ICT化の推進と充実した人材育成システムで利用者も職員も快適な介護環境を実現
<カイシャの特徴>
●事業内容:ICT機器を活用し、地域に根ざした高齢者福祉事業を展開
●育成制度:新人研修はもちろんマンツーマンのOJTでしっかり丁寧に育成
●働く環境:短時間正職員制度など、働き方の多様性が認められた職場
ICT機器を積極的に導入。安心・安全で快適な介護サービスを提供
支援を必要とする高齢者を支え、地域共生社会の実現を目指す竹清会は、介護サービス事業を展開し、デイサービスや、特別養護老人ホームの運営、地域包括支援センターの運営業務の受託など幅広く事業を展開している。
より快適な介護環境づくりを目的に、2019年からは介護現場のICT化を推進。例えば、利用者の睡眠状態をセンサーで測定するベッドの導入により、異変の早期発見につながるだけでなく、職員の夜間見回りやおむつ交換の回数も軽減され、快適な睡眠を提供できるようになった。
また、複数の書式で管理されていた介護記録等は、一つのシステムにまとめられ、タブレットなどでどこでも入力、閲覧が可能。情報が全職員に共有されている。さらに全職員がインカムを装着し、職員間の連絡がスムーズに取り合えるようにした。これらの改革によって、利用者はスピーディーで快適なサービスを受けることができ、職員にとっても効率的に業務を進めることができるようになったという。
「これらを進めるにあたっては、ICT推進委員会を立ち上げ、現場の職員の意見をしっかりと吸い上げるようにしました。現在も常に改善を図り、利用者からはもちろん、職員からの評判もとても良いです」(矢沢理事長)
快適で高品質な介護サービスの実現を目指す同法人は、常に未来に目を向けている。具体的には、介護業界が直面する2025年問題(団塊世代が75歳以上の後期高齢者となり、高齢者人口がピークを迎えることで起こる様々な問題)に向けて、同法人では「2025年プロジェクト」を立ち上げ準備を着々と進めている。その一つが3年前から行っている、外国人技能実習生の受け入れ。今後も継続して実習生を受け入れると同時に、日本語レベル向上の支援に一層力を入れようとしている。
「日本で介護福祉士の資格を取得できるレベルの日本語を学べるよう、日本語講師による研修を行い、日本語も介護技術も1年間で一人前を目指せるような仕組みを考えています」(矢沢理事長)
マンツーマンでのOJTやジョブローテーションで様々なキャリアを描ける
同法人への入職後は、ケアコーディネーターによってカリキュラムが組まれた介護の基礎研修や、外部講師による認知症や介助のための身体の動かし方などの研修を受講。その後は各施設を見学・体験し、約1カ月後、本人の希望や適性を考慮した上で正式配属される。
配属後は、OJT担当の先輩職員が付いて、一人ひとりの成長に合わせながらマンツーマンで、しっかりと丁寧な指導を受け、各現場で定期的に勉強会に参加し、知識を深めていく。
また、未経験の場合は介護職員初任者研修の受講費を法人が負担するなど、資格取得もサポート。その他の資格取得時には報奨金を支給している。
「介護の仕事にも慣れてきたので、介護福祉士の資格を取得しようと勉強中です。また、私は管理栄養士の資格を持っているので、今後はその知識も生かしたいと思っています」(入職4年目、デイサービス美郷の村上さん)
さらに、同法人は、様々な施設やサービスを運営しているため、本人の適性や希望でジョブローテーションも可能。介護職から生活相談員や経理職へといった職種変更実績も多々あり、上司と意見を出し合い、現在はもちろん、将来をイメージしながら仕事をすることができる。
子育てを支援する制度や互いに協力し合う社風が働きやすい環境を構築
同法人では、今年度だけで産前産後休業取得者が8人おり、現在まで育児休業後の復職率はほぼ100%という。また、子どもが3歳以上小学校卒業までの期間の子育てや介護などを事由に、所定労働時間を週30時間以上とする短時間正職員制度を設けている。
「安心して育児休業や短時間勤務を取得できました。子どもの成長に合わせて、現在は短時間正職員として勤務しています」(入社10年目、特別養護老人ホーム美郷の名取さん)
また、同法人では法定基準以上の人員配置をしていることが、有給休暇の取得のしやすさにもつながっている。
「帰省する際にまとめて取得しています。休みが取りやすいので、毎年有給休暇の消化率は100%です」(村上さん)
理事長からのメッセージ
地域と共に高齢者福祉を実現していくことが、私たちの役目だと思っています。一緒に実現していきましょう。
読者からひとこと
ICT×介護サービスでプライベートも充実!
ICTと介護を関連付け、介護を少しでも快適にという姿勢に感銘を受けました。また、介護は責任ある仕事ですが、先輩がマンツーマンで教えてくれることで、安心して取り組むことができそうです。プライベートの充実も期待できると思いました。
●第30号 (2022年10月発行)掲載 ※掲載内容は発行日時点のものです。