信号保安設備をはじめ、鉄道の安全を守る 電気通信設備等の施工技術をしっかり習得
<カイシャの特徴>
●事業内容:電気通信設備工事で安全・安定・安心な鉄道の運行に貢献
●育成制度:3~5年目までに関連資格の取得を推奨。先輩社員も丁寧に指導
●働く環境:深夜工事業務の休憩環境もしっかり整備。社内の交流も盛ん
鉄道信号保安設備を軸に駅ホーム柵設置にも対応。鉄道設備を技術で支える
鉄道信号機の設計、工事施工、保守を行う会社として1944年に設立された鉄信。現在では、鉄道に関わる電気通信設備工事全般を担い、その高い技術力で多くの鉄道事業者の信頼を得ている。
「信号機をはじめ、鉄道関連の電気設備工事の分野で、社会インフラ整備の一端を担っています。お客様と地域社会に貢献し信頼される企業であることが、私たちの使命です」(仲里社長)
同社は、信号設備だけでなく駅ホーム柵などの駅設備の施工も手掛けており、ある私鉄のホームドア全線・全駅設置に向けたプロジェクトにも参加している。さらに、鉄道インフラの省力化が課題となる今後はワンマン化や無人化への対応が不可欠と仲里社長は話す。
「IoTやAI化によりコンピュータ管理が進み、形ある信号機はなくなっていくことが想定されています。レールのない新交通システムなどへの対応も必要になります」
そうした中で同社は、これまで培ってきたレガシーの技術はもちろん、時代を見据えた最先端技術の取得にも注力し、自社独自の技術力に磨きをかけている。
常に次の時代を意識している同社は、鉄道事業以外の事業展開にも注力。これまで培った技術をベースに一般電気設備工事にも参入している。
「少子高齢化による人口の減少に伴い、例えば、マンションの施工は新築物件よりもリノベーションが重視されると考えます。そこで、この分野での事業拡大を図っていきます」(仲里社長)
また、同社にはもう一つ、同業他社に比べ現場拠点が多いという優位性もある。効率化重視の時代、拠点を統合しアウトソーシングで利益を上げることは可能だが、設立以来、社是にある「誠心誠意」を大切にし、顧客や鉄道利用者の利便性を第一に考えているという。
新しいものを積極的に取り入れながら、軸となる信念は決してぶれない。それが同社の大きな強みとなっている。

充実した資格取得支援と先輩からの丁寧な指導で 知識と実践力が身に付く
電気通信設備の設計、工事施工、保守においては、資格がないと実施できない業務もある。そのため同社では、資格取得支援に力を入れている。
資格によっては実務経験年数が必要なものもあるが、基本的には入社3~5年目までに関連資格の取得を推奨。テキスト代や受験費用などは会社が支給し、事前に報告すれば業務時間内の外部講習受講も可能。試験会場までの交通費も支給される。また、資格取得者は報奨金が支給されるという。
「会社の制度を使って、第二種電気工事士など複数の資格を取得してきました。先日、1級電気施工管理技士の第一次検定が終わったところで、今後も様々な資格取得を目指しています」(入社9年目、多摩工事所の内村副主任)
「私は文系出身で、全くの未経験者でしたが、仕事も資格の勉強も分からないことがあれば、先輩方が丁寧に教えてくれています。成長したいという気持ちに応えてくれる会社です」(入社2年目、狛江工事所の中山さん)
同社では、今年度から人材の材を財産の財に置き換えた「人財開発」という専門部門を設け、さらに資格取得支援に力を入れている。


社員が快適に働ける 職場環境を整備。 社員同士の交流も盛ん
人材を育むだけでなく、社員の働きやすい環境づくりも大切にしている同社。対象が鉄道電気設備という性質上、工事は列車が止まっている深夜になることが多い。そこで、少しでも快適に働けるようにと、各現場拠点には疲れを癒やす入浴施設や、プライベートなスペースを確保できる仮眠設備を個々に完備している。
「時間が限られた深夜の工事は大変なことも多いですが、始発電車が無事に走る姿を目にすると、達成感があります」(内村副主任)
また、同社は部署の垣根を越えた社員同士のコミュニケーションも盛ん。レクリエーション委員会が中心となって、野球観戦、釣りなど感染症対策に配慮したアウトドア中心の社員参加型イベントを企画。この他、年に1回、会社から社員への感謝の気持ちとして、単身者には選べるギフトを、家庭を持つ社員には3カ月連続で毎月10kgの新米が届けられるという。
このように公私ともに充実した社員たちが、社会インフラを支えている。

社長からのメッセージ
鉄道インフラを支える、社会に貢献する仕事です。「人が喜ぶものを作ることに喜びを感じる人」と一緒に働きたいと願っています。

読者からひとこと
鉄道だけでなく社員の安心・安全も支える
安全で正確といわれる日本の鉄道の運行を支えてきたノウハウをもとに、時代の変化に応じて変化を止めない点が素晴らしいと思いました。資格取得支援や快適さのための設備投資、社内交流の促進など、社員が働きやすい環境を作る努力も感じられました!

●第31号 (2022年12月発行)掲載 ※掲載内容は発行日時点のものです。