巨大建造物の電気工事で技術を磨き、業務効率化と顧客満足度アップを両立させる
<3つの特徴>
●事業概要:受注から施工までを自社内で完結
●育成制度:勉強会やOJTを通して資格取得を奨励
●働く環境:働きやすさを生み出す社内IT化の取組
大型案件を中心に電気設備工事で 社会に貢献
建築物などに関わる電気設備工事や、メンテナンスを行う永岡電設。1968年の設立以来、製鉄所や飛行場などの巨大建造物を安全に稼働させるための電気工事や、自治体が管理する教育施設や運動施設の建設に伴う電気設備工事など、規模の大きな案件を手掛けてきた。
電気工事の設計から施工、管理、保守までをトータルに請け負うことのできる技術力と実行力での信頼を積み重ね、顧客からの引き合いは途切れることがないという。
「当社の強みは、お客様から直接仕事を受注することが多いことです。さらに、請け負った仕事は下請けに発注せずに自社で行える点も特徴です」と語るのは、石渡代表。
業務を請け負う協力会社が少なくなることで、社内で一貫して作業を進めることができ、顧客の意向に沿った工事を進められるため、作業の質を常に一定に保つことも可能となる。
結果として顧客からの評価も高くなり、自然と次の仕事につながると話す石渡代表。
「これからも『和・誠意・技術』という当社の理念をもって一つひとつの仕事を大切にしていきます」
また、同社では全国の教育機関を訪問して人材を募集するなど、若者の定期的な採用にも取り組んでいる。そんな環境下で、若手社員がのびのびと働いているのも同社の特徴の一つ。
「会社案内のパンフレットも会社のホームページも、若い人に興味を持ってもらうためのもの。だから若手社員に任せて、彼らが意見を出し合いながら作りました」(石渡代表)
このように若手に積極的に参加させる姿勢は、普段の業務でも変わらない。権限を与えることで、社員が仕事を自分の問題として捉え、意識が前向きになり、自ら仕事を作っていくようになるのだという。
「最近では社員が率先して社内環境の改善を行っています」(石渡代表)
勉強会や先輩の指導で専門知識を身に付け、 資格取得を目指す
同社の新人研修は、電気工事の基礎知識や社会人に必要なビジネスマナーを学ぶところから始まり、その後は現場に出て、先輩に教えてもらいながらOJTで技術を学んでいく。
1年目は電気工事の補助をしながら現場の雰囲気に慣れることが目標。2年目からは現場作業の重要な戦力となる。そうして経験を積んでいき、8年目をめどに大規模工事の責任者として現場を統括する立場を目指す。
実務面では第一種・第二種電気工事士などの資格が必要になるが、試験に合格すれば受検料は会社が負担するといった支援制度がある。
また任意参加の勉強会を定期的に開催しており、先輩が講師となって資格取得のための知識や技術を教えることもある。
入社3年目、営業部の村松主任も、会社の支援制度を活用して第一種電気工事士の資格を取得したという。
「未経験で入社したため、電気の専門知識を身に付けるのは大変でしたが、勉強会に積極的に参加するなどして資格を取得することができました。今は1級電気工事施工管理技士の資格取得を目指しています」
社員が中心となってIT化に取り組み、 働きやすい環境を創出
同社では、業務効率を上げるため、社内IT化を進めており、それが社員の働きやすさにもつながっている。
例えば、社員全員の予定や業務工程をデータ管理し、大型モニターに表示。一目で確認できるようにしたことで、業務工程が可視化でき、休みも取りやすくなったという。
またこれまで手書きで行っていた計測結果などの記入も、自動入力できる新しい機器の導入で大幅に作業効率がアップしている。
社内IT化を中心となって推し進めているのは、入社15年目、工事部の木元課長代理。
「限られた人材で効率化できることはないか、社内外で常にアンテナを張っています。IT化の効果は大きいですが、時期や業務の種類を考慮しながら徐々に改革を推進していきたいです」と意欲を見せる。
当社の自己PR
当社は京浜工業地帯にあった鉄工所などのプラント建設に携わる電気設備の会社として、1951年に創業しました。工業社会から情報社会へと時代は移りましたが、そうした中でも当社が培ってきた技術は必要とされています。仕事を通して優れた人材を残すことに、これからも取り組んでいきたいと思っています。(石渡代表)
●第25号 (2021年6月発行)掲載 ※掲載内容は発行日時点のものです。