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協和製凾株式会社

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顧客の要望以上の製品開発に挑戦。高級品のイメージを高める「貼凾(はりばこ)」を製造する

顧客の要望以上の製品開発に挑戦。高級品のイメージを高める「貼凾(はりばこ)」を製造する

<カイシャの特徴>
●事業内容:美麗なパッケージ、ケースの製造
●仕事のやりがい:顧客の要望を超える製品を開発
●育成制度:研修と年2回の面談成長を確認
●働く環境:制度改革でさらに働きやすく

高級品のイメージを高める美麗な「貼凾」の製造で 110年の歴史

 1914年に創業し、100年以上の歴史のある協和製凾は、化粧品を中心に、時計や万年筆、宝飾品、日本酒や高級洋菓子などのパッケージとケースの製造を手掛けている。高級な製品のイメージをそのままに、エンドユーザーが手に取ったときに喜びや期待感が湧くような美しいパッケージを数多く生み出している。
 「当社は中芯のボール紙に美しい紙や布、革など様々な素材を貼る『貼凾』を中心に、箱の中のケースも同時に製造できる会社としてお客様からの信頼を得ています。形、素材だけでなくデザインにもこだわりを持つお客様も多いですが『協和製凾さんだから安心して任せられる』というありがたい言葉をよくいただきます」(渡部代表)
 同社の作るパッケージはOEM*製品のため、商品に社名が出ることはないが、顧客は国内外で有名なブランドや大手メーカーが中心という。そのため、同社が手掛けた製品を店頭や広告で目にする機会も多く、社員のモチベーションにつながっている。
 同社が今、一番力を入れているのは、SDGsの取組。具体的には、紙の原料となるパルプやリサイクル革、リサイクルポリエステルなど、環境負荷の低い素材を使用した製品づくりを進めている。従来どおりの品質を保ったまま、環境配慮への意識の高い顧客の期待にも応えているという。
 また、同社は海外2カ国に子会社として自社工場を持ち、機械では対応できない手仕事の貼凾も量産ができる体制を整えている。工場との連携も大切にしており、現地で研修を行うなど、海外スタッフとのコミュニケーションと業務理解に励んでいる。

*OEM:他社ブランドの製品を製造すること

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商品のイメージを高める、美しい造作が得意な同社ならではのジュエリーケース

新しい技術や素材を使い 顧客の要望や期待を超えるパッケージを提案

 顧客からは、難易度の高い素材の組合せや難しいデザインのオーダーも多いという同社。
 「お客様の頭の中にあるイメージを、いかに具現化できるかが重要です。技術部とも相談しながらサンプル制作を進め、要望以上のものを提案できたときは達成感があります」(入社2年目、営業部の男性社員)
 また同社では、技術部が他部署の社員に向けて、新しい加工や素材の提案を行う「商品プレゼン会」を不定期で行っている。そこで各部署からの意見や提案をヒアリングし、さらにブラッシュアップしていくことも多いという。こうして出来上がった新商品は、顧客に提案することもあり、新たな挑戦をし続ける姿勢と技術力が顧客からの信頼をさらに強固にしている。
 「見た目の美しさを損なわずに、今よりコストを抑えて再現する方法を現在研究しています。既存の製造方法にとらわれず、自身のアイデアを発信し、技術を磨いていける環境にやりがいを感じています」(入社5年目、技術部の男性社員)

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「お客様との密なコミュニケーションを大事にしています」(営業部の男性社員)

全部署での研修や部門長・社長との面談で自身のスキルを高める

 同社に新卒入社した場合はオリエンテーションを受けた後、全部署を1週間ずつ経験する研修が行われ、本人の希望と適性を見て正式配属となる。
 「全部署を経験したことで、配属後の部署で不明点が出たときにどの部署の誰に聞けばよいかが分かり、研修がとても役立っています」(入社1年目、営業部の女性社員)
 その他にも、外部研修や管理職研修などがあり、専門知識やマネジメントスキルを習得することができる。
 また、同社ではビジネスパーソンとしてのスキル向上と目標達成のために独自の「ビジネススキル指標」を用意している。年に2回、行動力や論理的思考力など、自己評価を書き込み、部門長が評価。その後、社長面談も実施している。これによって自分の成長を客観視し、新たな目標を立てることができるという。

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ミスが起きないよう、確認しながら受発注業務を行う営業部の女性社員

子育てや家庭の事情と両立して働けるよう 制度改革を進める

 台東区ワーク・ライフ・バランス推進企業として認定されている同社。子育てや介護など個々の事情があっても働きやすいようにと、コロナ禍に導入した時差出勤制度を改め、フレックスタイム制を試験運用している。コアタイム時間に関しては社員から意見を吸い上げ、複数パターンを試行中という。
 「保育園に通う二人の子どもがおり、フレックスタイム制を活用できると、保育園の送迎もしやすく、ありがたいです。また、有給休暇も取りやすいため、保護者懇談会のタイミングなどでも取得しています」(技術部の男性社員)
 さらに、社内コミュニケーションを活性化するために、納会や食事会も会社の費用負担で行われている。

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「お客様のイメージをいかに形にするか、いつも考えています」(技術部の男性社員)

代表からのメッセージ

 向いていないと思った仕事もまずは挑戦してみてください。極めていくことで、自分でも気付かなかった可能性に出合えるかもしれません。

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渡部代表

このカイシャが10秒でわかるムービー

ムービーはこちら

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●第36号 (2024年3月発行)掲載 ※掲載内容は発行日時点のものです。

企業情報

社名
協和製凾株式会社
設立・創業年
設立年 1944年11月
資本金
4,000万円
代表者名
代表取締役 渡部 美紀
従業員数
29名(内、女性従業員数15名)
所在地
110-0015 東京都台東区東上野1−23−9
TEL
03−3832−7101