社員とともに会社を作る食品包装資材メーカー。茶器や菓子の開発を通しお茶の需要拡大も目指す
<カイシャの特徴>
●事業内容: 日本茶等の包装資材を製造
●働く環境:性別問わずキャリアアップできる
●育成制度:実践的な学びで成長を後押し
●仕事のやりがい:社員の意見を経営や制度に反映
日本茶などの食品包装資材を企画から製造、販売まで一貫体制で行う
日本茶等に向けた食品包装資材を、企画から製造、販売まで自社一貫体制で展開している吉村。同社では、包装資材にとどまらず、日本茶の需要拡大のために様々な取組を行っている。
「『日本茶はいれ方が難しい』という消費者の声に応え、簡単においしく飲める茶器の開発・販売をしています。また、日本茶が飲みたくなるお茶菓子を作るなど横展開もしています。お茶のPRにつながり業界全体が盛り上がると、取引先の日本茶メーカーやお茶屋さんにも好評です」(橋本社長)
さらに、エンドユーザーの動向を把握するために日本茶や茶器、茶菓子を扱うアンテナショップ「茶雑菓」を2023年に本社近くの商店街で開店した。
「当社の『想いを包み、未来を創造するパートナーを目指します』という理念を理解していただき、包装を価格だけでなく品質で選んでほしいという狙いがあります」と、橋本社長は言う。
現在、お茶に関連する取引先企業は8,000社を超える同社。日本茶業界のビジネスパートナーとして、包装だけでなく、日本茶の需要拡大に向けた事業展開を今後も続けていくという。

誰もがアイデアを出し、会社を作る一員になれる体制や制度を用意
同社では、経営会議に若手社員も参加する。会議の内容は社内の壁新聞で発表し、全ての情報をオープンにしている。
また、事業のアイデアや働き方、福利厚生などについて、誰でも自由に提案ができる「ノーベル起案制度」があり、経営会議のメンバーが良い内容と賛同すれば、正式に導入される。
「ルールは会社が決めるものというイメージがありましたが、当社は自分たちで決めていく風土が根付いています。一つの起案につき、500円の手当が支給されることもあり、社員の一意見に会社が投資してくれていると感じます」(入社15年目、営業部の髙橋課長)
例えば、育児休業中だった社員が、友人との会話からヒントを得て提案した茶菓子が「粋町しょこら」という名称で商品化された。行動すれば会社は応えてくれるという信頼感が、社員のやりがいにつながっている。

性別やライフイベントの有無を問わず、キャリアアップできる
育児休業の取得は男女ともに多数実績がある同社。短時間勤務制度は、子どもが小学3年生になるまで利用できる。
「周囲を見ても子育てしながら活躍している人が多い上、困ったことがあれば、社員皆で考え制度化していける会社なので、自分も安心して長く働きたいと思っています」(入社6年目、営業部の川嶋主任)
また、配偶者の転勤などが理由で退職した社員の復職を歓迎する「MO(戻っておいでよ)制度」など、女性の働きやすさのための取組は多く、東京都女性活躍推進大賞や日本で一番大切にしたい会社大賞など受賞も数多い。
「管理職の3割以上が女性で、性別やライフステージの変化と関係なくキャリアアップできる会社」と髙橋課長は話す。

研修のみならず、イベント運営などで実地体験を積み成長を促す
同社に新卒入社すると、工場や本社各部署を回り業務の流れを把握した後、仮配属先でOJTを行い、希望と適性を見極めて正式配属となる。
以降も年次に応じて外部研修があるほか、入社2年目になると1年下の入社式の運営を、4年目で経営計画発表会の運営を担当する。一つの社内イベントを若手がチームを組んで企画し、手配や調整を行い、当日の進行も担当することで、チームビルディングやビジネススキルを実践的に学ぶことができる。
また、傾聴などコミュニケーション能力を磨くL.E.T.(Leader Effectiveness Training)研修は、認定トレーナーの資格を持つ橋本社長自らが担当。年次を問わず参加できる。
資格取得支援制度もあり、日本茶インストラクターなどの資格をテキスト代、受験料含め会社負担で受験できる。

社長からのメッセージ
社員の働きやすさのために制度をたくさん作れば良いのではなく、風土として根付いて初めて働きやすさが定着するという思いが根底にあります。

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●第39号 (2024年12月発行)掲載 ※掲載内容は発行日時点のものです。