プラスチック成形の独自の技術を磨き約90年。社員同士の活発な交流が円滑な業務を実現
<カイシャの特徴>
●事業内容:高いプラスチック成形技術で約90年
●働く環境:社員同士の交流が 仕事にも好影響
●育成制度:新人の育成を全社でバックアップ
●仕事のやりがい:独自技術で顧客に 感謝される
プラスチック成形の高い技術で時代のニーズに合った製品を送り出す
プラスチックの成形品や、それを生産するための金型の製作などを行っている山下電気は、2026年に創業90周年を迎える。
「金型製作から成形、さらに塗装までトータルで仕事を受けられる点が、お客様から高く評価されています。長年培ってきたCAE*を使った流動解析技術と温度コントロールをプログラム制御できるシステム『Y-HeaT』を融合させた独自の技術や、特許を持っている点も強みです」(山下社長)
例えば、ノートPCの本体は、重量を抑えるために薄さが求められると同時に、外部からの力に対して変形しにくい性質(剛性)も必要になる。剛性を高めるには生産時に材料を金型へ均一に充填(じゅうてん)することが重要だが、金型の温度を材料特性に合わせて最適化するY-HeaTがそれを可能にした。
現在ではこの技術を活用した「ヒータ温度コントローラ」の販売も行っており、同社は工業用プラスチック製品業界をけん引する存在となっている。
これまでもビデオカメラやスマートフォン、最近は車載用ナビゲーションパネルなど、時代のニーズに応える製品を市場に送り出す裏方として貢献してきた同社。
「今後も高い技術を基盤に、お客様のご要望に応える製品を作っていきたいと思っています」(山下社長)
*CAE:コンピュータ支援エンジニアリング。設計時にコンピュータによるシミュレーションを実施する技術
顧客の要求に高い技術で応え、喜んでもらうことがやりがい
同社には、社員同士で自由に意見やアイデアを出し合い、日々改善を重ねる組織風土がある。そうした職場の雰囲気は社員のやりがいにもつながっているのではないかと山下社長は語る。
「当社には提案表彰という制度もあり、働き方に関する改善方法を社員が提案しています。提案するだけで参加賞が、また優れた提案には奨励賞が与えられるので、全社員が取り組んでいます」
また、入社13年目、樹脂製品設計部の鷲澤係長は、「当社の高い技術力でお客様の要望に応えることができて、喜んでもらえることは大きなやりがいです。当社の製品は普段の生活の中で見かけることも多く、それらを見つけると嬉しくなります」と話す。
社員全員で新人をサポート。営業部の新入社員は工場での長期研修に参加
「現在は部の先輩社員に同行して、OJTという形で業務を学んでいます。働いている中で様々な疑問も生じますが、その都度他部署の先輩からも教えてもらえるので、理解しやすいです」と、入社1年目、営業部の江川さんが話すように、同社には皆で新入社員を支える風土がある。
また、営業部の新入社員は約5カ月にわたり、山梨県にある同社の工場の製造ラインでものづくりを体験する。これは製品への理解を深めると同時に、製造部の社員との連携を深め、営業活動にも役立ててほしいという意図から行われている。
さらに、技術・製造部門だけでなく、営業や事務の社員もプラスチック成形技能士の資格取得を推奨。講座の受講料や受検料などの一部を会社が負担し、合格すると毎月の手当も支給される。加えて新技術の講習会などを定期的に開催し、スキルのフォローアップを常に行っている。
社員同士で交流する機会が多く良好なコミュニケーションが仕事に好影響
同社では、働きやすい職場環境や制度を整えていることもあり、長く働く社員が多いという。
部署や時期にもよるが、残業時間は平均して月に5時間程度と少なく、有給休暇の取得率は約7割。リゾートホテルなどを格安で利用できる福利厚生制度もあり、多くの社員が利用し、余暇を楽しんでいるという。また、育児休業の取得率は女性社員だけでなく、男性社員も100%。さらに、永年勤続者への表彰制度があり、勤続10年と25年で報奨金を支給している。
そして何より、社員同士の仲の良さも同社の大きな特徴。東京本社と山梨工場とで合同のゴルフコンペを毎年開催しているほか、東京本社では近隣の鮫洲運動公園で花見も開催している。
「私が所属する設計部門は製造や営業、事務など、社内の複数の部署と関わることが多いのですが、様々な行事で顔を合わせる機会があり、それが仕事をスムーズに進められる要因の一つになっています」(鷲澤係長)
社長からのメッセージ
当社の根本にあるのは、高い技術力。その技術力を生かせる現場で、ものづくりの好きな若い人たちと共に100年企業を目指したいと思います。
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●第42号 (2025年10月発行)掲載 ※掲載内容は発行日時点のものです。


