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株式会社末吉ネームプレート製作所

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若手のやる気を引き出す環境を作り、次の100年への飛躍を目指す印刷会社

若手のやる気を引き出す環境を作り、次の100年への飛躍を目指す印刷会社

<3つの特徴>

●高い印刷技術でトレンドを追い続ける
●勉強会参加で食事券支給などユニークな制度
●残業削減や休暇取得を積極的に推奨

長年のノウハウを生かした各種印刷技術が強み

 末吉ネームプレート製作所は、1923年に創業した老舗印刷会社。「水と空気以外には何でも印刷できる」をキャッチフレーズに、機械装置の操作パネルや案内板などのプラスチック印刷のほか、ガラス面に貼るシール、タッチパネルなどに施されるフィルム印刷など幅広く手掛けている。
 身近な例を挙げると、テレビのリモコンなどの表示も、同社の技術。
 「エンボス加工といって、プラスチックの表面に印字したロゴや操作ボタンに凹凸を付ける技術も持っています。改良した特注機械で、利用者がストレスを感じないような微妙な凹凸に仕上げられるのが当社の強みです」
 時代ごとの先端商品に迅速に対応し続けてきた柔軟性と、印刷技術のノウハウがあると沼上社長は胸を張る。
 同社では新たな商品展開として、ガソリンスタンドの給油機のパネルなど、不特定多数の人が触れる場所に貼ることのできる抗菌シートの印刷にも着手し、確実に売り上げを伸ばしているという。
 「感染症対策への意識が高まる中で、例えば、スーパーのセルフ会計で使用するレジのタッチパネルの増加など、あらゆる業界、業種からの需要が予測されています。抗菌シート印刷は、今後も力を入れていきたいと考えています」(沼上社長)
 同社の抗菌シートは抗菌効果の有効期限が分かるため、利用者が安心して使用できると同時に定期的な交換というニーズの増加も見込まれる。
 「当社の持つ印刷技術を生かして、これからもお客様のかゆいところに手が届くような製品を提供していきたいと思っています」

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金属やプラチックなどを型通りに切り抜く「ビク刃」を保管する棚。取引先約350社分のビク刃が保管されている

内定者アルバイトを通じ 入社前に社内の雰囲気を知る

 同社では、内定した学生にアルバイトでの入社体験を推奨している。週に数日、検査などの作業を体験することで、研修の一環にもなる上に社内の雰囲気がつかめ、スムーズに社会人生活を始められるという。
 入社3年目、製造部でレーザー印刷・加工やプレス加工を担当する豊嶋さんもアルバイトを体験した一人。
 「アルバイトを通じて仕事への不安は軽減しましたし、社員の方に接したことで、社風も分かり安心して入社できました」(豊嶋さん)
 入社時には、本人の希望と現場の意向を踏まえて、配属先を決定しているが、3カ月間の研修で、全員が営業と製造の現場を体験するという。さらに、配属後はOJTで先輩社員に付きながら、実務を学んでいく。
 その他、他部署の業務を学ぶ社内勉強会や、不定期の社長主催勉強会なども開催されている。ユニークなのが、スタンプカード制度。勉強会に参加すると、一回500円分相当のスタンプが押され、一定数がたまると食事券に引き換えられるという。
 「様々な工夫を凝らすことで、若い社員たちに仕事への興味を持ってもらい、楽しく働ける職場を目指しています」(沼上社長)

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プレス機で作業する豊嶋さん。プラスチック板をエンボス加工して製品を成形した後、プレス加工の工程に入る

タブレット支給で業務効率の改善を進め、残業削減

 同社では、ライフ・ワーク・バランスの充実にも力を注いでいる。
 毎週水曜日は、全社員が定時に退社するノー残業デーとし、残業の削減に取り組んでいるほか、管理職以上には年間で連続5日間の有給休暇取得を義務付け、休みを取りやすい社風づくりにも努めている。
 「上司が休まなければ、部下である若い社員は休みにくいものです。私や役員、管理職が積極的に休暇を取ることで、若手社員の休暇取得率も上がり、上司任せにせず責任を持って仕事に取り組む社員も増えました」(沼上社長)
 さらに、3年前から外出の多い営業部員全員にタブレット端末の支給も始めた。移動中や商談中はもちろん、出張先でも活用されているという。
 入社12年目、営業部で既存から新規まで幅広い顧客に提案活動を続ける田中主任は、「外出先から在庫確認などができ、重宝しています」と喜ぶ。
 タブレット端末導入による仕事の効率アップが、残業削減にもつながっているという。

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本社で働く田中主任は「チームリーダーとして、自分が率先して行動しています」と話す

社長からメッセージ

チャレンジし続けられる人を求めています
 印刷機械の操作などは、経験を重ねていく中で身に付くので、入社時に特別なスキルは必要ありません。当社が最も重要視しているのは、チャレンジ精神を持っているかどうか。仕事の現場では、誰でも様々な失敗に遭遇することがありますし、思ったように物事が進まない局面はいくらでもあるものです。しかし、その都度落ち込んでいては、成長できません。失敗を教訓とし、それを糧として再チャレンジすることで、人は成長できると考えています。逆境にも前向きに立ち向かっていく意欲的な若い人たちに期待しています。

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「チャレンジ精神旺盛な人を待っています」 沼上社長
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社員が互いに感謝の気持ちを伝えあうサンクスカード制度も職場の雰囲気向上につながっている

●第23号 (2020年12月発行)掲載 ※掲載内容は発行日時点のものです。

企業情報

社名
株式会社末吉ネームプレート製作所
設立・創業年
設立年 1960年11月
資本金
2,600万円
代表者名
代表取締役社長 沼上 昌範
従業員数
39名(内、女性従業員数21名)
所在地
108-0014 東京都港区芝5-30-1
TEL
03-5232-6671