プライベート重視の働き方を大切に、未経験から「車のかかりつけ医」を育成
<3つの特徴>
●事業内容:自動車整備の技術力と顧客志向で信頼を得る
●働く環境:社員の事情に合わせた柔軟な働き方が可能
●育成制度:車の知識ゼロでも先輩からしっかり学べる
独立系の整備工場ならではの徹底した顧客志向を貫く
1956年の設立以来、墨田区を中心に地域密着型の自動車整備工場として歩んできた松田自動車整備工場。「車のかかりつけ医」をスローガンとして掲げている。
「病院に例えると『内科』として自動車の整備・点検、『外科』として鈑金塗装、さらには、コーティング、自動車販売まで、多様なニーズにお応えしています」と松田社長は語る。
同社の整備事業、鈑金塗装事業ではそれぞれが公的機関や保険会社などの指定工場として認定を受けており、強みの一つになっているという。
「車両整備と鈑金塗装は全く異なる専門性が求められますが、当社は両方の技術を持ち合わせています」(松田社長)
その技術力とともに同社の強みとなっているのが、徹底した顧客志向。修理後には同じような故障が発生しないよう、運転の仕方などをアドバイスすることもあるという。車の修理だけにとどまらず、顧客のカーライフにまで踏み込んだ親身な提案が、信頼関係の構築につながっている。
また同社はメーカー系列ではなく独立系であるため、国内外を問わずあらゆるメーカーの車を取り扱うことができる。
「自動車の走る・曲がる・止まるといった普遍的な技術はもちろん、電動化・自動化に向けた各メーカーの最新技術にも触れられます。その蓄積が当社の高い技術力となって、さらにお客様からの信頼に結び付いているのだと考えます」(松田社長)
また、地域密着という点でユニークなのが、近隣の異業種企業と協力して研修や勉強会を行っていること。周辺地域の中小企業の経営者仲間が自主的に行っているもので、ものづくりに強みを持つ企業ならでは取組といえる。
「地域ぐるみで若者を育てようという、下町らしい面倒見の良さが表れています」(松田社長)
新人にとって同期の仲間が少ない場合でも、この取組のおかげで、他社の新人と知り合い、仲間になることができる。業種の垣根を越えて若手が切磋琢磨することにもつながっているという。
松田社長は「こうした地域ぐるみの活動でも、当社がリーダーシップを発揮していきたいです」と語る。

個々のライフイベントに合わせた柔軟な働き方に対応
ライフ・ワーク・バランスに対して松田社長は「一人ひとりの事情を柔軟に受け止め、一緒にベストな環境を考えること」と、その基本姿勢を語る。
例えば、夏休み期間中などに子どもの面倒を見る人が誰も家にいない、一人にしておけないと社員から相談されたら、会社に連れてきてはどうかと子連れ出社を勧める。飛び石連休には、有給休暇を組み合わせて連続休暇を取得することも推奨している。
「しっかりと休め、有給休暇も十分に取れます。趣味がゆっくり楽しめるし、家族も喜んでいます」と、入社3年目の尾花副工場長は笑顔を見せる。
制度を整えるとともに、どのような働き方なら生活と仕事の両方を充実させられるか、社員と一緒になって考えることを大切にしているという松田社長。こうした姿勢は、父親である先代の社長の姿に学んだという。

自動車整備士をはじめ 必要な資格の取得は全面的にサポート
同社には車好きな社員ばかりが在籍している訳ではないという。「車には興味はないけれど、充実した職場環境で働きたいからと入社した社員もいます」と松田社長。車の知識がほとんどなくても先輩社員がマンツーマンで丁寧に指導するため、全く問題はない。
「同じ質問を繰り返しても怒られることはありません。いつでも気軽に質問できました」と入社3年目、鈑金塗装担当の三芳さんは入社当時を振り返る。
もちろん社員の資格取得も全面的にバックアップしている。取得費用は会社が負担し、取得後は資格手当が支給される。
「平日の講習会も出勤扱いで受講し、自動車検査員の資格を取得しました」(尾花副工場長)
技術を大切にする同社の姿勢は、人材育成にも反映されている。

当社の自己PR
残業がほとんどなく、プライベートの時間がしっかり取れるので、地元の仲間とも心置きなく遊べるのが嬉しいです。実は私は徒歩5分の実家から通っているため、昼休みの1時間でお昼ご飯は家に帰って食べています。自由度が高いのも、社員それぞれの働き方を尊重してくれる当社ならではだと思います。(三芳さん)


●第25号 (2021年6月発行)掲載 ※掲載内容は発行日時点のものです。