若手社員の成長を後押しする環境で顧客の望む上質な洋菓子を提供し続ける
「高級洋菓子を創造する文化を大事にする」を理念に、味と品質にこだわった洋菓子を製造するルカド。自社のオリジナル製品や店舗は持たず、様々な高級ブランド洋菓子の製造に企画・開発から携わっている。社員がいきいきと長く働ける環境を目指して、子育てや技術の習得もサポートしている。
洋菓子の製造だけでなく企画・開発も手掛ける
数々のブランド洋菓子の企画・開発から製造までを行うルカド。文京区内に立地する製造工場の中でも比較的面積が大きいという６階建ての工場は、部門ごとにフロアが分かれ、調理の設備はもちろん、衛生管理体制も整え、万全の態勢で製造に臨んでいる。
新しい洋菓子の企画・開発力と、数千個単位の製造ができる生産力を武器に、百貨店に展開する高級ブランド洋菓子づくりに携わるほか、著名な海外洋菓子ブランドの製造部門としての役割を担うこともある。
「どんなお菓子を作るか具体的に決まっていない段階で企画・開発から手掛けることもあり、取引先と話し合いながらゼロから新しいお菓子を作り上げていきます。企画から製造まで担っている会社は業界でも珍しいため、長くお取引いただいているお客様がほとんどです」と門脇社長は自社の強みを語る。
実は、門脇社長は全く異なるジャンルの製造業の出身者。同社を立ち上げ運営していくに当たっては、門外漢だからこそ大胆なビジネスモデルを考えられたという。
「スーパーやコンビニエンスストアを通じて安価な洋菓子が普及したことで、製菓業はどうしても生産性の高さを重視しがちですが、当社は大量生産型の事業モデルを追い求めていません。例えば、できる限りマーガリンではなくバターを使う、といったように本物の洋菓子文化を大切にし、本当に美味しい商品を提案することで自ずと当社のブランド力は上ると思っています。長い目で見れば、それが結果的に収益にもつながってくると考えています」（門脇社長）
柔軟な勤務体系や育成支援で長く働ける環境を整備
同社は、社員のライフサイクルに合わせて働き続けられる環境を整えている。例えば、子育てや病気などでフルタイム勤務ができなくなった場合、短時間勤務制度を利用してそれまでのキャリアを生かしながら働くことができる。入社４年目、商品企画部に所属する元パティシエの松田さんもその一人。９時〜15時30分という短時間勤務で仕事と子育てを両立している。将来の出産や子育てを見据えると、柔軟な勤務体系で安定して働けるのが入社の決め手だったという。
「パティシエの仕事の経験を生かせる上に、勤務時間に融通が利き、働きやすいのが魅力です。子育てが落ち着いたら再びフルタイムで働きたいと思っています」（松田さん）
また同社は、若いパティシエの成長を支援することにも積極的で、自主的に技術力を高められるよう、就業時間外にキッチンを開放している。粉やクリームといった材料費や光熱費は、会社が負担し、ときには先輩パティシエが細工菓子レッスン講座を開くなど、ベテランが若手に技術を紹介する場にもなっているという。
「若いパティシエは、担当以外の技術を学ぶ機会に恵まれないこともあります。２、３年目でも練習を繰り返すことで、活躍している社員もいます」（門脇社長）
閑散期は長期休暇取得も可能 メリハリをつけて勤務
百貨店や駅ナカショップといった取引先の営業時間に合わせているため、会社自体は年中無休で稼働しているが、シフト勤務制で休日出勤がないよう調整している。
入社４年目、製造部の責任者として約30名のスタッフを束ねる齋藤部長は、工場全体で効率的に仕事を終わらせられるよう心掛けているという。
「部署間の連携を強め、更に効率化していきたいです。家庭を持っている人も多いので、社員には自分の時間を充実させてほしいです」（齋藤部長）
洋菓子業界にとって閑散期に当たる６〜９月には、有給休暇と合わせて約２週間の長期休暇を取得でき、オンとオフのメリハリをつけた働き方を推進している。
ここがポイント！働くやりがい！
自社製品がないからこそ多くの技術に触れられる
ブランドのコンセプトやターゲットによって、素材の選定から、製造工程まで、一つひとつ全く異なるという同社の仕事。社員には、お客様であるブランドオーナーや百貨店の担当者などの意見に耳を傾けながら新しい洋菓子を提案する“パートナー”としてのスタンスが求められる。商品開発担当やパティシエとして得られる知識と経験は計り知れず、身に付けたスキルは大きな財産となって、日々自身の成長を感じられるという。
●第20号 (2020年3月発行)掲載 ※掲載内容は発行日時点のものです。
