若手社員が活躍できる環境で、「ブンセキ」 をもっと身近にするツールを世の中へ発信
〈カイシャの特徴〉
●事業内容:簡易水質分析ツールを製造
●仕事のやりがい:環境など社会貢献度の高い仕事
●育成制度:会社負担で各種研修など受講可
●働く環境:育休からの復職率100%
水を通し環境意識を高める。簡易水質測定器で誰でもどこでも水質分析が可能に
水は飲料用だけでなく、農業、工業、発電などあらゆる場面で使用される重要な資源。しかし地球上の水資源のうち、それらに利用できるのはわずか0.01%だという。その限りある水を社会の中で安全に循環させるために、誰でもどこでも簡単に水質分析できるツール「パックテスト」を開発・製造・販売する共立理化学研究所。大田区と横浜市に拠点があり、大田区では、主に製品の検品・箱詰め作業を行っているという。
「工場排水、川や湖などの公共用水域、プールや温泉、飲料水などあらゆる水の成分を簡易的に分析できるのが『パックテスト』です」(岡内代表)
この分野で国内トップシェアを誇る同社では、ヒ素や残留塩素など、水中の様々な成分の分析に対応するため70項目以上のシリーズをそろえている。また複数の大学と共同研究し、新製品開発にも取り組んでいる。
近年では環境保全への取組が進む中国をはじめアジア各国での需要も高く、海外でも同社の製品が使用されている。
また、同社は社会貢献活動にも力を入れている。国土交通省と市民団体が2004年から共同で行う「身近な水環境の全国一斉調査」では、水質分析のために「パックテスト」を無償で提供。2022年は全国5,183地点、5,156人が参加したイベントで、「パックテスト共の会」として、社員も調査に参加している。
「あらゆる人に水を通して環境問題に目を向けてほしいですし、環境分析に興味を持ち、携わる人材が増えてほしいという思いで続けています」(岡内代表)
同社は今後もパックテストの新製品開発を行っていくが、モノ売りだけでなくコト売りにも挑戦したいという。コト売りとは、商品などの使用から得られる体験や感動の価値を売るということ。
「『彩りと潤いのある未来を見通す』というビジョンを掲げ、そこに向けて何ができるのかを考えています」(岡内代表)
同社の製品は、工場の排水検査で使われることが最も多いというが、今後は教材としての展開を考えている。
「当社の製品も、小学校で使われるリトマス試験紙のように、手元ですぐに化学反応が楽しめるツールです。授業との相性も良いと考えています」(岡内代表)
同社では、大田区内の小中学校で出張授業を行ったことがあるという。
「この取組に関しては、利益よりも、生徒たちがどれだけ楽しめるかを最優先に、『ブンセキ』をもっと身近に感じて欲しいと考えています」(岡内代表)

社会貢献ができる仕事。社内プロジェクトも多く若手の自由な発想が生きる
環境問題への意識が高い社員も多い。
「環境保全に貢献できる仕事をしたいと思い入社しました。思った通り、環境や社会貢献に携われる会社であり、やりがいを感じています」と、入社3年目、製造部の小澤さんは話す。
小澤さんはまた「パーパス策定プロジェクト」などの社内プロジェクトにも参加し活躍してきた。
「パーパスはこれからの当社はどうあるべきかを表す大事なものです。メンバーで話し合い、『ブンセキをもっと身近にする』に決定しました。部署の垣根を越えて考え抜いたため、その後の業務でのリレーションも良くなりました」
パーパスは、若手が中心となり策定したという。平均年齢33歳という同社は、若い社員が力強くこれからの会社を支えていく。

手厚い資格取得支援制度。各種研修、MBA取得も費用は会社が負担
毒物劇物取扱責任者や安全衛生責任者など業務に必要な資格取得については、受験料を会社が負担している。
ユニークなのは、経営的感覚を身に付けるために、2人の社員が会社の費用負担で大学のビジネススクールに入学した事例。2023年3月にMBAを取得しており、今後、経営に関する知見が業務にどう生かされるか、期待されている。
また、チーム全体でのコーチングスキル向上のために、5人が1年間外部研修に参加するなど、育成制度を整え、社員の成長を後押ししている。

育休後の復職率は100%。子育てと両立し、長く安心して働ける環境
女性社員が半数近くを占めるため、女性特有のライフイベントにも対応し、長く働ける体制づくりも整えている。
育児休業の復職率は100%で、入社15年目、製造部の大谷さんも育児休業後に復帰した一人。
「子育ての状況に合わせ、部署や勤務地の相談をしてきました。子どもの発熱など急なトラブルがあっても、仲間の心遣いに助けられ、おかげで4人の子どもを育てながら働き続けています」

代表からのメッセージ
当社のバリュー(活動指針となる価値観)は、「共に立つ、やってみる、楽しみを込める」です。楽しみながら、唯一無二の製品を世の中へ発信していきます。

このカイシャが10秒でわかるムービー
ムービーはこちら

●第34号 (2023年10月発行)掲載 ※掲載内容は発行日時点のものです。