充実した研修体制で技術を磨き、 優れたモーター技術で日本の物流に貢献する
<3つの特徴>
●「モーター」というコア技術で高い評価
●未経験でも知識が身に付く研修体制
●社員が安心して働ける環境を追求
モーターを中心とした電装品 の分野で高いシェアを誇る
永興電機工業は、自動車用部品をはじめとした、油圧式パワーユニットや精密小型モーターの製造、販売を手掛ける開発型企業。大型貨物トラックの荷台の開閉や、荷物を積み込むために昇降するリフトなどに使用される同社の油圧式パワーユニットは、国内でシェア上位を誇る。
「開発から設計、材料の加工から部品製造、そして製品の組み立てまで、自社で一貫して行っていますから、製品の品質を高く保つことができますし、お客様の細かい要望にも迅速に応えることができます」と大石社長は、トップシェアの背景を分析する。
同社では、トラックの修理部品を販売する代理店事業も展開している。関東、東北エリアの大手トラックメーカーの電機修理店を取りまとめ、物流の一端を担っている。宅配ニーズが高まる中、トラックの稼働率が高まることで、修理部品の需要も増加し、売上が伸びているという。
さらに、新しい分野の製品開発にも意欲を見せる。
「これまで培ったモーター製造技術を生かした新製品として、金属などの切削や研磨作業を効率化する精密電動マイクログラインダを開発しました。当社の新たなマーケットを切り開く期待の製品です」
大石社長は開発型企業として新たな製品開発に積極的に取り組んでいきたいと抱負を語る。

事業内容や製造技術を学ぶ 手厚い研修を実施
同社では、1948年の設立以来培ってきた技術と信頼に応えられる人材を育成するために、充実した研修制度を整えている。
まず、新入社員は社外でマナー研修を受けた後、座学で業務内容、製品づくりなどを1週間で学び、自社への基本的な理解を深める。その後3カ月間掛け、機械加工や組立などの製造現場を中心に各現場をローテーションした上で、本人の志向や適性を考慮し、配属が決まる。
「自社製品のほかにも、多品目の自動車部品を扱う当社なら、幅広い知識が身に付けられると思い志望しました」と語るのは、入社14年目、営業本部販売部の安藤主任。営業としてトラックの電機修理店などを担当する。
顧客への商品提案などのノウハウは、先輩や上司が顧客先に同行して、丁寧に指導してくれたと振り返る。さらに、協力会社の工場見学など部品製造の現場を見る機会もあり、商品知識を深める上で役立ったと語る。
また、入社3年目、技術部で製造設備のメンテナンスなどを担当する鈴木さんは、「中小企業なので、社員一人ひとりが関わる範囲が広く、その分、短時間で成長できると感じています」と同社の魅力を語る。

安心して働ける環境を目指し 社内制度の改善を続ける
「社員の協力なくして会社は成り立ちません。全社員が安心して働ける環境を目指しています」と大石社長が語るように、同社では、各種制度の充実に力を入れている。
ユニークな制度として、誕生日前後一週間の範囲で自分の都合に合わせて1日休みを取得できる有給の誕生日特別休暇がある。
「誕生日に休める嬉しい制度です。社員のことを考えてくれているのが感じられて、毎年楽しみにしています」(鈴木さん)
3人の子どもの父親という安藤主任は、誕生日休暇は毎年、家族で過ごす時間に充てているという。また、家庭との両立という点では、「子どもの学校行事などで、半日の休みを取ることもあります。有給休暇を取得しやすいので助かります」と語る。
同社では、出産後も働き続けられる環境づくりにも取り組み、育児休業は延べ12名が取得し、現在も1名が取得中。また、短時間勤務制度は、子どもが小学校に入学するまで利用でき、子育て中の社員から好評という。
今後は現場の声を聞きながら制度を見直し、短時間勤務制度の取得期間延長なども検討している。

役員からメッセージ
ビジョンを分かち合える人と一緒に働きたい 「顧客ニーズに適合した電装品の提供を通じ、開発型企業を目指し社会に貢献する」という経営理念に賛同し、当社が目指すビジョンに向けて一緒に進んでくれる人を求めています。長年培ったモーター技術を基軸とした製品は、誇りを持って社会に送り出せるものばかりですし、荷物の移動や搬入をサポートしたりと労働力不足の時代に大いに社会に貢献するものです。どんな場面でも当事者意識を持ち、チームの一員として前向きに仕事に取り組む人と一緒に、これからも社会に役立つ製品を提供していきたいと考えています。


●第24号 (2021年3月発行)掲載 ※掲載内容は発行日時点のものです。