産業交流展は、「情報」「環境」「医療・福祉」「機械・金属」「その他」の5つの分野に数々の中小企業が出展しています。そんな中、少人数のツアーで企業を訪問し、企業担当者に気軽に質問できることがこのツアーの魅力の一つといえます。
【1社目】最初に訪問したのは、「機械・金属」分野の内山精工です。同社は、軸受部品、自動車部品をはじめ機械に使用される部品の切削加工を行う企業で、高度な薄肉リング切削加工技術を有しています。会場には製品以外にも、社員の発想で作成したネジで作った指輪なども展示され、参加者たちも興味深く観察していました。参加者からの「文系でも活躍できますか」という質問には「文系理系は関係ありません。ものづくりに興味があれば、やりがいのある仕事ができます」と社長より即答いただきました。その他、複数の質問に回答いただいた後、最後に「会社の事業内容や技術力も重要ですが、何を大切にしている会社かなど、目に見えない部分が大切。自分の価値観にマッチするかどうかで会社を選んで欲しい」というメッセージがあり、参加者は大きく頷いていました。
【2社目】次に訪問したのは、プリント基板とロボットの設計を行っているコスモウェブです。実際にネジを締めるロボットを動かしながら技術に関する説明があり、参加者の理解も深まったようです。ロボットを使うことのメリットに関する質問に対しては、「例えばこのネジを締める作業で言えば、常に同じ力で締めることができ、正確性や安全性が高まります」という回答をいただきました。また、その他の実績に関しての質問を受けて、「宇宙開発関連の仕事を行ったこともあります。ロケットが地球に帰還する際に、大気圏を通過するときに振動があります。その振動を測る機器の測定用基板を当社が担当しました」という回答をいただきました。大きなプロジェクトにも参加している同社の技術力に、参加者も目を輝かせていました。
【3社目】最後に訪問したのは、つくばテクノロジー。同社はレーザー超音波可視化検査装置や小型X線検査装置を開発・製造・販売しています。橋脚などの社会インフラなどを検査することでメンテナンスコストを削減でき、SDGsにつながっているという説明に、参加者全員が聞き入っていました。「X線検査は病院のレントゲンと同じですか」という質問に、「技術的には同じです。建物用のレントゲンと思ってください」と、撮影写真の見方などを説明いただきました。また、「顧客や検査するものはどうやって決まるのですか」という質問には「ホームページからの問合せや、こうした展示会がきっかけになっています。全てが仕事に結び付くわけでありませんが、世の中全体の環境への意識が高まっています」との回答があり、参加者も納得した表情を見せていました。