スマートフォンやPC、自動車、電車など、電気で動くあらゆる機械に搭載される半導体。テセックは、その半導体の測定・分類を行う半導体検査装置の開発から製造・販売まで一貫して行っている。同社は半導体産業が飛躍し始めた約50年前から、大手半導体メーカーとの取引でグローバルに成長を続けてきたリーディングカンパニー。蓄積した技術力を生かしつつ新たな発想を生むため、「エンジョイ」を社是に日々楽しむことを大切にしているという。
　「ヒントになるのは、趣味や遊びの中でふと目にしたもの。仕事以外のいろいろな経験から、違う感覚を取り入れていくことで斬新な発想力が育つと考えています」（田中社長）
　同社の半導体検査装置は、他社が追随できない高い精度で測定ができるという。顧客が求める精密さを実現するため、開発企画段階からしっかりとコミュニケーションを取り、高品質な製品を提供することで、顧客の信頼を獲得し続けている。
　また、家電のIoT化や電気自動車の普及など、半導体が一層不可欠になる中で、同社の半導体検査装置のニーズは増え続けていると話す田中社長。
　「私たちは、人々の安全・安心な暮らしを支える検査装置メーカーとして、今後も新たな価値を創造し、世の中に貢献し続けていきます」
　同社は海外展開も活発に行っており、現在、米国、中国、マレーシアに現地法人がある。販売代理店は世界中にあり、50周年記念の式典には本社に各国から主要関係者が集まったという。
　現地の営業担当者とのコミュニケーションも日常的にあり、現地で分からないことは日本国内の技術者や海外営業担当が電話やオンライン会議ツールでレクチャーする。現地で製品の据付けをする際には、リアルタイムのライブ動画中継で指導を行うこともある。
　海外営業担当以外にも設計や製造担当がトレーニーとして赴任し、通常業務を行いながら現地法人のスタッフの育成を行うこともあり、語学の習得も推奨されている。

　同社に入社後は、２週間程度の新入社員研修に参加する。社会人としての基礎や自社製品などについてを座学で学んだ後、エンジニア部門に配属予定の社員は同社伊那工場に赴き、約６カ月間かけて実際に機械に触れながら製造の全工程を体験する。
　入社２年目、テスタビジネスユニット設計グループでハードを担当する三角さんは、コロナ禍での入社のため本社で製造工程を学んだ。
　「一連の流れを覚えるために、小型の機械を製造しました。先輩２人が付いてくれたので、何かあったときもすぐに相談ができて安心でした」
　未経験から一人前のエンジニアになるためのノウハウも蓄積されており、語学研修や資格取得支援など、会社が費用負担するスキルアップ制度も豊富に用意されている。