小平市など多摩地区を中心に、年間約500棟の一戸建て分譲住宅を供給する誠賀建設。設立は1973年と、半世紀の歴史を有し、当時から地域に密着した事業を展開してきた。
　同社の一番の強みは、セミオーダー式の「フリープラン住宅」。分譲住宅でありながら間取りなどに購入者の要望を反映でき、注文住宅感覚でマイホームを実現できると人気を集めているという。
　「床材や壁材など基本の仕様があるため、注文住宅よりも価格を抑えることが可能です。オプションも豊富なので、お客様の家族構成やライフスタイルなどに合わせ、希望に寄り添い、理想の住宅を提案できます」（樋口社長）
　さらに、土地の購入から企画設計、工事、販売までの自社一貫体制が同社の特徴。この体制を生かして戸建て分譲住宅のほか、注文住宅、マンションの提供やリフォームなど、幅広い事業を手掛けている。
　その一方で「建築・不動産関連以外の事業に手を広げることは考えていない」と話す樋口社長。バブル崩壊やリーマンショックといった厳しい時代も同社が大きな痛手を負わずに乗り切れたのは、本業一筋で、堅実な経営方針によるところが大きいという。
　「地に足の着いた事業展開が当社の真髄(しんずい)です。半世紀にわたって築いてきた住まいづくりのノウハウを生かし、さらに高い顧客満足を追求していきます」

　研修体制についてはOJTが中心。入社直後から複数の先輩社員に付き、顧客への接客の仕方から学んでいく。
　「先輩によってヒアリングのスタイルが異なるため、とても勉強になりました」（嶋田さん）
　その後、入社３カ月目頃から徐々に、一人で顧客との打合せを担当する。
　「最初は私にできるだろうかと不安でしたが、あえて背伸びをして挑戦できたことで、可能性を引き出してもらえたと感じています」と斉藤さん。
　一人で仕事を任されるといっても、同社には職場の先輩全員で新人を見守るという風土があるため、孤立することはないという。
　「先輩からは『こんな話し方をしてみたら』『この資料を使うと分かりやすい』など、アドバイスをもらい、接客に生かしました」（嶋田さん）
　こうして経験を積んでいくことで、自然と自信が生まれ、胸を張って仕事に打ち込めるようになると若手社員たちは口をそろえる。

　何よりも暮らす人の喜びを大切にした住まいづくりを続けてきました。設立50周年という大きな節目を迎え、さらに満足度の高い住宅の提供を目指していきます。