手厚い研修制度で若手社員が中心に活躍。業務用加湿器で高いシェアを誇る
<3つの特徴>
●顧客のニーズに合わせた加湿器を提案
●多様な研修制度で基礎から専門知識を習得
●協力会社との連携によって業務負担を軽減
多品種少量生産によって ニーズに応じた製品を提供
ウエットマスターは、学校、オフィス、工場、病院・福祉施設などの室内を適度な湿度に保つ業務用・産業用加湿器の開発、製造、販売、メンテナンスを一貫して手掛け、同分野で国内トップクラスのシェアを誇る。
加湿器は主に取引先である空調機メーカーなどに納品。空調設備の一部として取り付けられ、湿度が保たれた快適な空間を生み出している。
同社は自社工場を持たないファブレスメーカーで、製造は協力会社に委託している。
「製造は得意なところにお願いし、当社は顧客の課題解決を担う分野に専念することで、市場ニーズを的確につかみ、新製品の開発・モデルチェンジなど、一つひとつにきめ細かく対応できます」と経営管理本部の加藤グループ長は話す。
加湿器のパイオニアとして、多様なニーズに応えられる多品種少量生産を実現し、顧客の信頼を獲得。同社製品は大手空調メーカーの業務用空調機にも標準装備されており、空調機の累計販売台数は150万台以上、納入現場数は1万カ所以上に及ぶという。
同社は、高圧スプレー式加湿器の商品化成功を機に1969年に設立された。その後、業界に先駆けて超音波式加湿器、赤外線式蒸気加湿器などを開発。1986年には同社のヒット商品である「てんまい加湿器」の開発にこぎつけた。この加湿器は、空調機とは別に各部屋の天井に取り付けて室内の空気を直接加湿する製品で、空調方式や空調機の運転に左右されずに湿度をコントロールできると注目された。同製品は急速に普及し、今も改良を重ねながら導入数拡大を続けている。
同社の製品は天井や空調機に組み込まれるため、表立って目にすることはほとんどないが、陰で人々の活動を支えてきた。
「今後も市場ニーズを敏感に察知し、加湿の課題と向き合い続けていきます」と加藤グループ長は力を込める。
社内外の研修を多数そろえ、メンターの先輩も親身にケア
同社では入社後1~2年間掛けてOJTを行い、基礎知識を身に付ける。
入社4年目、営業本部で顧客への提案や販売を行っている石川さんは、「先輩に付いて現場で加湿のメカニズムや製品の構造などを基礎から学びました」と話す。
さらに、パソコンスキルやビジネススキルなどを学べる通信教育や外部研修も随時受講でき、石川さんも入社した頃から継続して受講。交渉力を高めるのに役立っていると話す。
入社9年目、技術本部で設計・開発を担う藤野主任は、「入社1年目には3次元CADの社内勉強会と外部研修に参加することで、設計力を身に付けることができました」と話す。
また、他部署の先輩社員がメンターとして付き、職場や仕事のことはもちろん、プライベートなことまで相談に応じてくれるという。
2年前に新入社員のメンターを務めた経験が自身の成長にもつながったと、藤野主任は振り返る。
「メンターは新人の悩みを聞くのも役目ですから、人の話を聞き出し、傾聴する力が付きました。その姿勢が、お客様のニーズや課題を聞き出す際に生きています」
協力会社との連携で残業削減 社員同士の交流も活発
加湿器を専門とする同社は、空気が乾燥する冬季に繁忙期を迎える。その時期には、メンテナンス業務を中心に協力会社に業務を委託することで、社員の業務負担を減らし、残業時間の削減などを図っている。
一部の部門では、毎週水曜日をノー残業デーとすることで、水曜日以外も定時退社をする意識が高まってきたという。
また、石川さんは社員同士の交流など風通しの良さにも、働きやすさを実感していると話す。
「野球やサッカーなど社員4人以上で交流イベントを催すときは、年2回まで会社から1人5,000円の補助金が支給されます。支給制度が社内交流をより盛んなものにしていますし、仕事上で他部署と連携するときのスムーズなコミュニケーションに役立っています」
採用担当からメッセージ
相手の話に耳を傾け、周りを巻き込める人
当社が求めているのは、「傾聴力」「論理的思考」「人を巻き込む力」の研さんにチャレンジできる人です。当社ではいずれの部門でも、社内外の声に耳を傾け、改善点や対応策をロジカルに導き出す力を必要としています。また、入社3年目の社員がリーダーとして製品のモデルチェンジに取り組んだり、社内のIT化推進プロジェクトに参加したりするなど、若手社員が中心となって人やチームを巻き込み、プロジェクトを推進しています。先輩たちのアドバイスを元に、自分なりのチャレンジを繰り返すことで、大きく成長できます。
●第23号 (2020年12月発行)掲載 ※掲載内容は発行日時点のものです。