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東京電源株式会社

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ものづくりは一人ひとりが主役 社員にスポットライトがあたる職場に

誰もが主人公になるものづくりストーリー
ものづくりは一人ひとりが主役 社員にスポットライトがあたる職場に

社員の高い技術力を武器に、電源機器や環境衛生機器などを製造・販売する東京電源。その技術力を支えるのは、社員一人ひとりにスポットライトをあて、仕事のやりがいを追求する社内風土だ。東京電源という仕事のステージに立てば、誰もがものづくりの主人公になれる。

「製品」と「人」の2つの柱で 高度なものづくりをけん引


 「夢は、ものづくりというステージの舞台監督になること」。
そう語るのは、1972年の創業以降、電源機器事業や環境衛生機器事業を中心に展開する東京電源の夏目昌彦代表だ。
 夏目代表は、ものづくりというステージには、「製品」と「人」の2本の柱があるという。同社の主力製品はケーブルテレビ用の電源供給器だ。現代社会は、電気が通じなければ、生活の一つひとつが成り立たない。その電気の供給元となる電源機器は、社会のインフラを支える製品といえる。
 「電源供給器と聞いても、なにを製造しているか、想像しづらいと思います。けれども、街を歩けば施設の片隅に当社のボックス型の製品を見ることができます。それぐらい生活と身近な商品を製造しています」
 電気の供給元である電源の可能性は、近年益々拡大している。例えば、ITやIoTなどの先進的な技術に対して、安定的に電気を供給する仕組みを作ることで、社会の発展にも寄与することができる。また、震災などの自然災害が発生した際には、被災地に電源を供給することで、暮らしを支えられるのだ。
 「電源の活用方法を広げるためには、固定観念にとらわれない新たな発想、柔軟な対応力が求められます。そのため、若い人の独自の発想が電源と結び付くことで、新たな道が開けてくると思っています」

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東京電源の主力製品となる『電源供給器』。 このボックスが国内の電気の円滑な供給を支えている

主役と脇役が入れ替わる 電源機器の作業現場


 そして、もう一つの柱となるのが「人」だ。電源機器を製造するためには、図面を読む力、電気の専門知識、ハンダ付けの技能など、様々な能力が求められる。その高い技術力を支えるのが、社員一人ひとりが持つ専門的なスキルだ。夏目代表は、それぞれのスキルが結集することで、電源機器の精度が高まるのだという。
 「ものづくりは、一人の力で完結できるものではありません。そのため、機器の製造工程は、演者同士が支え合う舞台に似ていると思います。ときには主役となり、それを脇役が支え、次の工程では、主役と脇役が入れ替わる。それぞれのステージで、社員一人ひとりにスポットライトがあたるような会社にしていきたいのです」
 現在、同社を支える社員は、40歳、50歳の熟練者が中心だ。だが、そのベテラン中心の会社に、若手の力を加えることで、すべての年齢層が活躍できる企業へと変えていく考えだ。


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長年にわたって蓄積された技術力が、 東京電源のものづくりの強み

作業マニュアルを作成し 蓄積したノウハウを継承


 若手社員を受け入れるにあたって、始めに着手したのが、技術力が伝承できる仕組みづくりだった。ものづくりの現場は、職人的な要素が強いため、個人に蓄積したノウハウを“教える”ではなく、“見て学ぶ”風土が根付いている。だが夏目代表は、旧来の手法だけに頼っていては、若手に技能を継承できない時代になったという。
 「電源機器の専門的な技術は、先輩の仕事を見て覚える、ということも必要です。しかし一方で、それぞれが蓄積したノウハウを“見える化”し、誰もが見てわかるようにすることで、作業効率を高めていかなければ、時代のスピードについていけません」(夏目代表)
 同社では、製造の各工程において、写真付きの作業マニュアルを作成。技能の“見える化”を実現することで、たとえ若手社員であっても仕事が進めやすい環境を整えている。また、社員が自ら講師を務める勉強会を定例で開催し、それぞれが蓄積した知識や技術を伝える場を設けている。

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各部品の接続方法等の手順をまとめた写真付きの作業マニュアル

インターンシップを通して 作業工程を自身で体験


 今後は、「ものづくりの現場を自分の目で見てもらいたい」との思いから、インターンシップの受入れを検討している。
 「中小企業の現場の特徴は、部品の調達、製造、販売まで、一人で一貫して関われることです。インターンシップを通して、それぞれの工程を体験してもらうことで、自分のやりたいことが見えてきます。そうすることで、仕事に対する方向性が定めやすくなるのだと思います。学生のときには、一つでも多くの体験を積むことで、自分自身の特徴や強みを掴んでみてください」
 同社の特徴は、「製品」と「人」に対する揺るぎのない自信だ。若手社員の時代の一歩先を見る発想力や社会の変化に対応する柔軟性に、夏目代表の舞台監督としての手腕が加わることで生まれる相乗効果。そこには、時代とともに進化する「ものづくりの在り方」があった。

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「社員の力を集結することで、電源機器の クオリティーを高めていきたい」と話す夏目代表

ハツタロウー・ケンジロー・なびでんちゃんのもっと知りたい!


地域とのつながりをつくる朝の清掃活動


 雨の日を除いて毎日、業務開始前に近隣の道路の清掃活動を実施しています。清掃活動は社会貢献につながることに加え、地域住民との接点の場になっています。更に、地域住民からの「ありがとう」の言葉が、社員のやりがいにもつながっています。
 また、毎朝の清掃により、職場での仕事の基本となる5S(整理・整頓・清掃・清潔・躾)への意識が高まり、作業の一つひとつが徹底されるようになりました。清掃の習慣を身に付けることで、業務への好循環が生まれているので、地域のためにも、社員のためにも、今後も継続して活動していきたいですね。
(夏目代表)

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毎日の活動が業務にも良い影響を与えている

●第13号 (2018年6月発行)掲載 ※掲載内容は発行日時点のものです。

企業情報

社名
東京電源株式会社
設立・創業年
1972年
資本金
3,000万円
代表者名
代表取締役 夏目 昌彦
従業員数
11名(内、女性従業員2名)
所在地
121-0836 東京都足立区入谷8-1-17
TEL
03-3897-7747