半導体装置などの大型部品加工で、ものづくりの専門技術を磨く
<カイシャの特徴>
●事業内容:3m級の大物部品の加工・組立て
●仕事のやりがい:ゼロを形にするものづくりの魅力
●育成制度:5年程度かけてゆっくりと成長
●働く環境:安心できる社員思いの社風と制度
60年超培った技術力で 地域一番の大物部品の加工会社を目指す
1957年に創業し、現在は半導体製造装置や食品加工機械などに使われる金属部品の加工、組立てを手掛けているヤマサン精密。顧客であるメーカーが作る試作品や、単品・小ロット部品のオーダーメイド加工が多くを占める。
同社の強みとなっているのは、大物加工から組立てまでワンストップで行える点。加えて、近年新たに大型の五面加工機(対象の五面を同時に加工できる機械)設備を導入したことで、最大3m×2m×1.5mの巨大な金属を設計書どおりに加工することが可能となったという。
「当社はお客様が時代ごとに求める機械のニーズに合わせて部品を加工してきました。今は半導体関連の部品が多いですが、少しでも速く正確にというものづくりの精神は変わっていません。これからも、当社が培ってきた技術力による高い品質で、多摩地域の工業製品を支えていきます」(船山社長)
同社では、鉄、ステンレス、アルミ、銅を中心に多種多様な金属の加工を行うことが可能。また、加工と組立てだけでなく、表面処理までを一貫して請け負っている。さらに、大物加工だけでなく、ギアやシャフトなどの小さい部品の加工にも対応している。
「大物加工に関しては基本的に当社で全て受けるようにしていますが、他社でも加工可能な小物部品などの受注があった場合には、同業者にも協力を仰いでいます。お客様、当社、協力会社が三方両得になれるよう、努力をしています」(船山社長)
自社だけが繁栄を目指すのではなく、多摩地域の同業者と共存共栄することで次の代へと事業を承継していきたいと船山社長は話す。

設計書を見てゼロから完成させるのが ものづくりのやりがい
同社では、基本的に一つの工程は一人で担当する。作業を重ねるごとに技術力が上がっていき、成長を実感しやすいという。
図面をもとに何もない状態からものを作り上げるのが何よりも面白い、と話すのは入社25年目の伊東工場長。
「市販されている工具をあえて買わずに自作することがあります。その工具で加工した製品は愛着もひとしおです。何でも自分で作ってみようという発想になるのは、ものづくりの会社ならではだと思います」
また、入社8年目、製造部で大物加工品を担当する船山さんは、同社での仕事は適度な緊張感と喜びが感じられると言う。
「大物加工は、素材が大きい分失敗したときのダメージも大きいものです。また、作業中は天井から素材をつるすので周囲の安全にも細心の注意を払う必要があります。無事完成したときは、安心するとともに大きな喜びを感じます」

じっくり教えるOJT。担当工作機械の 外部講習受講も奨励
ものづくりの中心となる加工は全て工作機械のプログラムを用いて行うが、顧客から受け取った設計書を読み、高いレベルで再現するのは容易ではないという。そのため、OJT形式で先輩がしっかりとフォローしながら、基本業務を覚えるのに約3年、完全な独り立ちには5年程度かけている。
また、フォークリフト免許等、業務に必要な資格に関しては会社負担で取得可能。外部が提供している各種研修を業務時間内に受講できるなど、スキルアップを推奨している。必要に応じて担当する工作機械メーカーの研修を受けに行くこともあるという。
「業務についてはOJTを通してじっくり身に付け、分からないことは教えていく社風なので、どんどん質問してもらいたいです。扱う製品が大きいため若手を中心にフォークリフトの有資格者をさらに増やしていきたいです」(伊東工場長)

めりはりを大切にする社風、社員思いの制度で安心して働ける職場環境
同社には、設立の頃から社員思いの働きやすい環境があったという。
「私が入社したきっかけは、当時、中小企業の製造業では珍しかった完全週休2日制に魅力を感じたから。もう25年前の話ですが、今でも変わらずしっかりと休みを取得できます。忙しいとき、休むときのめりはりをつけて無理せず働ける環境です」(伊東工場長)
また、毎月支給される手当も充実している。最大8,000円が付与される住宅手当、昼食代に充てられる2,000円の食事手当など、社員が安心して働くことができるような環境を整えている。

社長からのメッセージ
ものづくりは励むほどに成長を感じられ、人に喜ばれるやりがいのある仕事です。作ったものが使われることで社会に貢献する実感も得られます。

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●第36号 (2024年3月発行)掲載 ※掲載内容は発行日時点のものです。