社員一人ひとりが主体的に技術を高め、「音」と「振動」のプロフェッショナルを目指す
<3つの特徴>
●騒音・振動などを低減させる装置を開発
●専門性を磨く現場研修と外部研修が充実
●テレワークなど個々に合った働き方が可能
騒音・振動防止装置を建築現場やオフィスに提供
建設工事現場で見掛ける建物を覆う白いパネルは、周囲に騒音や振動を漏らさないための重要な役割を担う。1963年設立のヤクモは、このパネルに象徴される各種騒音・振動防止装置の開発から、製造、施工などを行っている。実績の中には、建築用防振装置のほか、コンサートホールやライブハウスなどの遮音装置、体育館や柔道場などの振動対策装置などもあり、快適な空間づくりに寄与してきた。
「当社は、工場や建設現場の環境を改善する防音・防振装置の開発からスタートしました。近年は、多様な実績と技術を見込まれて、調査の案件を受けることもあります。人に優しい快適な環境づくりのため、中小企業ならではのきめ細かい対応を心掛けています」
舟木社長は同社の強みをそう説明する。
加えて、現在注目されているのが、同社が取り扱う免震装置やフロアに伝わる揺れを大幅にカットする免震床の技術。地震による振動でコンピュータサーバーが倒壊すると情報システムに大きな打撃を与えることになるため、データセンターを運用するIT企業はもちろん、一般企業からの引き合いも増えているという。
「東日本大震災でも当社の技術を導入したデータセンターは、被害がありませんでした。万一のときに社会インフラを守るという使命感を持って開発に当たっています」(舟木社長)
大学の研究室と共同で開発に当たることも多いといい、今後も「音」「振動」に関するプロフェッショナルとして、技術開発に取り組んでいきたいと意欲を燃やす。
きめ細かな研修やOJTで技術習得を支援する
自社製品を開発する同社の社員は約半数が理系出身者。しかし、専攻にこだわりはないという。それを可能にしているのが同社の充実した人材育成体制。
入社するとまずはビジネスマナーや基本業務を座学で学ぶ。その後、約半年間掛けて、技術、営業、購買、総務、システム、工場など、全ての部署をローテーションしながら、各部門の業務や役割といった実践的な知識を身に付け、本配属となる。
「大学の専攻は化学で、機械や建築の専門知識はありませんでしたが、配属後も先輩に教わりながら専門知識を身に付けていきました」と語るのは、入社2年目、技術開発課の與安さん。建築現場で使う防音・防振装置の設計、コンサルティング業務を担当するなど、順調にスキルアップしていると喜ぶ。
社員の技術向上をバックアップする研修制度も充実しており、外部のオンライン研修も新たに導入。全員受講必須のコンプライアンス研修から、職種ごとに必要な専門的なコンテンツまで用意されている。
さらに、社員自らが自身の目標を設定して取り組む目標管理制度も導入。これは、社員それぞれが目標を定め、年に3~4回、上司と面談しながら、それぞれの課題を見いだして、目標を達成していくというもの。この制度導入で、社員は一層主体的に仕事に取り組むようになったという。
テレワークを導入し、子育てや介護と両立しやすい環境
同社では、女性のエンジニアも在籍中で、子育てをしながら働き続けられる環境を整備している。
在宅勤務制度も2018年から導入している。そのきっかけになったのが、入社8年目、総務部に所属する森口さん。結婚で関東圏外に引っ越すことになり、退職を申し出たところ「在宅で仕事を続けてほしい」と会社から提案があったという。
「とてもありがたい話でした。ただ、スタートした当初は、書類のやり取りや押印のために週に1回ほど、東京のオフィスに足を運んでいました。現在は、書類の電子化を進め、在宅勤務で仕事が完結しています」
森口さんのほかにも、子育てや介護などで通勤が難しい社員にテレワーク活用の幅が広がっている。
「当社で身に付けたスキルを、結婚、出産や介護で諦めてほしくありません。社員が快適に働き続けるための仕組みやツールは、今後も積極的に導入していくつもりです」(舟木社長)
採用担当からメッセージ
新しい製品づくりには好奇心が大切です!
当社の役割は、お客様の振動や音に関する様々な悩みに対して専門性を生かして解決することです。設計から製造、施工、メンテナンスまでをトータルで請け負うのが当社のスタイルですから、その役割を遂行するには、新しい技術開発に挑戦し続けていくことが重要です。そこで大切にしてもらいたいのが、好奇心を発揮して未知のことに挑戦していく姿勢です。チャレンジを続けることは簡単ではありませんが、社内の各部門のメンバーと共に協力しながら仕事を完遂する喜びを一緒に味わいましょう。
●第23号 (2020年12月発行)掲載 ※掲載内容は発行日時点のものです。