東京カイシャハッケン伝!

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ツアーレポート

東京カイシャハッケンツアーレポート

高い技術力や豊かな発想力を持つ魅力的な中小企業と出会う
東京カイシャハッケンツアー開催

 10月19日~21日に東京ビッグサイトで、国内最大級のトレードショー「産業交流展2022」が開催されました。これに合わせて「東京カイシャハッケンツアー」を10月20日に実施。このツアーは、キャリアカウンセラーと一緒に展示会に出展している企業のブースを、1グループ3~5名程度の参加者が3社の企業を訪問するというものです。製品を実際に見て触れながら中小企業の担当者の説明を聞き、質問をする貴重な機会となったようです。

 今回は、文系学生が参加するツアーに密着。全員が「世の中にはたくさんの中小企業があるので、中小企業のことを知りたい」という思いで参加しています。検温、アルコール消毒など、感染症対策の上ツアーがスタートしました。

キャリアカウンセラーと一緒に会場に入る参加者たち

製品を通して技術力や会社の姿勢を知る

 産業交流展は、「情報」「環境」「医療・福祉」「機械・金属」「その他」の5つの分野に数々の中小企業が出展しています。そんな中、少人数のツアーで企業を訪問し、企業担当者に気軽に質問できることがこのツアーの魅力の一つといえます。

 【1社目】最初に訪問したのは、「機械・金属」分野の内山精工です。同社は、軸受部品、自動車部品をはじめ機械に使用される部品の切削加工を行う企業で、高度な薄肉リング切削加工技術を有しています。会場には製品以外にも、社員の発想で作成したネジで作った指輪なども展示され、参加者たちも興味深く観察していました。参加者からの「文系でも活躍できますか」という質問には「文系理系は関係ありません。ものづくりに興味があれば、やりがいのある仕事ができます」と社長より即答いただきました。その他、複数の質問に回答いただいた後、最後に「会社の事業内容や技術力も重要ですが、何を大切にしている会社かなど、目に見えない部分が大切。自分の価値観にマッチするかどうかで会社を選んで欲しい」というメッセージがあり、参加者は大きく頷いていました。

 【2社目】次に訪問したのは、プリント基板とロボットの設計を行っているコスモウェブです。実際にネジを締めるロボットを動かしながら技術に関する説明があり、参加者の理解も深まったようです。ロボットを使うことのメリットに関する質問に対しては、「例えばこのネジを締める作業で言えば、常に同じ力で締めることができ、正確性や安全性が高まります」という回答をいただきました。また、その他の実績に関しての質問を受けて、「宇宙開発関連の仕事を行ったこともあります。ロケットが地球に帰還する際に、大気圏を通過するときに振動があります。その振動を測る機器の測定用基板を当社が担当しました」という回答をいただきました。大きなプロジェクトにも参加している同社の技術力に、参加者も目を輝かせていました。

 【3社目】最後に訪問したのは、つくばテクノロジー。同社はレーザー超音波可視化検査装置や小型X線検査装置を開発・製造・販売しています。橋脚などの社会インフラなどを検査することでメンテナンスコストを削減でき、SDGsにつながっているという説明に、参加者全員が聞き入っていました。「X線検査は病院のレントゲンと同じですか」という質問に、「技術的には同じです。建物用のレントゲンと思ってください」と、撮影写真の見方などを説明いただきました。また、「顧客や検査するものはどうやって決まるのですか」という質問には「ホームページからの問合せや、こうした展示会がきっかけになっています。全てが仕事に結び付くわけでありませんが、世の中全体の環境への意識が高まっています」との回答があり、参加者も納得した表情を見せていました。

事業内容や技術の説明に真剣に耳を傾ける参加者
実際に製品に触れ動かしながら説明を聞くことで理解を深める
製品の中を見ながらの説明に技術を実感
X線検査装置の説明に聞き入る参加者たち

特別公演でやりたい仕事の見つけ方を学ぶ

 東京カイシャハッケンツアーと同時に特別講演も開催されました。今回の講師は、IT大手企業に就職後、現在は実家である鮮魚店や飲食店を展開する寿商店の常務取締役として活躍する森朝奈(もり あさな)さん。「やりたい仕事の見つけ方 ~共感ベースの仕事術と発想法~」をテーマに、自身の経験をもとに具体的にお話をいただきました。
 「ニーズを満たせば売れる時代は終わり、いかに共感してもらえるかが重要」「自分のできることを発信することでやりたい仕事ができ、新しい世界を知ることで自分の装備が増える」そして、「今の仕事を突き詰め、仕事の目的をはっきりさせ、常に新しいことにチャレンジし続けることが、やりがいを見つけて働くことにつながる」というお話には、全員が真剣に聞き入っていました。
 最後の質疑応答で、「チャレンジし続けても上手くいかないときは、どうしたら良いですか」という質問が参加者から上がりました。森さんは、「そんなときは、プランBを真剣に考えます。それによって自分に何が足りないのかが見えてきて、改善策が見つかります。真剣に考えた結果、プランBが合っていると思えば、プランBに移行して、そちらに真剣に取り組めば良いのです」とお答えいただき、質問者も納得していたようです。

森朝奈さんの特別講演を真剣に聞く参加者たち

東京カイシャハッケンツアー参加者の感想

  • ・社長さんと直接話ができて良い経験になった
  • ・自分からは訪問しないであろう企業の魅力を感じられ、視野が広がった
  • ・中小企業でも高い技術力を持っていると実感できた
  • ・企業の事業や商品に対する思いや技術への誇りを感じることができた
  • ・中小企業がこんなにたくさんあることに驚いた
  • ・実際に製品を目にして、肌で触れて、ものづくりの大切さを感じた

特別公演参加者の感想

  • ・仕事への取り組み方が大切だと感じた
  • ・私も就職に向けて装備を増やそうと思った
  • ・何のために仕事をするか、目的を明確にすることが大事だと思った
  • ・新しいことにチャレンジし続ける大切さを感じた
  • ・今の自分のできることを突き詰めて考えたい
  • ・やりがいは感じるのではなく、生み出すのだと感じた

まとめ

 今回のツアーでは、高い技術力でものづくりを行う3社を訪問。企業の説明を聞くことで、参加前は知らなかった業界や企業に興味と関心を抱いたようでした。また、展示されている製品を目にするだけでなく、実際に触れたり操作しながら説明を聞くという経験を通して、企業の理解がより深まったようです。ツアー終了後は、キャリアカウンセラーから社会人と接する際の注意点などのアドバイスなどをもらい、就職活動に向けての決意を新たにしていました。就職活動中の参加者はもちろん、これから就職活動を始める参加者にも、充実した1日となりました。