定期的に開催されている勉強会は、坂本代表の考えであえて仕事に直結するものではなく、世界情勢や社会経済環境などをテーマにしているという。
「勉強会は、自社の役割を見直しニーズに合った製品を考えていくきっかけとなり、とても参考になります。また、他部署の社員と交流できるのも楽しみです」(入社3年目、KAMIITA班、設計担当の狩野さん)

若手の意見に耳を傾ける風土。農業体験やイベント参加で社内交流を深める
同社では、プロジェクトごとにチームとなり、入社年次や年齢などに関係なく、皆でディスカッションしながら仕事の最適解を見つけていく。そのため、若手の意見が尊重される風土があるという。
また、社内交流を深め、ものづくりの原点を学ぶために、郊外に畑を借りて野菜づくりに取り組んでいる。毎週水曜日、社員が交代で畑の世話をしており、農業研修という位置付けで参加者は出勤扱いとなる。
その他、本社の駐車スペースを開放したバーベキュー大会や年末に開催される「望年会」など社内イベントにかかる費用は会社が負担して、社員同士の交流をサポートしている。

紙を用いた建材を応用して、「居心地をしつらえる」ことがやりがい
紙を用いた建材は、まだまだ進化する可能性を秘めていると話す坂本代表。時代のニーズに合った形で、人々の「居心地をしつらえる」ことに注力するのが、社員の働くやりがいにつながっているという。
「最近は3Dプリンターを導入して開発に取り組んでいます。紙は生きているといわれるくらい、環境によって変化しますし変化させることができます。素材や構造の開発に取り組んで、新たな製品を生み出していきたいと思っています」(狩野さん)
「お客様の生活空間を構築しているというやりがいを感じていますし、お客様から喜びの声や感謝の言葉を聞いたときには、とても達成感があります」(千葉さん)

代表からのメッセージ
当社には「一任前共同体」というルールがあります。人に頼るだけでなく、頼られるよう自立するということです。若者が自立できるような環境を整えていきます。

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●第40号 (2025年2月発行)掲載 ※掲載内容は発行日時点のものです。