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特定非営利活動法人シンフォニア

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子どもたちと働く保育士・栄養士 互いの人間力向上を図って社会貢献

教育も働き方も理想像をめざすストーリー
子どもたちと働く保育士・栄養士 互いの人間力向上を図って社会貢献

特定非営利活動法人(NPO 法人)シンフォニアが運営する認可保育園「はぁもにぃ保育園」は、山下理事長が前職で培ったノウハウと、自身の子育ての経験をもとに設立。それぞれの生活に合った働き方で、日々、子どもたちと接している保育士・栄養士とともに、理想の保育園作りを目指している。

待機児童と理想の教育 課題解決のため保育園開設


 2011年に開設されたはぁもにぃ保育園の施設長を務める山下理事長。保育園開設のきっかけは、社会人教育を行う研修会社に勤務していた頃にあったという。
 「結婚、妊娠、出産と経験する中で待機児童問題に直面して、娘を認可外保育園に預けることにしました。認可外保育園には良い部分もたくさんあるけれど、教育上の部分で自分が思い描く理想と異なる部分がありました」
 小学校に上がるまでの6年間、親御さんのサポートをしながら子どもたちの教育ができる理想の保育園を作りたい。そんな思いから、自身の保育経験、そして研修会社勤務で培った教育のノウハウを活かした新しい認可保育園を設立した。
 NPO法人というと“ ボランティア”というイメージがついてしまいがち。しかし山下理事長は「給与や待遇、福利厚生も充実させていて、NPOの概念自体も変えていきたいという思いがあります」と意欲的だ。
 NPOの目的は様々な社会貢献活動を行うこと。それに伴う収益目的の事業を行うことも認められており、今後は保育園と学童保育から派生した事業も幅広く展開していく予定だ。
 「社会の課題を解決していきたいという志を持った人に来てほしい」と山下理事長は力を込める。

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保育園の施設長を務める山下理事長。シンフォニアでは保育園のほか、近くの舟渡小と志村橋児童館で「舟渡小学校あいキッズ」という学童保育事業も展開している

出産や家庭の事情に合わせて 様々な働き方を用意


 はぁもにぃ保育園では仕事と家庭のバランスを考え、正社員は勤務時間帯や土曜出勤の有無など4種類の形態の中から働き方を選択できる。フルタイムで働きたい社員は早番や遅番も行って、土曜出勤もあるが(正規A)、状況に応じて遅番のない「普通番・準早番のみ固定」という働き方(正規B)も選択できる。育児休業明けなどの社員向けには遅番や土曜出勤がない働き方(正規C)が選択できるようになっているほか、家庭の事情に応じて保育園側と勤務時間を相談の上で決定して働く方法(正規D)も用意されている。保育園開設当初は正規か非常勤かの2種類のみだったが、結婚・妊娠・出産を迎える社員が増えたことで制度を変更。家庭の状況を見て働き方を柔軟に決められるようになっている。

※正規A・B・Cは保育士または栄養士資格が必須。

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山下理事長と保育士・栄養士のみなさん。0~6歳児まで約60人を保育。子どもたちの様子と保育への情熱をみんなで共有しながら、日々業務にあたっている

業務にアプリを積極活用 研修や休暇制度も充実


 業務についての研修・指導にはタブレット型コンピューターやスマートフォンのマニュアルアプリを活用。動画や画像を保存でき、このアプリを閲覧することで業務の流れや必要なものの保管場所などが把握できるようになっているという。
 「業務が変わった時や日常の業務で何か困った時にはアプリで再確認しています」と入社1年目の保育士・美輪さんは話す。
 「現在100近くのマニュアルがアプリに入っています。また、経費での物品購入や残業などの申請には別のアプリを活用しています。ITに順応性の高い先生方が多いので、皆さん積極的に使ってくれています」と山下理事長は言う。
 また、社歴によって受講できる研修や取り組める業務が充実していく「キャリアパス制度」も大きな特徴の一つだ。例えば2~4年目の社員は提携している保育園への見学や人間力を高める自己啓発研修、海外研修など、様々な研修に参加できる。日々の取り組む業務では、基本的なものに加え、新人や実習生、ボランティアへの指導・援助も行っていくという。
 「技術と人間性が良いバランスで備わっているのが理想的。特に、子どもたちは先生の人間性や器をしっかり見ていて、先生によって子どもたちの反応も変わってきます。様々な機会を通じて人間性を磨いてほしいです」(山下理事長)。
 土曜出勤もある保育園だが、代休はもちろん、5日取得できるリフレッシュ休暇、アニバーサリー休暇など、様々な形で休みが取れる。
 「休暇を取る先生が多く重ならないように調整しながら、自分が休みたい日を選んでいます。特に給食室は栄養士4人で切り盛りしているので、なるべく休みが重ならないようにしています」と入社2年目の栄養士・松丸さんは説明する。
 保育士・栄養士の人間力向上を図りながら、子どもたちへの教育を充実させる。それが、シンフォニアが目指す保育園の姿と言えるだろう。

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高校生の頃からボランティアとして働き、2018年に保育士として入社したという美輪さん。「若い先生が多く、1年目からいろいろ経験させてもらえて、自分が大きくなれる園だと思います」

職員専用休憩室で“プチ女子会”


 保育園が入っているマンションの2階に職員専用の休憩室があります。ソファーやカーペットに座ってひと息ついたり、近くにあるコンビニで買い物をして、食べながら団らんしたりしています。先輩・後輩問わず、ざっくばらんに世間話から悩み相談まで話をします。女性が多いのでプチ女子会になることもしばしば。
 給食室にも休憩スペースやロッカーがあるので、栄養士はそちらで休憩することもありますが、保育士のロッカーはこの休憩室内にあるため、みんなでいつも利用しています。
(美輪さん・松丸さん)

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休憩室で団らんする保育士・栄養士の皆さん。園児たちが昼寝中は先生方も交代で休憩をとっている

●第14号 (2018年10月発行)掲載 ※掲載内容は発行日時点のものです。

企業情報

社名
特定非営利活動法人シンフォニア
設立・創業年
2011年4月
資本金
特定非営利活動法人のため資本金無し
代表者名
理事長 山下 真由美
従業員数
42名(内、女性従業員30名)
所在地
174-0041 東京都板橋区舟渡1-14-23 1Fルーエ浮間舟渡
TEL
03-3960-0111