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アイセイ株式会社

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委員会制度で社員が働きやすい環境を整備。構造物の点検・調査で交通インフラを支える

委員会制度で社員が働きやすい環境を整備。構造物の点検・調査で交通インフラを支える

<3つの特徴>

●事業内容:橋などのインフラ構造物のメンテナンス業務
●働く環境:社員の要望に合わせて柔軟に制度を構築
●育成制度:勉強会や資格取得支援で専門知識を獲得

橋やトンネルといった交通インフラの損傷箇所を点検・調査

 私たちの生活の基盤でもある道路をつなぐ、橋やトンネルなどの大型構造物。多くが高度経済成長期に建設され、約50年が経過している。アイセイは、経年劣化による事故などが起こらないよう、点検・調査・診断を通して構造物のメンテナンスを行っている。
 「これまでは建物なども対象にしていましたが、現在は橋を中心にトンネルなど交通インフラの点検を行っています」(岩佐代表)
 2013年の道路交通法改正に伴い、道路建設の構造物には5年に一度の点検が義務付けられた。現在国内には約73万基の橋があり、これらの点検依頼が多いという。
 そんな同社の強みは、新たな技術の導入にも積極的な点。金づちで叩いて確認するといった、経験が重要になる伝統的ノウハウを備えつつ、ドローンや壁面走行型ロボット、人が入れない狭い場所に進入できるロボットなど最先端のテクノロジーも導入している。
 また、集めた情報を3Dデータ化し、どの箇所に危険があるのかを視覚的に示す技術も持ち合わせている。
 「建てられた当時とは点検基準が変わっていることも多く、それを踏まえて点検できるノウハウと、お客様の要望に応じたデータ分析ができるのも当社の強みです」(岩佐代表)
 同社では、メンテナンス分野に若い世代がもっと関心を持ってくれるよう、独自の啓発活動も行っている。高等専門学校生を対象に公共インフラの課題解決策を募る「インフラマネジメントテクノロジーコンテスト」は、同社が事務局を行っている。昨年は全国から30チームがエントリーし、斬新なアイデアを披露した。
 また、都内の小学校に赴き、社会科の特別授業として講演を行うなど、インフラメンテンナンスが身近な仕事であることを伝えている。
 「建設分野において、点検・調査が大きな注目を集めることは少ないですが、日本の交通インフラを安心して利用できるのは、きちんと点検・調査をし、維持管理を続けてきたからです。若者にもこのようなメンテナンスの魅力を広めていきたいです」(岩佐代表)

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橋を上部から確認するためのドローンも導入。これにより、作業効率が格段に高まった

個々を尊重した制度や委員会活動で、働きやすい環境を整える

 同社では、社員がそれぞれのライフスタイルに合った働き方ができるよう、必要に応じた対応を行っている。例えば数年前に出産を経験した女性社員は、育児休業を経て、復職後に短時間勤務制度を活用。その経験を生かし、ロールモデルとして後輩達の働き方の相談役にもなっているという。
 テレワークや時差出勤も推奨されており、コロナ禍当初は完全テレワークという社員も多かった。
 「時差出勤制度を利用して1時間早く出社しています。仕事が効率良く進 み、なおかつ早く退社できるので、今後も続けていきたいです」(入社2年目、技術設計部の曽根さん)
 また、社員が協力して社内の改善に取り組む委員会活動も活発に行われている。安全管理委員会や、自社のウェブサイトの更新などを行うHP委員会をはじめ、昨年には「月曜に来たくなる会社づくり」を目指してワークスタイル向上委員会を発足。執務スペースにフリーアドレス制を取り入れ、社員間のコミュニケーションを図るなど、積極的な活動が続いている。

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「社内はフリーアドレス制なので、入社してすぐに多くの先輩と知り合うことができました」と語る曽根さん

先輩による現場指導や資格取得サポートで、知識と技術を身に付ける

 新入社員は、入社後のビジネスマナー研修に加え、安全研修や技能研修に参加することができる。その後は実際の仕事を通して現場での点検・調査業務や社内でのCAD作業を学んでいく。
 「CAD操作が不安でしたが、先輩が丁寧に教えてくれますし、質問もしやすく、自然と知識が身に付きました」(入社2年目、技術設計部の山本さん)
 若手社員から要望が上がれば、業務時間中に勉強会が行われ、社員の知識や能力の向上をサポートしている。
 この他に、挑戦したい資格を「必須・奨励・優先」に分けて、取得するための費用補助や取得後に手当を支給する資格取得サポートという制度もある。
 「資格取得サポートを活用して、入社してから道路橋点検士の資格を取りました。今はコンクリート診断士の資格に挑戦しています」(入社8年目、技術部の宮川主任)

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電磁波を使って建物内部に異状がないかを点検する機器。その使い方を指導する宮川主任(左)

当社の自己PR

 橋に異常が見付かればすぐに通行止めになるなど、自分の知識と技術が世の中に大きく影響する、責任の大きい仕事です。業界内では平均年齢の若い当社ですが、先人たちの点検ノウハウがしっかり継承され、さらに新しい技術開発にも取り組んでいます。社員同士フランクに交流できる社風が、社内の活性化にもつながっています。(宮川主任)

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「社会の安全を守る仕事です」岩佐代表
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道路だけでなく、地下鉄の点検・調査も担う。同社の日々の努力は安心安全な毎日をサポートしている

●第26号 (2021年10月発行)掲載 ※掲載内容は発行日時点のものです。

企業情報

社名
アイセイ株式会社
設立・創業年
設立年 1997年1月
資本金
1,000万円
代表者名
代表取締役 岩佐 宏一
従業員数
37名(内、女性従業員数14名)
所在地
116-0013 東京都荒川区西日暮里2-40-3 横山ビル6階
TEL
03-6806-7281