ユニバーサル・シェル・プログラミング研究所の社名にも含まれる「シェル」とは、50年以上前から使われているソフトウェア。様々なソフトウェアを動かすための根幹を構成するものとして、現在もアプリの起動などで幅広く用いられている。シンプルながら汎用性に優れたシェルの機能に着目して、當仲(とうなか)代表は「ユニケージ」というシステム開発手法を生み出した。同社はこの手法を核に企業の課題解決に寄与している。
　「売上げを伸ばしたいといった顧客の経営課題を受け、独自の手法でシステムを開発し解決に導く、コンサルティング会社でありシステム開発会社でもあるのが当社です」（當仲代表）
　顧客の悩みをヒアリングした後に、例えば、在庫管理システム、顧客管理システムなど、様々な業務改善につながる基幹システムの提案をしている。
　同社の顧客には、メーカーや小売業など各業界の大手企業が並ぶ。全顧客と直接取引を行っており、同社はニーズのヒアリングから設計、開発、導入、保守までの「フルサイクル」で対応している。
　近年、同社は採用活動を活発化させており、経験・未経験者にかかわらず通年採用を実施。昨年は計９人が入社した。當仲代表は数年以内に、従業員数を現在の約100人から300人規模まで拡大することを目指している。
　「我々はユニケージという開発手法を世の中に広めることも使命の一つにしていて、以前からエンジニアの育成を重視してきました」（當仲代表）
　育成に力を入れている企業だからという理由で入社する人も増えているという。
　加えて、同社は顧客企業のシステム担当者に向けて、提供したシステムの改修などを顧客が自ら行えるようするための研修も行っている。これもユニケージを広めるための活動の一環と捉えているという。
　「プロの料理人が料理教室を開くように、当社も独自の技術を広めていきます」（當仲代表）

　同社の組織としての大きな特色が、部署や役職がないこと。エンジニアは能力によって松・竹・梅という３つのレベルに分けられているが、日常的なコミュニケーションに壁はない。
　「仕事の悩みなどがあればすぐに先輩に聞ける働きやすい職場だと感じています」（入社２年目、システムエンジニアの石橋さん）
　また毎週金曜日は、仕事を離れて社内コミュニケーションや自身の勉強に充てる日と定めている。本社内にはキッチンがあり、当番の社員が前日から仕込んだ昼食を皆で食べながら会話を楽しんでいる。
　「食事の席は毎回ランダムなのでいろいろな先輩と話せます。特に新人の頃は社内のことを知る良い機会になりました」（入社２年目、システムエンジニアの田中さん）

　自分たちのIT技術やスキルで、日本や世界を変えたい。そうした大きな志を持って技術力を磨きたいと考えている人に向いている仕事です。