東京カイシャハッケン伝!

MENU

株式会社ブンリ

  • 城南地区
  • 製造業

専業メーカーのプロフェッショナルを目指し 工場研修で自社製品への理解を深める

専業メーカーのプロフェッショナルを目指し 工場研修で自社製品への理解を深める

<カイシャの特徴>
●事業内容: 製造業に欠かせない濾過(ろか)装置を手掛けて約60年の専業メーカー
●育成制度: 営業も工場研修に参加。先輩社員たちの支援でゆっくりと確実に成長
●働く環境: 最大2時間の時差出勤など、働きやすさを重視した制度が複数

大手を中心に200社以上で使用される 濾過装置の老舗企業

 自動車、家電製品など金属を加工するメーカーでは、製造過程でクーラント(切削液)を使用しながら素材を削っていく。このクーラントを再利用するためには、混入した切粉を取り除く濾過(ろか)装置が欠かせない。ブンリは1960年の設立以来、専業メーカーとして濾過装置の開発・製造・販売を行ってきた。
 その強みは、装置の開発に長年取り組んできたことによる技術力の高さ。精密な濾過を行うとクーラントの清浄度が向上し、製造現場のランニングコストの削減や工作機械の加工精度アップなどにつながる。同社は、60年以上にわたりこうした技術を磨き続け顧客の信頼を勝ち得てきた。
 「個々のお客様に対応した製品づくりができる点も、当社の強みです」と語るのは、田代社長。
 同社は大手自動車メーカーやその関連会社など、製造業を中心に200社以上と取引を行っているが、多くの場合は顧客の工場や工作機械にフィットするよう、セミオーダーメイドで受注する。
 「当然、窓口となる当社の営業スタッフにも専門知識が求められます。お客様と開発スタッフと一緒になって製品を形にしていく過程は苦労もありますが、当社ならではの仕事の醍醐味(だいごみ)だと思います」(田代社長)
 社会のあらゆる場面で持続可能性が重視される現代において、同社が提供する高品質な濾過装置に対するニーズは、今後も高まっていくと考えられる。
 一方で、多くの金属加工を要する自動車関連部品の製造分野では、電気自動車への大転換が起きるなど、市場は年々変化している。しかし、田代社長は「確かに電気自動車の比率が高まれば、内燃機関関連の部品は少なくなるかもしれません。ただ足回りなどは変わりませんし、あまり心配をしていません」と話す。
 クーラントと切粉を分離させる精度の向上や、消耗品を極力使用しないエコな製品の開発に注力していきたいと言う田代社長。同社では今後も専業メーカーとして品質を高めることで、業界をけん引していく。

body1-1.jpg
社名の「ブンリ」は製品の役割、クーラントと切粉を「分離」させることに由来する

2週間の工場研修で、 自社製品についての理解を深める

 手掛けるものが「顧客の工場などで使われる装置」ということもあり、入社するまで自社製品をじかに目にすることのない社員が多いという同社。
 そこで、入社後は社会人マナー研修を受けた後、宮崎県にある系列会社の工場で2週間の現場研修に参加。実際に製造ラインに入り、製品に触れて基礎的な知識を修得した上で配属先に戻り、OJTで実践力を高めていく。
 入社6年目、営業本部の河野サブリーダーは「営業は当社の代表として大手企業のエンジニアと技術的な話をすることもあります。常に勉強が必要ですが、そのベースになっているのは工場研修です」と当時を振り返る。
 OJTでは指導係となる先輩社員だけでなく、部署全体で新入社員をサポートする気風があり、様々な先輩の営業活動に同行することで、自分なりの仕事のスタイルを見付けることができる。
 また、全社員を対象に動画研修(eラーニング)などの学習機会を提供することで、マネジメントスキルを高めてもらうといった取組も行っている。

body2-1.jpg
「早い時期から仕事を任せてもらえると感じます」(河野サブリーダー)
body2-2.jpg
社内プロジェクトメンバーとして、業務効率化のシステム導入にも関わる渡部さん

時差出勤、在宅勤務など 働きやすい環境の整備で 社員の定着率もアップ

 同社では、勤務時間を最大2時間前後にずらすことのできる時差出勤制度や、在宅勤務制度などを整備している。また、休みも取りやすく営業職の有給休暇消化率は90%以上と、ゆとりある環境の中でめりはりのついた働き方ができる。
 「部署にもよりますが、残業がある場合でも1日1時間程度で余裕を持って働けますし、プライベートとの両立もしやすいです。何よりも社内の雰囲気が良い会社です」(入社4年目、営業本部営業アシスタントの渡部さん)
 この他、田代社長が全社員と直接面談する機会が年に1回あり、様々な相談をすることが可能。男性の育児休業の取得推進など、この面談から生まれた取組もあるという。
 こうした働きやすい環境づくりが奏功し、現在の離職率は4%と社員の定着率もアップ。結果として業務に精通した社員が数多く在籍することとなり、仕事にも良い影響を与えているという。

body3-1.jpg
上司や他部署のメンバーにも気軽に相談しやすい環境。全社で案件を受注しようという協力ムードがある

社長からのメッセージ

 専門知識は入社後に指導します。お客様と現場の間に立ってビジネスを進めていける、協調性のある人を待っています。

body4-1.jpg
田代社長

読者からひとこと

雰囲気良く学びながら働けそうです!
 常に知識量を上げていける環境で、安心して働くことができそうです。また、時差出勤や在宅勤務の制度があることで、自分の時間も大切にできることがとても魅力的に思いました。余裕を持って働くことができるから社内の雰囲気が良いのかなと思います。

body5-1.jpg
大学3年生 Aさん

●第31号 (2022年12月発行)掲載 ※掲載内容は発行日時点のものです。

企業情報

社名
株式会社ブンリ
設立・創業年
設立年 1960年5月
資本金
6,000万円
代表者名
代表取締役社長 田代 誠
従業員数
56名(内、女性従業員数20名)
所在地
140-0014 東京都品川区大井1-34-8
TEL
03-3778-2061