完全予約制の男性専用理容室を展開。独自研修で若手の成長と挑戦を後押しする
<カイシャの特徴>
●事業内容:多摩地区中心に男性専用理容室を7店舗展開
●働く環境:子育て中の社員など誰もが安心して働ける環境を整備
●育成制度:26項目評価シートの他複数の研修システムでスキルアップを実現
顧客から高い支持を得る男性専用理容室。社員の独立支援も行う
多摩エリアに密着し、「メンズオンリーサロン創」や「ロバーツ」、「ペピーズPONO」といった男性専用理容室を7店舗展開するぺピーズ。
同社運営の理容室はいずれも完全予約制を採っているため、待ち時間が少ない。技術力だけでなく、顧客のことを考えた体制も一つの強みとなり、支持を集めている。
「スタッフの異動はあっても、店舗を多摩エリアに集中させることでお客様が離れにくいです。スタッフとお客様の長いお付き合いが実現し、信頼関係の構築につながっています」(池野代表)
また同社では、スタッフの独立を全面的に後押しし、資金面などで支援を行っている。
「30歳を超えたスタッフに対しては、私から独立を勧めています。当社のビジョンは全スタッフが社長になり、オーナーとして成功できる水準を作ること。実際、かなりのスタッフが独立し、活躍しています」(池野代表)
同社に籍を置いたまま、副業として自分の店舗を運営していくことも認めており、独立後は経営に関して池野代表が相談に乗ることもあるという。
過去4年に14人入社した中で離職は1人のみという同社。
「個人のペースに合わせじっくり育てることや、働きやすい環境を整えることが社員の定着につながっていると思います」(池野代表)
現在、池野代表は複数の理容専門学校において、不定期で「離職率を減らす」をテーマに特別授業を行っている。離職率そのものについてだけでなく、理容に対する自身の考え方、どのような思いでスタッフと接しているかなど、これまでの経験を生かした視点で丁寧に説明しているという。
「店舗の規模や業態によってメリットもデメリットもあります。就活前に伝えることで、自分に合った店舗選びの参考にしてもらっています」(池野代表)
さらに、小学生の職場見学も受け入れるなど、理容の面白さを若年者に伝えている。


ママ社員も若手社員も働きやすい環境で スタッフの満足度アップ
同社は、産前産後休業・育児休業を終えた女性や、ひとり親家庭の人も働きやすい環境を構築。例えば、子どものための急な欠勤などへの理解も深く、互いをフォローし合っている。また、顧客に対しても、急なスタイリストの欠勤がある旨を告知しているという。
「ロールモデルとなる先輩が複数いるので、今後、結婚や出産などのライフイベントがあっても何の心配もないと思っています」(入社5年目、トップスタイリストの大友さん)
また、同社は、若手の意欲的なチャレンジも歓迎している。
「入社2年目で店長を経験しました。最初は不安でしたが、池野代表の『やってみないと分からない』という後押しや、周りのフォローもあり、安心して務めることができました」(大友さん)
その他、入社1年目のスタッフが、同社オリジナルのスタッフTシャツの製作・販売を提案し、実現へとつなげた例もある。

各店舗で同レベルの施術が行えるように 研修システムを強化
新卒採用の割合が全体の約8割という同社は、ヘアカット経験問わず技術向上にも力を入れる。入社後は2~3カ月かけて店舗ごとの方針などを学ぶ。その後アシスタントとして店舗に配属され、3カ月ごとに各店舗を経験し、様々な先輩からOJTを受けていく。
カット技術については、池野代表自らが指導。髪質や毛量など顧客の特性に合わせてカットする技術を身に付けられるよう成長を支援している。
その他、26項目にわたる評価シートを用いた同社オリジナルのカリキュラムも用意。
「顔そり、ヘアセットなど細かな項目で段階評価を行い、4段階目をクリアしたら、その項目についてお客様に施術できるようになります」(入社11年目、本部スタッフの小原さん)
練習は基本的に営業時間内に行い、先輩による技術研修も実施されている。顧客のすぐそばの席で行うこともあり、常連客から「人が育つのを見るのが楽しい」と声を掛けられることもあるという。
「たとえどこかでつまずいても、『相手を尊重する』文化がある当社では、若手を見捨てることはありません。当社は皆でスタッフの成長を見守っていきます」(小原さん)

社長からのメッセージ
日本一、働いた人が幸せになれる会社を目指しています。人や会社そのものが「生き生きしている」企業を選ぶことを勧めます。

読者からひとこと
お客様ファーストの環境で成長できる!
男性に焦点を絞り、多摩地区中心に出店することで、お客様との距離を縮められると思いました。お客様や社員を尊重する文化は、理容師としてだけでなく、人として成長できそうです。また、新人でもやりたいことに挑戦できる環境に憧れます。

●第31号 (2022年12月発行)掲載 ※掲載内容は発行日時点のものです。