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日本ケミカルスクリュー株式会社

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残業ゼロを全社で目指す。ニッチな市場でプラスチックの特性を生かす、ねじメーカー

残業ゼロを全社で目指す。ニッチな市場でプラスチックの特性を生かす、ねじメーカー

<カイシャの特徴>
●事業内容:50余年の実績を持つプラスチックねじの開発・販売会社
●育成制度:会社全体で新人を育成。知識をじっくり身に付けていける
●働く環境: 残業はほぼゼロ。退社後の時間を有効に活用

発想の転換が生んだ「プラスチックねじ」でマーケットを先導

 1965年の設立当時から、プラスチックねじの開発・販売を行ってきた日本ケミカルスクリュー。
 一般的な金属ねじと比較して強度は落ちるものの、軽量であることや耐熱性、非磁性、絶縁性、断熱性など、プラスチックならではのメリットを生かし、様々な分野で使用されている。
 例えば、医療機器のMRIのように強力な磁場が発生する場合、金属のねじでは磁気を帯びてしまい検査結果に支障が出る恐れがあるため、プラスチックねじの非磁性が生かされる。また軽量化が求められる飛行機の機内設備や、意匠性を高めるために水槽用フロートスイッチに透明のねじが使われるといった例もある。さらに、現在世界的な供給不足がニュースとなっている半導体の製造機械にも使用されており、その生産にも力を入れているという。
 「プラスチックねじは非常にニッチなマーケットであり、競合他社の少ない点が特徴です。ニッチなゆえに設立当時は販売に苦労しましたが、良さに気付いたお客様が徐々に増えていきました」と語るのは判治取締役。
 現在、約2,800種のねじをそろえる同社は業界の先導役であり、既製品のみならず顧客から特注品の依頼を受けることも多いという。
 同社では、商品の開発や営業活動に専念するため、ねじの製造はグループ内の別会社が行っている。その中で常に力を入れてきたのが素材の改良。 耐熱性や強度に優れた素材も採用し、顧客からの様々なニーズに応えてきた。
 そんな同社が設立から半世紀以上を経て開発したのが、プラスチックの特性を備えつつ約17,000ニュートン(約1,735キロの負荷に耐えられる)の強度を持つ高強度プラスチックボルトの「KYOUJIN(強靭)」シリーズ。特徴ある製品を顧客の新しい選択肢として提案するためのブランド「CHEMIS X」を立ち上げ、同シリーズをその第一弾として位置づけているという。
 「金属に近い強度に到達したことで、プラスチックねじの可能性はさらに広がると思います。今後はロボットや自動車、建築などへの展開を目指しています」(判治取締役)

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クリアなねじなど、プラスチックの特性を生かすことでニーズに応える

少人数だからこそ 会社全体で若手を育てる

 同社では入社後に、社会人としての基礎的な研修を行った後、約1カ月間倉庫での出荷業務を中心に担当することで豊富なねじの種類や材質について学んでいく。
 入社2年目、業務部の三上さんは「大きな会社だと業務が細分化され、内容ごとに質問する相手が異なる場合があります。しかし、当社は少人数ということもあり、誰にでも質問がしやすく、疑問がすぐ解決します」と、中小企業で働くメリットを語る。
 商品理解を深め受注業務に慣れた後は、発注や調整、さらに営業といった業務を担当していく。
 また、年次が上がってからも社員や材料メーカー主催による勉強会が開催されたり、TOEICや簿記検定など業務に必要な資格を取得した場合には資格手当が支給されるなど、スキルアップの機会が用意されている。
 「先輩社員が主催する品質管理に関する勉強会に参加し、知識を再確認することができました」(三上さん)

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「オーダーメイド品をお客様に提案し、受注できたときにやりがいを感じます」と話す三上さん

予定を立てやすくストレス少なく働ける 残業ゼロ企業を目指す

 同社の働きやすさに関して多くの社員が口にするのが、「残業の少なさ」。退勤時間は17時30分で、もし仕事が残りそうな場合、社員同士で協力し合い、全社で定時退社を目指しているという。そうした環境に注目し、転職してきた社員も複数在籍している。入社1年目、営業部の宮本さんもその一人。
 「子どもの小学校入学と同時に再就職を目指し、残業が少ないと聞いて当社を選びました。フルタイムで働いても家で夕食を作り、子どもと話す時間がしっかり取れることも嬉しいです」
 ほかにもジムに通うなど、趣味を満喫する若手社員もいるという。
 また、制度が整っているだけでなく、子育てに対する理解も深い同社。同じく入社1年目で営業部に所属する相澤さんは「子どもの入学式で半日有給休暇を取ろうと思ったのですが、『入学式だったら、1日休んだほうが良いよ』と先輩社員からアドバイスがあり1日休みました。周囲も声を掛けてくれる雰囲気で、日頃から有給休暇が取得しやすいです」と語る。

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「働き始めて、自社製品が多くの場所で使われていることを知りました」(宮本さん)
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受注管理を行う相澤さん。「納期調整がうまくいくと嬉しいです」と話す

取締役からのメッセージ

 少人数だからこそ、若い社員にも活躍できるチャンスがたくさんあります。やりたいことを自ら提案する、そんな人を待っています。

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判治取締役

読者からひとこと

社員とお客様のニーズに応える会社
 プラスチックねじは、普段あまり目にしませんが、見えないところでとても重要な役割を担い、必要不可欠なものであると強く感じました。また、社員の誰にでも質問がしやすい環境や、子育てに対する理解が深い点も魅力に思います。

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大学3年生 Sさん

●第30号 (2022年10月発行)掲載 ※掲載内容は発行日時点のものです。

企業情報

社名
日本ケミカルスクリュー株式会社
設立・創業年
設立年 1965年2月
資本金
1,000万円
代表者名
代表取締役 判治 文雄
従業員数
12名(内、女性従業員数2名)
所在地
158-0093 東京都世田谷区上野毛2-4-10
TEL
03-3703-1351