一気通貫で施工管理を担当するプロたちが、質の高い工事でリピート顧客を増やす
<3つの特徴>
●事業内容:大規模施設建設から住宅リフォームまで担う
●育成制度:施工の全工程を担当できるプロを目指す
●働く環境:年齢や性別にかかわらず積極的に活躍できる
地域に根差した「施工営業」で顧客との信頼関係を構築
1979年、福生市で誕生した塩田組は、地元密着型の建設業として信頼される工事実績を残してきた。
設立初期は、大手ゼネコンの下請としてコンクリートや土木などの基礎工事を担当。当時培った経験や技術を生かし、土木工事を自治体等から直接請け負うようになった。
その後、建築部門を立ち上げリフォーム事業にも参入。現在では地元の病院や工場、学校など大規模施設の新築工事や改築工事、一般住宅のリフォームまで幅広く手掛けている。
現在、発注者から直接仕事を受ける元請が案件の半分を占める同社。長年にわたり地域との信頼関係を築き、「施工営業」を行ってきた賜物と佐藤代表は話す。
「当社は営業部門がありません。リピーターや紹介が受注につながっています。質の高い施工をすることでファンを増やしていき、それ自体が営業活動になっていると考えています」
同族経営が多いという多摩エリアの建設業にあって、佐藤代表は新卒で入社し、一般社員から二代目を継承。同社は現在に至るまで順調に成長を続けている。
佐藤代表は40代、役員や社員にも30代以下の若手が増え、過去のやり方にかかわらず変化が必要であれば柔軟に対応する社風があると佐藤代表は話す。
また、成長の源泉は「コミュニケーション能力」という同社では、入社から3カ月間、本社社屋上層階にある寮に入り、同僚や職人たちと一緒に暮らす。寮は鉄筋コンクリート造で、個室、食堂・浴場なども備えた快適な住環境。プライバシーもしっかり確保されており、女性の入寮実績もある。建設業の寮といえばプレハブが一般的だった時代に、「働く人を大切にしたい」という先代の強い思いから実現したという。

現場経験を積んだ後管理業務を学び、資格取得も積極的
同社では、施工管理職として入社した社員は、見積り作成、打合せ、受注、施工、保守といった一連の流れを一人で担当できることを目指している。そのために重要なのが、まずは現場を知ることという。
「建設業は人を動かせないと何もできません。職人のことをよく知りコミュニケーションを取り、指示を出せるようになるために、入社半年程度は当社の職人と一緒に現場を経験してもらいます」(佐藤代表)
半年間の現場経験を積んだ後は、現場監督見習いとして先輩と一緒に行動する。まずは顧客との打合せに同席し、管理業務を学ぶ。早ければ2年目頃から小さい工事の監督を任されるようになり、上司や先輩と協力しながら業務を行っていく。3~4年目には全工程を見られるようになり、独り立ちするのが目標。
入社9年目、建築課の後藤さんは、新卒入社して以来現場での経験を重ねた同社二人目の女性現場監督。現在、1級建築施工管理技士の資格取得に向けて勉強しているという。
「実際に現場で作業ができる資格として、フォークリフト免許、高所作業車運転技能講習なども取得しています」
資格がないと担当できない現場もあり、同社では資格取得を推奨。合格後の受検費負担や手当支給も行っている。

誰もが活躍できるアットホームな環境で女性も責任ある立場に
年齢や性別にかかわらず、誰もが主体的に働いているという同社。入社14年目、子育てをしながら総務部を統括し、役員も兼任する岡野部長もその一人。
「平等に仕事を任せる社風です。適性があれば業務も役職もどんどん任せてもらえるので、成長意欲がある人はやりがいを感じられるはずです」
さらに、パパママ社員にとって嬉しいのは、全社で子育てを応援する気風がある点。例えば、近隣に住む従業員の子どもたちが学校帰りに会社に立ち寄ることもあるという。
「習い事の送り迎えのために子どもが来ると、社員皆が声を掛けてくれます。気さくな雰囲気も、長く働き続けられる理由の一つです」(岡野部長)
また、現場のスケジュールをうまくコントロールできるようになれば、有給休暇も長期で取得できる環境という。
「仕事の入り具合を見極めながら、自分の裁量で働き方を決めることができます。私は、ゴールデンウイークやお盆に長期休暇を取り、実家に帰ることが多いです」(後藤さん)

当社の自己PR
建設に携わりたくて入社しました。当社では全工程を一人で担当できるよう指導されますので、建設業界で必要なスキルを身に付けられるのが魅力です。一通り仕事ができるようになればマイペースで働くことができますし、オープンな社風なので周囲とのコミュニケーションも取りやすいです。(後藤さん)


●第26号 (2021年10月発行)掲載 ※掲載内容は発行日時点のものです。