自動車・航空機向け金属加工のプロを育み 試作から量産までワンストップ体制で対応する
<3つの特徴>
●自動車・航空機などの金属部品を設計・製造
●若手を育てるマネジメント層の育成を強化
●社員の意見を取り入れ働きやすい環境を整備
板金加工技術を駆使し 高品質なものづくりを展開
金属を成形する板金技術で自動車や航空機の部品を製造するホリコー。
金属加工のエキスパート集団として、乗用車のエンジンや燃料タンクを支える部品、トラックのエンジン点検カバー、マフラー、さらには航空機のエンジン部品、内装品まで幅広く手掛けている。その製品品目数は、3,000種類にも及ぶ。
確かな技術力で取引先の信頼が厚く、量産品の製造に加え、新車の試作品の金型づくりなどの依頼も多いという。
「新しい部品の開発現場は、試行錯誤の連続です。お客様から意見やアイデアも求められるため、簡単ではありませんが、ものづくりの醍醐味が味わえます。量産品の製造で培った技術力で、より良いものづくりに取り組んでいます」と堀社長は、金型から量産まで一貫生産できる強みを説明する。
日本のものづくりの発展に貢献してきた同社は、多摩地区で先進的なものづくりを進める企業として「TAMAブランド認定企業」にも選ばれている。
同社が部品を供給する自動車業界は、エンジンからモーターで動く電気自動車への移行という転換期を迎えている。使われる部品はこれまでと全く異なるため、新しい形状、素材を用いた部品製造へのチャレンジが不可欠となる。
「機能性の向上と環境への負荷軽減などから車両の軽量化が図られ、その結果、各部品にも軽さが求められます。従来よりも固い素材の金属を使ってより薄く仕上げることで、耐久性を維持したまま軽量化を実現するなど、新たな技術開発が欠かせません」(堀社長)そのために、これまで以上に社員の技術力向上を支援していきたいと堀社長は話す。
今後は、生産工程の自動化も推進していく方針だという同社。生産コストを下げることで、さらなる競争力の向上を図る経営戦略を掲げている。
社内外の研修受講で 社員の能力とスキルを磨く
金属加工のエキスパートとして顧客から信頼を得ていくために、社員のスキル向上にも力を入れている同社。入社後は、金型製造、プレス加工、航空機部品製造、品質管理などの主要部門を回る現場研修を行い、先輩社員との交流を深めつつ、ものづくりのプロセスを学んでいく。
また、同社では、中堅社員に向けた研修体制にも注力している。この試みにより、中堅社員が若手を指導しながら、自らの技術力や生産性の向上も目指すという。受注案件を各製造現場へ振り分け、進捗管理を行う入社11年目技術企画グループの田中係長はこう話す。
「マネジメント層として指導力を磨くために、月1回のペースで外部講師からマネジメント力やリーダーシップの在り方などを学んでいます。受講するたび、社内のチーム意識が高まっていることを感じています」
その他、全額会社負担で中小企業大学校での研修などを受講できるという。こうした技術向上への取組姿勢は取引先からの評価も高く、社員への信頼も増しているという。
女性も働きやすいよう 職場環境を改善
近年、品質管理や工程管理など、現場で働く女性社員が増えた同社では、女性が働く環境の改善にも積極的に取り組み始めた。工場に新たに女性トイレや専用更衣室を設置するなど、誰もが働きやすい環境づくりに着手。また、改装中の社員食堂では、休憩中にくつろぎやすいようにと、壁紙の色や柄について女性社員の声を積極的に取り入れているという。
総務部に所属し、発注書などの書類管理や取引先からの電話対応などを担当する入社2年目の大川さんも、積極的に意見を出したという一人。
「面接時に女性の働きやすい環境づくりに力を入れていることや、産前産後休業や育児休業、介護休業がきちんと整備されていることを聞き、安心して働けると思い入社を決めました」
工場と事務所が近く、社内のコミュニケーションが取りやすいのも魅力という大川さん。結婚・出産後も子育てと両立しながら働き、充実した社会人生活を送りたいと目を輝かせる。
採用担当からメッセージ
ものづくりへの情熱と好奇心のある人を求む
ものづくりが好きで、関心を持っているということが、当社で働く上でとても重要だと思います。当社では、仕様に沿った製品の生産だけでなく、新たな部品の設計からお客様と協力して取り組んでいく試作品開発も行っていますので、自発的にものづくりに関わりたいという方には、やりがいを感じていただけるはずです。今、電気自動車への移行や生産工程の自動化など、大きな転換期を迎えています。新しいもの、仕組みを作ってみたいという好奇心とチャレンジ精神旺盛な方に期待しています。
●第22号 (2020年10月発行)掲載 ※掲載内容は発行日時点のものです。