化学に関する知識を身に付け、国内企業や教育機関等の研究開発に貢献する
<カイシャの特徴>
●事業内容:化学系廃棄物の処理業務
●仕事のやりがい:主体的に働く社員を応援
●働く環境:チームで協力・フォローし合う
●育成制度:独自マニュアルで新人をサポート
日本の技術開発と環境への配慮を下支えする 廃棄物処理事業を展開
50年以上にわたり、実験などによる廃液や廃棄薬品等の化学系廃棄物の処理を手掛けてきたハチオウ。
同社の強みは企業の研究室や製薬会社、化学薬品の卸業者、教育機関などを対象に、少量多品種の廃棄物処理サービスを提供できる点。同社が扱う廃棄物は多岐にわたり、その都度、どういった成分が含まれているか分析を行い、どのような処理薬剤、手順で無害化できるか確認し処理を進めていく。
「様々な廃棄物を無害化できるのは、経験による技術力の蓄積と、社員同士のチームワークがあるからです」(森社長)
化学系廃棄物は、扱い方によっては事故につながる危険性のある物質。それだけに社内の情報共有は必須という。
「廃棄物を処理する工場部門につなぐまで、次の部署のやりやすさ、安全を考えながら行動するのが当社のスタイルです」(森社長)
環境配慮の面からも同社の事業は必要不可欠であり、適切に処理することでSDGsの取組にもつながっている。
近年、同社では、顧客が保管している廃棄物の管理や中身の分析、廃棄までをサポートするCRMS(Chemical waste Risk Management Support)事業に注力。いくつかの大学や企業で、同社の社員が常駐あるいは派遣で業務に当たっている。
「薬品を廃棄する側も、処理をしやすいように排出する必要がありますが、多くの薬品を使うお客様ほど、廃棄物の管理が煩雑になりがちです。お客様が研究開発に注力できるよう、当社でサポートしています」(森社長)
このような顧客の悩み事に対応する一方、働く社員の業務効率化のためにRPA(Robotic Process Automation)を導入。分析の現場では、廃棄物の識別システム搭載のAIカメラを導入するなど社員の働きやすさにも注力している。

社員の自主性を何より重視。手を挙げた社員には チャンスを与える社風
同社には、社員の自主性から生まれた行動を応援する社風があるという。その結果、社員のアイデアから新規事業が生まれている。
例えば「分析の知識と技術を専門的に勉強したい」という分析技術担当社員の希望を受け入れ、業務量を調整し、仕事と両立させながら、2年間専門学校に通った例があるという。数年後、その社員は内容不明な廃棄物が何であるかを調査・分析する「廃棄物内容調査事業」を立ち上げ、大きな成果につながっている。この実例は多くの社員に意欲をもたらしているという。
「手を挙げればチャンスがもらえる社風です。私も事務関係の電子化を進め、社内でDXを広める役を担えるようになりたいと努力しています」(入社3年目、営業サポート部の西山さん)

仕事はチーム制で対応。一人に負担が偏らず 休みの調整もしやすい
「仕事はチーム制で行っているので、一人に仕事が集中しないようにカバーし、また誰かが急に休んでも全員で対応できるようにしています。休みもそれぞれ調整し合い、有給休暇もとても取りやすい環境です」(入社9年目、営業1部の阿部マネージャー)
社としても働く環境の整備に力を入れており、直近の3年で年間休日数は7日増加している。
また、永年勤続表彰制度があり、勤続10年ごとに10万円の表彰金が支給されるところ、配偶者がいれば20万円が支給されるという。「社員の家族も大切にしたい」という同社の思いが制度にも表れている。

2年目社員が作る独自マニュアル「お助け便利帳」で新入社員をサポート
入社後は企業理念やビジョンなどを共有する社長研修、全部署の業務を学ぶ事業所研修、ビジネスマナーなどを身に付ける基本研修を2カ月行った後、正式配属となる。
また、ユニークなのは2年目研修。2泊3日の合宿で同期全員が集まり、自らの業務の振り返りを行うとともに、新入社員へ配布するための「お助け便利帳」を制作していく。これは、先輩社員が新人時代を振り返り、後輩に細かなアドバイスやヒントを送る新人教育マニュアルとして使われている。2年目社員にとっては、同期の絆を深める機会となり、新入社員にとっては、若手社員目線で書かれた業務マニュアルとして役立っている。
さらに年5回の全社研修では、理念を再確認し今後の経営目標などを共有し合う。このことで、全社員同じ目線で、業務を進めていけるようにしている。

社長からのメッセージ
社会人として大事なのは自主性だと考えています。自ら成長したいという意欲があれば、会社は必ず応援してくれるはずです。

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●第36号 (2024年3月発行)掲載 ※掲載内容は発行日時点のものです。