マンツーマン研修で成長を促し、高品質な印刷物を届ける老舗印刷会社
<3つの特徴>
●書籍印刷の全工程を社内で対応
●報奨金制度で資格取得をサポート
●フルフレックスタイム制で柔軟な勤務が可能
顧客の要望に柔軟に対応し 継続受注を獲得
確かな技術と信頼を積み重ね、昨年設立90年を迎えた厚徳社。同社の強みは、書籍の制作から印刷、製本、納品までを一貫して手掛けているところにある。
「工程ごとに請負会社が異なると、搬送の手間が発生しますが、一貫して行うことで、お客様である出版社は時間とコストを削減できます。書籍には旬もありますし、緊急性を要することもありますので、それに対応できるのは大きなアピールポイントです」
柔軟な対応力が継続的な仕事につながっていると鈴木社長は胸を張る。
さらに、近年では書籍印刷に留まらず、自治体などの封筒印刷の受注も増えているという。多いときでは数日掛けて数十万部印刷することもあるため、大量の印刷物に、ほこりなどの異物が混ざる印刷不良がないか検査する装置を導入。また、熟練の技術者が温度や湿度で微妙に変化するインキを調整し色むらを防ぐなどして、印刷物の精度を維持している。
印刷物の品質チェックを行う際は、人手に頼るところが多いが、最新の技術を備えた印刷機を導入することで、作業の効率化にも取り組んでいる。
2018年には、印刷に汚れやインク飛び、色むらなどを自動でチェックできる品質管理システムを備えた印刷機を導入し、品質チェックを行う現場の負担軽減にも寄与しているという。
「印刷技術は日進月歩ですから、時代の要請に応えて、技術革新していくことも大切です」(鈴木社長)
今後は、食品などのパッケージ印刷も手掛けたいと鈴木社長は未来への抱負を語る。
「これまでに培った印刷技術を生かして挑戦し、ゆくゆくは事業の柱にしていきたいと考えています」
マンツーマンの指導で 未経験者もスキルアップ
同社の新人研修はベテラン社員とのマンツーマンで行われる。約3年掛けて、印刷物が仕上がるまでの工程を覚えていくことになるという。
「入社当時は、先輩に同行してお客様を訪問し、商談の進め方や印刷現場への指示の出し方などを一つひとつ教わりました」と語るのは、入社14年目の営業部の熊崎さん。現在は、出版社など複数の顧客を担当している。
「受注した印刷物を納品するまで責任を持つのが営業の仕事です。既にベテランと呼ばれる年代ですが、改めて知識を整理できればとDTPエキスパートの資格の取得を目指して、勉強中です」
同社では、業務に必要な資格を取得した際に報奨金を出すほか、受検費用やテキスト代の負担も行っている。例えば、DTPエキスパートは書籍のデザインやカラープロセス、印刷工程などの知識向上に役立つため、デザイナーやDTPオペレーターだけでなく、営業担当者も取得している。
「受注を継続するためには、それぞれの社員が多くの知識を蓄え、お客様の要望に応えていく必要があります。そのため、資格の取得を奨励しています」(鈴木社長)
ライフ・ワーク・バランスを充実させ 働きやすい職場を目指す
「当社は制作から印刷まで一連の工程を手掛けている総合印刷会社なので、本づくりに関わる幅広い業務を学べると思い、入社しました」と語るのは、入社3年目、製作システム部の竹原さん。
年齢を問わず気軽に相談できるアットホームな社風に加え、ライフ・ワーク・バランスも充実していると話す。
「年末などの繁忙期を除き、ほとんど残業もなくとても働きやすいです。また、産前産後休業や育児休業を取得して復帰している女性の先輩もいるので、働き続ける上でも安心感があります」(竹原さん)
また、社員が自由に始業・終業時間を設定できるフルフレックスタイム制を導入しているという同社。
「当社は90年の歴史を持つ企業ですが、これまでの常識にとらわれず、時代にあった働き方に合わせるべきだと考えています。制度の利用を積極的に促すことで、さらに働きやすい環境を浸透させていきたいと思います」(鈴木社長)
採用担当からメッセージ
細かな作業が得意な人が向いています デザイナーやDTPオペレーターは印刷物のデータを一文字ずつ修正するなど、細かい作業の連続になります。また、工場では刷り上がった印刷物を丹念に検品するなど、繊細な仕事ぶりが求められます。丁寧な仕事が欠かせませんから、細かいところまで心配りができる人が向いているといえるでしょう。また、現在は印刷機も進歩して、かつては手作業で行っていた業務が機械でできるようになっています。印刷の一部門に特化したスペシャリストよりも、幅広く印刷の知識を備えたジェネラリスト型の人材が求められています。
●第22号 (2020年10月発行)掲載 ※掲載内容は発行日時点のものです。