ピアノやトイレの蓋(ふた)をゆっくりと閉めたり、冷蔵庫の引き出しをスムーズに動かしたりといった動きには、ロータリーダンパーやベアリングといった機構部品が欠かせない。TOKは設立以来、主にプラスチック製の機構部品を開発・製造・販売し、国内外で高い評価を得ている。
　「日常生活から企業の製造現場まで、利用シーンや業界を問わず、お客様が求める動きにこだわりを持った製品の開発に取り組んでいます」（吉川社長）
　そんな同社の強みは、既存製品を顧客の要望どおりにカスタマイズできること。
　「当社製品の75％はお客様のニーズを反映したカスタムメイドの製品です。形や動き方など、要望はお客様の数だけありますが、丁寧に応えていくことで、お客様との信頼関係も深まり、次の依頼につながっていきます」（吉川社長）
　同社は将来を見据え、海外展開にも力を入れており、欧米企業との取引を拡大している。２年ほど前から、自社ウェブサイトでのSEO対策（ウェブサイトへの訪問者を増やすための施策等）など、デジタルマーケティングを強化し、国内はもちろん、海外からの反響が増えているという。
　また、業界を問わず様々な製品を開発・製造している同社は、最近では医療業界向け製品の開発に力を入れている。
　「医療機器関連の製品は、景気に関係なく必要なものですし、社会貢献にもつながります。手術の際に使用する使い捨て器具の一部品を開発・製造し、医療現場から好評を得ています」（吉川社長）
　その他にも、手術の際に内視鏡を固定する製品の開発を進めている。医療関係者との打合せや評価試験を重ねており、製品化の実現が目前になっているという。

　入社後は１年かけて営業や総務など様々な部署を回り、先輩社員の指導を受けながら成長していく。その後本人の希望と適性をもとに配属先が決まる。
　「基礎からしっかり学ぶことができたので、文系出身の私も設計担当として業務を行っています」（入社３年目、テクニカルサポートグループの吉田さん）
　また、海外展開を積極的に進める同社は、年２回TOEICの団体受験を実施。会社の費用負担のもと受験でき、スコアに応じて手当を支給している。
　「海外のお客様とメールやオンラインで打合せをしたり、アメリカやベトナムへの海外出張もあるので、英語力の強化は常に意識しています」（入社４年目、グローバルサービスチームで顧客対応を担当する法木さん）
　さらに業務に関連する資格の取得も推奨している。
　「貿易実務検定の合格を目指しています。資格を取得すると報奨金が支給されるので、モチベーションにつながります」（法木さん）

　当社のスローガンは「これまでにない動き／Create New Motion」です。お客様に新たな価値を提供できるよう、社員と共に挑戦していきます。