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未来の「働く」を考えてみる

ウィズコロナ時代では、働き方やその価値観が大きく変化したと言われます。
今回は、激動の時代に社員と共に未来を切り開き続けているカイシャハッケン伝!企業の経営者2人にインタビューをしました。

PRESIDENT01

エス・エー・エス株式会社

代表取締役青山さん

青山さん

笑顔の絶えない人生の実現を目指して、「この難局を共に乗り越えよう」

コロナ禍では、社員をどのようにサポートしましたか?

テレワーク率が8割になったことで、自宅で快適に働くために環境を整備したいという要望が社員から出ました。まず一人当たり2万円を支給し、年度末にもコロナ対策への協力金として10万円を支給。今年度も支給を予定しています。初の緊急事態宣言後、マスクの入手が困難な状況になりました。つてがあり大量に入手できたので、「この難局を共に乗り越えその先にある最高の笑顔を信じ、皆さんとまた乾杯できることを心から祈っています」というメッセージを添えて社員や関係者に配布しました。社員の家族からは「社員を大事にする会社で家族が働いているのが誇りです」という手紙をもらい宝物にしています。社員の会社に対するエンゲージメント*1が高まったと実感しました。

エス・エー・エス株式会社
金融や流通、決済分野を中心にシステム構築を行っている。緊急事態宣言時には、顧客にテレワークシステムを期間限定で無償提供した。

アフターコロナに向けてどのような取組をしていますか?

この先10年はテクノロジーの進化による激動の時代になると考えます。当社では昨年、経営計画策定プロジェクト「SAS2030」を立ち上げ、毎年実施の新規事業チャレンジ制度もスタート。社員が出した60個のアイデアを1つか2つに絞り、採用された事業には2,000万円の資金と専任スタッフを配置する予定です。社員の経営者としての能力を開発するため、マーケティング研修や財務研修も導入しました。多様な経験ができる場を提供することが大切と思い、社員には通常業務以外にも各種プロジェクトに参画してもらっています。健康経営*2にも積極的で、当社独自の保養所を作るプロジェクトチームもあります。社員と会社が共に成長できる、笑顔の絶えない素晴らしい人生の実現が目標です。

PRESIDENT02

株式会社TOK

代表取締役社長吉川さん

吉川さん

どんな状況でも「今できることは何だろう?」と考えて活動し続けることが大切です。

この数年間で、働き方はどのように変わりましたか?

現在、当社は週4日まで在宅勤務*3を認めており、今後も推進していきたいと考えています。これまでは「会社に来ること」も「仕事のうち」でしたが、「わざわざ会社に来るのは何のため?」と私を含め社員たちが考えるようになったのは大きな変化です。在宅勤務の実施で郊外に移住する社員がいたり、生活スタイルの選択肢も増えたと感じています。今後実施したいのはワーケーション*4。長い休みを取って旅行に行くのも良いですが、仕事をしながら旅先で遊べることに幸せを感じる人もいるのではないでしょうか。オンライン会議の活用によって採用もリモートで行うようになり遠方の学生を採用できましたし、海外との商談も気軽にできるようになりました。悪いことばかりではないと感じています。

株式会社TOK
「これまでにない動き」をテーマに、暮らしを快適にする部品を製造。扉や蓋の開閉など、機械設計で良質な動きを実現している。

ウィズコロナ時代、若者に求められる姿勢は?

コロナを活動できない言い訳にせず、「今できること」を考えることが大事だと思います。昨年、当社では今できる改善活動を行おうということで、社員全員からアイデアを出してもらい業務改善を進めました。ここで出た案によりペーパーレス化が加速し、業務効率化やコスト削減に成功。SDGsの視点からも良い活動になりました。社員が自分ごととして捉えてくれたおかげで効果が出ましたから、やはり前向きに考える姿勢が大切です。また、中小企業でも語学の勉強は重要です。日本の経済規模が縮小すると言われる中で、特に当社のような製造業は、商売相手として海外を重視していく必要があるからです。今からでも決して遅くないので、勉強を続けてみましょう。

*1 エンゲージメント

「約束、契約」等を意味する言葉で、ビジネス用語として使う場合は従業員と会社の信頼関係を指す。一般的にエンゲージメントを高めることは組織の強化につながる。

*2 健康経営

従業員等の健康管理を経営的な視点で考え、戦略的に実践すること。従業員等への健康投資を行うことは、組織の活性化をもたらし、結果的に業績向上や株価向上につながると期待される。

*3 在宅勤務

情報通信技術を活用した場所や時間にとらわれない柔軟な働き方であるテレワークのうち、自宅利用型テレワークのこと。

*4 ワーケーション

Work(仕事)とVacation(休暇)を組み合わせた造語。テレワーク等を活用し、リゾート地や温泉地など、普段の職場とは異なる場所で余暇を楽しみつつ仕事を行うこと。

●第28号(2022年2月発行)掲載