コンビニエンスストアに並ぶ調理麺等を開発・ 製造。女性や外国人が活躍する多文化共生企業
<カイシャの特徴>
●事業内容:コンビニ向け調理麺等の開発・製造
●働く環境:女性活躍、デジタル活用を推進
●育成制度:外部研修および製造現場を体験
●仕事のやりがい:身近なおいしさを作り出す喜び
「多文化共生」を理念に、大手コンビニ向けの調理麺等を開発・製造
立川市で乾麺製造の個人商店としてスタートし、2024年に設立70周年を迎えたヤマヲ。大手コンビニエンスストア向けに各種麺製品を開発・製造している。
「以前は乾麺やスーパーなどで販売する袋麺などが主軸でしたが、1998年に同じ市内の今の場所に新工場を建設し、コンビニエンスストア向けに調理麺の製造を始めたことが大きな転機になりました。おいしさとともに安全性を重視し、ISO22000やFSSC22000など食品安全に関する国際規格の認証をいち早く取得したことが当社の強みになっています」(岡部社長)
同社の工場は1日最大12万食の生産能力を持ち、首都圏のコンビニエンスストア約2,000店舗に調理麺、スナック麺、惣菜(そうざい)を供給している。
また、現場で働く約8割が外国人従業員という同社では「多文化共生企業のロールモデル」を目指している。外国人従業員にも働きやすい職場づくりを推進し、社内で日本語教室を開くほか、現地採用の多いベトナムに、日本語教育に加え食品衛生などの業務知識も学べる施設を開設した。この取り組みを広げ、自社だけでなく人手不足に悩む地方の企業向けにも海外人材を育成し、国内産業の発展に寄与することを目指している。
開発した商品が身近に並んだり、指導が品質向上につながるのが嬉しい
同社では数年前から新卒採用をスタート。営業開発部、品質保証部、製造部、総務部などで若手社員が活躍している。
「総務希望で応募したのですが、社長の勧めもあり営業開発部の配属になりました。取引先のコンビニエンスストア本部と話しながら新商品を開発していて、自分の開発した調理麺が身近なコンビニに並ぶ嬉しさを実感しています」(入社2年目、営業開発部の山口さん)
新商品の完成までには幾度も試作を重ねるが、工夫によりおいしさが増していく過程にも楽しさを感じるという。
「設備や現場スタッフ、スケジュールなど製造全般の管理を担当しています。工場ではいろいろな国籍、経験年数の人が働いていますが、相手の考えを尊重しながら指導することで、品質や安全に対する意識が高まっていくことにやりがいを感じています」(入社11年目、製造部のラジェンドラ係長)
ラジェンドラ係長はネパール出身。アルバイト、契約社員、正社員と段階を踏み、現在は現場で指導する立場になった。外国籍社員にも責任のある仕事が任されることを示していきたいと語る。
SDGsに取り組み、女性活躍やデジタル活用で皆が働きやすい環境を整備
同社では、社員がテーマを考え、部署を超えて話し合うプロジェクトを次々に立ち上げ、企業風土を変えてきた。岡部社長が専務取締役に就任した2015年頃を機に、現場の従業員が積極的に意見やアイデアを提案するボトムアップ型の組織に徐々に移行したという。
「SDGsの考えを皆に理解してもらい、多文化共生、女性活躍、デジタル活用などのプロジェクトを立ち上げました。この流れを加速させるため、2022年には全体のまとめ役となるサステナビリティ推進部を新設しました」(岡部社長)
こうした取り組みにより働きやすい職場づくりは着実に進んでいるが、自己満足に終わらないよう第三者の評価も重要と捉え、えるぼし、健康経営優良法人、立川市ワーク・ライフ・バランス推進事業所などの認定も取得している。
スタートは製造現場での実地体験。配属後OJTでそれぞれのスキルを高める
新入社員研修は、オリエンテーションの後、社外でのビジネスマナー研修を2日間受講。その後1カ月間、製造ラインでの実地体験を経て、配属先のOJTで業務に必要な知識を身に付けていく。また惣菜管理士、食品表示検定、食品衛生責任者などの資格取得を後押しし、受験費用は会社が負担する。
「最近、上司の勧めで惣菜管理士の資格取得に向けて通信講座を受講し始めました。教材なども会社が負担してくれます」(山口さん)
その他、管理職になるタイミングで外部の研修を受講できる制度も整えている。
社長からのメッセージ
志を高く持つ「信念」。何事にも本気で取り組む「熱意」。チャレンジを続ける「継続」。私は仕事をする上でこの3つを大事にしています。
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●第43号 (2025年12月発行)掲載 ※掲載内容は発行日時点のものです。


